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 議会報告 (平成23年6月28日 第2回定例会)

安心と活力ある豊島へ
  1. 区政運営について
  2. 危機管理と防災対策
  3. 協働・地域力
  4. 健康支援策

1.区政運営について


このしま  私は、公明党豊島区議団を代表して、「安心と活力ある豊島をめざして」と題して、一般質問をさせていただきます。

 質問に先立ちまして、東日本大震災で、尊い命を落とされた皆様に、心より哀悼の意を表しますと共に、被災され、今なお辛く厳しい非難生活をされておられる多くの皆様の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
 私も、5月の連休明けに、岩手の陸前高田市に実家や多くの親戚をもつ地域の友人と一緒に行って参りましたが、まるで「原爆を受けた後のような」とは現地の方の言葉ですが、津波が河口から上流に向かって8キロ以上もさかのぼったため、あの風光明媚な観光地として名高い海岸や松林など、どこにあったのかさえ、想像もつかない惨状でした。
 現地の皆様は、ご家族や多くのお知り合いの方々をあっという間に失ったその悲しみや、家を新築して、「さあ親戚を呼んで新築祝いをしよう」としていた、正にその日に、悪夢のような津波で全て流され、残されたのは基礎のコンクリート部分とローンだけという、本当に、かける言葉も無い有様を目の当たりにして参りました。
 ただ、被災された東日本の皆様の状況が全世界に伝わり、被災地の皆様の我慢強さ、礼儀正しさ、また地域や家族の絆の強さに世界中から驚きと賞賛の声があがり、その数は世界134ヶ国にものぼりました。海外から続々と支援の申し出があり、いち早く救助隊も送られ、アフガニスタン、エジプト、チュニジアなどの厳しい国内情勢を抱える国までが支援を表明しました。これはNGOやNPOをはじめとする日本の諸団体が世界各地で、これまで地道に行ってきた支援活動が認められている証でもあります。「日本は最大の救援国だ、何としても助けたい。」「頑張れ日本!負けるな日本!」との心温まるエールが寄せられました。
 被災地から遠く離れた私たちも、被災地の方々に思いを寄せる時、失ったご家族・友人・地域の絆の大切さをひしひしと思わずにはいられません。

 この千年に一度と言われる国難とも言うべき未曽有の大震災を受けて、高野区長は、多くの区民の皆様から熱いご信託を受けられての、4期目のスタートとなり、私たち36名の議員も選出されました。
 今、区民の関心は、①被災地の復旧・復興 ②福島の原発の影響③今後いつ起こるともしれない大地震に対する本区の防災対策であります。
 東日本大地震で数多くの津波対策が崩壊する中、唯一死者ゼロと被害を食い止めた防潮堤が話題になりました。それは、岩手県普代村です。ここには当時の和村幸徳村長(故人)の政治家としての決断がありました。村は1896年の明治三陸津波と1933年の昭和三陸津波で計439人の犠牲者を出しており、「2度あることは3度あってはならない」と当時の和村村長が「15メートル以上の防潮堤」を主張しました。工事の総工費は約36億円。人口約3千人の村には巨額の出費で、それは「万里の長城」と呼ばれた宮古市田老地区の防潮堤(高さ10メートル)を大きく上回る計画であり、当初は15メートルを超える高さの必要性が疑問視され強烈な批判を浴びたのですが、「明治に15メートルの波が来た」という言い伝えが、村長の頭から離れず、譲らなかったと言います。県にひたすらお願いし、建設の運びとなり、同59年には村を流れる普代川の河口から600メートルの場所に高さ15.5m全長205mの防潮堤と水門を完成させたのでした。それから40年後の本年、村の人々の命を救うことになったのです。
 この故・和村村長さんの信念を貫いた首長としての責任ある決断・そして議会の議決。この事を通しても「区民の生命と財産を守るため」との行政の一翼を担わせていただく責任は重く、私達に課せられているのは、復興支援と併せて、区民の命を守り、暮らしを支え合う社会の確かな仕組みをつくることであります。正に、日本の歴史に大きく刻まれる、歴史の分岐点とも言えるこの「3月11日の大震災」を教訓にして、減災対策に望み、より「災害に強い地域づくりと、災害に負けない暮らし」を作りあげる事こそが、行政に携わる私たちの最大の役目であり、今回被災された方々の悲しみに応えることであると受け止め、質問をさせていただきます。

 先ずはじめに、高野区長4期目のスタートにあたり、今後の区政運営について、区長のご決意を伺います。
 区長は、「子育ての喜びを分かりあうまち」から「すべての人が心豊かに暮らせる福祉のまち」など明るい希望溢れるマニェストを掲げられ、今期に望まれました。大変、心強く、私たち公明党としましても、高野区政を支える与党として、新たなる決意の下に、セーフコミュニティの認証取得に向けて、安心・安全の街づくり、教育・福祉の充実のために全力を傾注して区政に取り組んで参りますことを、まずもって表明するものであります。
 高野区政におけるこの12年間は、「財政の危機」から始まり、健全財政を行うために、来る年も来る年も「構造改革の断行」「行政改革」「選択と集中」の連続でありました。そして昨年までの実質的借金をゼロにするという首長としての責任と取り組みは、大変なものだったと思います。この間、未来戦略推進プランを掲げながら、「未来の子どもたちに価値あるまちを引き継ぐために」と強いリーダーシップで取り組んで来られましたことは、豊島区政の歴史にしっかりと刻まれるところでありますが、また越えなければならない新たな怒涛が次々と出来てくるものだと思う昨今であります。

 そこで、今後の豊島区の区政運営について伺います。
 今、日本はリーマンショック以来の世界経済の落ち込みによる円高、デフレ不況が全く回復基調とはなっておらず、雇用不安も深刻な状態となっております。また、東北経済への打撃は想定された以上に深刻であり、その影響は全国に広がり、GDPのマイナス幅が事前予想を大幅に超えるものでした。外交におきましても、福島の原発も手伝って、諸外国とも安定した関係とはなっておらず、国民の多くが国内外の諸課題に不安や閉塞感を感じ、国の将来を憂えている現状にあります。
 その上、家計と企業両方の心理の冷え込みで個人消費や設備投資が落ち込んだこともあり、これらの状況から、日本経済全体が成長の鈍化を招いている状態です。このような経済の低成長が確実になりつつある状況下における区政運営を考えますと、大変厳しさが増して来るのではないかと心配されます。
 これらに対して、区長はどのような認識をお持ちであるか伺います。また、東京ウォーカー“2011、住んで良かった街”ランキングの上位を占めることになった街づくりにつきましては、今後ハード面・ソフト面ともに、より高い評価が得られるよう期待するものであります。

 2点目に、新庁舎とともに完成予定の(仮)西部地域複合施設の建設についてであります。両施設とも完成年度は26年となっておりまして、西部複合施設は、現在設計をプロポーザルで行っていると伺っております。
 最近、都内においてもマンション等の新築物件を求める動きが強くなってきており、今後の建築に関しましては、東日本の地域が優先されるため、都内は、資材の入手も厳しくなってきて、そのコストも上がってくるのではないかと心配されております。
 新庁舎に関しましては、建設スケジュールに影響が及ぶことはないとのことですが、西部地域複合施設に関しましてはいかがでしょうか。
 また、これまで西部地域複合施設の建物の中の配置は、芸術文化資料館を2階にすることで、3階の図書館を訪れた方もシャワー効果により見学者の増加が見込まれる・・・とのことでしたが、2機のエレベーターのみが設置されるようになっております。しかし、これでは通過する方が多いのではないかと思います。そこで、エスカレーターの設置をすべきではないかと考えますがいかがでしょうか。さらに、昨年、辻議員が、十和田市のArts Towadaをとりあげ質問しましたが、十和田市では、まちづくりの基本目標として「感動・創造都市」を掲げ1.1kmにわたる官庁街通り全体を美術館と見立て、アート作品の展示やアートプログラムを展開していることをご紹介させていただきました。そこで本区におきましても、せっかく複合的文化拠点を整備する訳ですので、ぜひ、都道などを活用し、ここに人々が訪れたくなるような、仕掛けをされてはどうかと思いますがご所見を伺います。
ライン森

高野区長  お答えの前に、此島澄子議員におかれましては、この度の選挙で連続6期当選なされ、誠におめでとうございます。この間、さまざまな経験を積み重ね、女性議員として常にリーダーシップをとられ、きめの細かい女性の感性を活かし、区政の取組に沢山のご提言を頂いております。
 この度の一般質問におきましても、震災の被災地の状況を視察され、本区に共通する課題につきましてさまざまな角度から極めて重要なご指摘を頂戴いたしました。更には、岩手県普代村の防潮堤の建設について、将来を見据えて政治家としての勇気ある決断をした故和村幸徳村長の業績、岩手県普代村の防潮水門の建設は、まさに首長としての信念を貫いた責任ある決断、忘れ得ぬことと私の心に深く刻み込んでおります。

 ただいまの、此島澄子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。
 はじめに、この度の一般質問におきまして此島澄子議員におかれましては、震災の被災地の状況をつぶさに視察され、本区にも共通する課題につきまして、様々な角度から極めて重要なご指摘を賜り、深く感謝申し上げます。

 区政運営についてのご質問のうち、まず、東日本大震災の影響を受けて、経済成長が期待できない状況下での区政運営に関する私の見解についてお答えいたします。
 リーマンショックからようやく立ち直りの兆しを見せていたわが国の経済情勢も、3月11日の東日本大震災によりまして、再び、混迷の中に逆戻りした感があり、日本経済全体に重苦しい暗雲が立ち込め、先行きの見通しが全く立たない状況となってきております。
 このような状況は、議員もご指摘のとおり、都区財政調整交付金や個人住民税などの区財政の歳入環境にも大きな影響を及ぼす問題となります。
 目黒区では、この影響から、今後3年間で180億円の歳出削減を行うとの報道がありますが、これほど極端ではないにしても、他区でも同様に、厳しい財政環境にあるとの認識に立たざるを得ない状況となっております。
 これが、膨大な借金地獄と財政難に喘いでいた10年前であれば、本区の命運が絶たれるほどの財政危機をもたらしていたことと思います。
 しかし、現在の区財政の体力は10年前とは異なります。
 負債などの将来負担はピーク時の3分の1程度にまで縮小しており、起債への依存度は低く維持され、また、人件費や公債費の負担は今後も低下する見込みであります。
 このように、これまでの財政健全化の取組みによりまして、財政の弾力性は今なお維持されている一方で、納税義務者数が引き続き増加しておりますことは、本区にとりまして明るい材料であります。
 あれほど深刻な財政危機を区議会の皆様とともに克服してきた経験は、私にとりまして、大変大きな財産であります。私は、この貴重な経験を今後の区政運営にも活かし、施設の民営化などの構造改革を一層推進して、このような厳しい局面にありましても、区議会の皆様とともに、叡智を結集し、工夫を凝らして、「区民を守る」ための大胆な政策を展開し、その実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

 次に、(仮称)西部地域複合施設の建設についてのご質問のうち、まず、建築資材の確保等に関するご質問にお答えいたします。
 本施設につきましては、新庁舎とほぼ同時期の平成26年度末ごろの竣工を目途としておりますが、新庁舎の工期が約35カ月なのに対し、本施設は約18カ月を予定しており、平成25年度の着工となります。現在、地震の影響により、東北地方に多くの工場がある建築資材、具体的には構造用合板や空調機などは、未だに手に入りにくい状況にありますが、これらについては、今年の秋ごろには回復すると聞いております。しかし、震災の復興が本格的に始まる今後の動向については予測が難しいため、市況を注意深く見極めながら事業計画を立てていきたいと考えております。

 次に、施設配置についてのご質問にお答えいたします。
昨年12月に策定いたしました、整備基本計画における配置では、1階に区民事務所や保健福祉センター、区民ひろばなどを配置し、2階に(仮称)芸術文化資料館、3階に図書館、4階に地域文化創造館としております。この配置では3階4階へ訪れた方が2階に立ち寄られるという相乗効果もある程度期待できると思われますが、ご指摘のとおり、エレベーターだけでは効果が薄く、施設全体としての一体感が無い建物となってしまいます。今年度実施する基本設計の中で、あらためて各施設の配置を詳細に検討するとともに、エスカレーターや階段の設置も含め、上下階の人の往来が活発になるような建築計画をまとめていきたいと考えております。

 次に、(仮称)芸術文化資料館の整備にあたり、まち全体が魅力あるまちとなるような仕組みについてのご質問にお答えします。
この地域周辺には、長崎アトリエ村や池袋モンパルナス、トキワ荘、横山光輝氏、区立熊谷守一美術館など貴重な歴史文化資源が点在します。
 24年度秋には、椎名町駅の改修工事が終了し、椎名町駅から千川・要町駅エリアの案内ボード等が設置されることから、点在する文化資源のひとつひとつがまちなかのシンボルとなり、人々が回遊できるような仕組みを検討してまいりたいと考えております。また、まち全体をミュージアムに見立て、まちなかにアート作品を展示したり、まちなかワークショップを企画するなど個性あふれるアートイベントの開催も、施設の開設準備と併せて検討してまいりたいと考えております。こうしたまちとアートが有機的にまざり合った取組みを実施することで、発信力を高めていきたいと考えております。

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2.危機管理と防災対策


このしま  1点目に豊島区「事業継続計画」BCPについて伺います。
 3月11日の有事の際、私たちは予算委員会最終日の最中で、区長をはじめ、主だった職員の方々は、全員が全員協議会室におりました。今までにない地震の大きさと不気味な揺れの中で、議会は一度は中断したものの、最後まで行われましたが、まさにこんな時は、災害対策本部長である区長は、どうするのかという観点において、あの場合は、あれで良かったのだろうかと考えさせられました。
 「事業継続計画」は、災害の発生直後から行政などが通常、および応急対応業務について、1時間以内・3時間以内・12時間以内・1日以内・3日以内・1週間以内・1か月以内・1か月以降と中断する許容期間を定め、業務の開始や再開が遅れた場合に、法令等の規定や社会通念上の視点から、これ以上開始や再開が遅れると重大な影響が発生すると考えられる限界の期間を定めるものです。災害が発生した時に、優先的に取り組むべき重要な業務を継続し、最も短い期間で事業の復旧を図るために、事前に必要な資源の準備や対応の方針・手段を定める計画です。
 区としても庁舎等が被災したり、職員も負傷したりすると、豊島区役所事態も制約を受け、平常時の区民サービスを続けることが困難になります。こうした事態が発生した場合に、通常業務のうち区民生活に影響が少ない業務を積極的に停止・休止し、物的・人的資源を災害復旧の緊急時優先業務にするとともに、区政の一刻も早い平常復旧を計画的に進めるため、区としても、「業務継続計画」を策定しておく必要があります。
 「事業継続計画」は、2007年の新潟県中越沖地震の時に、自動車部品メーカー「リケン」の工場が被災し、国内の自動車メーカー12社の生産が一時停止する異常事態に陥ったことから、「事業継続計画」が大きく注目され始めました。
 東京都は、平成20年11月に「都のBCP」として、首都直下地震を想定して東京都業務継続計画(地震編)が公表されました。この計画策定に当たっては、広く区民の皆様にご理解を頂き、いざという時に無用な混乱を防ぎ、「自助・公助・共助」の行動がスムーズに出来るよう予め決めておくものです。都内でも、何区かがこの策定に取り組まれておりますが、本区のお考えを伺います。
 また、陸前高田市のように、市の職員の理事者の方々が一斉に被災されるということも無いとは言えません。本部長である区長が被災して指揮がとれないことも有り得ますので、その時はどうするのか、2番手、3番手、4番手、5番手と予め決めておく必要があると思います。アメリカ大統領の代理の人は、18番目まで決まっていて、この全員が同時に同じ場所に居ない工夫までしてあるとのことです。

 2点目に「被災者支援システム」の運用について伺います。
 この「被災者支援システム」については、島村議員が昨年一定の質問でとりあげましたが、その時の答弁は兵庫県西宮市が開発したものでなく、「京都大学で類似のシステム開発が進んでいるので、比較検討し、新庁舎整備を念頭におきながら情報収集に努め、災害情報システムの導入と併せて検討していく・・」というものでした。
 今回の東日本大震災でも、陸前高田市の職員が罹災証明を発行するのに、大変な ご苦労をされながら、不眠不休で取り組んでおられました。災害が発生した時、何よりも人命救助が最優先ですが、その後はきめの細かい被災者支援が求められます。中でも家を失った住民が生活再建に向けて、なくてはならないのが、り災証明書です。り災証明を発行するためには、住民基本台帳と家屋台帳、そして被災状況を確認した上で、新たに作成した調査結果という、この3つのデータベースを突き合わせる必要がありますが、この3つのデータベースは独立して存在します。仮にこの度のような大きな災害が起きた場合、豊島区においても大量のり災証明書の発行が必要となると思われますが、今のままでは確認作業に手間取り、被災者を長時間待たせる等負担を強いることになりかねません。
 そこで、確認しましたところ、本区では、東京都が導入した京都大学のシステムで、都のモデル実施をされると伺いました。そこで、そのモデルとなるメリットと進捗状況を伺います。

 3点目に、防災行政無線と情報伝達機能について伺います。
 この防災行政無線は、日頃から区民にとっては、重要な情報ツールですが、私の地域でも「良く聞こえない」という声を聞きます。
 近くに大型マンションがある所などに多いような気がしますが、区内全域の状況はいかがでしょうか。
 そこで、「音声自動応答サービス」の活用をされてはいかがでしょうか。このサービスは、狭山市でも実施されておりますが、電話を利用して「防災行政無線」の放送内容を通話料無料のフリーダイヤルにより、24時間対応で確認することが出来、費用対効果の高いサービスと言えます。
 また、今回のように、誰もが頼りにしている携帯電話が繋がらず、普通電話も長蛇の列となりました。被災地では、瓦礫の狭間で生き延びながら、救援を求めてつながらない携帯電話を必死でかけ続けていたという被災者も少なくなかったと伺いました。そこで、本区におきましては、安心・安全メールも活用すべきではないでしょうか。また災害情報や避難所情報などを区民に提供する手段として、インターネットで「つぶやき」を投稿する公式ツイッターの活用も考えられます。NTTドコモでは、緊急情報を登録手続きなしに一斉送信する“エリアメール”を配信するサービスを始めたため、導入する自治体も出てきたようです。また、以前、中島議員がコミュニティFMラジオの活用を訴えて参りましたが、使用電波帯が限られているところから、都内での新たな開局は難しいとの答弁を頂いておりましたが、近隣区との連携やデジタル化の際には、ぜひご検討いただきたいと思います。また、豊島ケーブルテレビなどのワンセグ放送システム等と、この際、あらゆる媒体、多ツールでの情報連絡のしくみづくりが必要と思いますが、ご見解を伺います。
 またこのような媒体は難しいという方々のために、港区では、24時間以内に情報を伝える広報紙の“災害用号外”の発行を行い、区内の掲示板に張り出すとのことです。また、聴覚障害をお持ちの方々には、ファックスで対応されてはいかがでしょうか。合わせて伺います。

 4点目に、救援センターについて 
 先ず、「学校施設の防災機能の向上」について伺います。
言うまでも無く、学校施設は救援センターとして、重要な生活空間になります。
今回の地震により体育館や公共施設等の大規模な空間を持つ建物において天井が破損・崩壊する被害が相次いで報告、報道され、その安全性が大きな関心事となってきています。
 これらの地震による天井の被害からは、天井の種類によって違いが見られますが、在来工法天井では、下地や天井ボード等天井全体が概ね一体化されているため、ひとたび天井落下が始まると連鎖的に天井全体に広がる可能性があることもわかりました。本区の場合はいかがでしょうか。
 また避難所となる体育館は、「一人畳一畳の広さ」と言われております。非難すべき地域の人口・世帯数を考えると、とても間に合うものではありません。
 また、高齢者の一人暮らしや、高齢者世帯が増え、在宅で介護サービスを受けられている方が増加していますので、救援センターへの非難も大変です。
 そこで、防災組織、民生児童委員さんなど関係者のご協力をいただきながら、区民ひろば等の地域で支えあうことができる「災害時住民支え合いマップづくり」をされてはいかがでしょうか。
 私の実家の飯田市では、マップ作りに関する研修会の開催や、関係する情報や資料等の提供を行い、各地区での取り組みが進むように、支援、協力を行っています。本区での取り組みはいかがでしょうか。

 5点目にマンション対策です。
 高層マンションが増え、有事の際に心配なのは、ライフラインの寸断とエレベーターの停止です。中央区では、急激な高層住宅の増加に対応し、新たな防災対策として、高層住宅防災計画「震災時活動マニュアルの策定」を行いました。
 マンションごとに独自の震災時の活動マニュアルの作成を呼びかけ、その作成費用の助成やコンサルタントの派遣など、作成のバックアップを行い、管理組合の規模や住民世帯数に合った防災対策の指導を行って、個別のマニュアルを策定する作業を行っております。
これは、居住者の方々の安全・安心を確保し、「自分のマンションは、自分たちで守るという防災対策を強化していくためにも、有効な支援だと考えますが区長のご見解を伺います。

 6点目に、防災計画見直しにあたる「女性参画の拡大」について伺います。
 平成23年度の日本の女性の総合的な活躍を国際的に比べて見ると、その活躍指数は世界134ヶ国の中で、何と第94位という情けない結果が出ております。その中で、公明党議員は、現在約3割の900人が女性で、数も割合も政党の中でトップクラスとなりました。今回も被災地で、下着や食事をはじめ、必要な物資の調達などにフル回転しております。被災者の方は、「こんな非常時に、こんなことは言いだせない」と誰にも言えず、耐え忍んで我慢していますが、男女の性差や高齢者・乳幼児、障害者や年代層によっても、その要望には、さまざまなものがあり、その声なき声に耳を傾けながら、ネットワークを生かし、他地域の自治体が備蓄するアレルギー対応の粉ミルクや企業から提供された医薬品や化粧品・生理用品をはじめとする救援物資を避難所に届けたり、切実な悩みにも応える細やかな支援を手掛けたその存在が大変喜ばれ、「女性の視点」がいかに重要であるかが認識されております。
 大分県は、「女性の視点による防災指針作成検討会議」を開催し、女性の消防団や社会福祉協議会,介護福祉士,看護士,ボランティアなどで、女性の視点を防災基本指針等に反映させ,まとめております。 その内容は・・・避難所運営に男・女の責任者の配置・・ から始まり、男女別の更衣室の確保、女性用洗濯物干し場の確保、授乳・育児スペースの確保など、女性ならではの発想に溢れております。また、高齢化が進み、ひとり暮らし高齢者の7~8割は女性ですが、高齢であってもバリバリ動ける方もおられますので、女性・高齢者・子どもは「災害弱者」とは限りません。
 国は昨年の12月、第3次男女共同参画基本計画を閣議決定し、防災における男女共同参画の推進を盛り込みました。これを受けて豊島区でもぜひ、審議会等には、女性の割合をしっかり確保していただきたいと考えますがいかがでしょうか。
 今月、地元地域で開催された防災訓練でも、体育館で実際に寝てみるところまで行われる臨場感のあるものでしたが、そこでの女性の声は、「やはり、マットを敷いても、これでは長期間は耐えられない。」「寝る時に男性と女性を分けて欲しい人もいる。」「体育館だけでなく、校舎も耐震化されているのであれば、夜だけでも教室の解放をして欲しい」などの声がありました。

  さらに、日本ではペットを飼う家庭が多く、ペットは、かけがえのない“家族の一員”“社会の一員”となっております。 ペットフード協会の調査によりますと、日本では、犬1232万匹、猫1002万匹が飼われていると推計されています。 ペットは補助犬としてだけでなく、アニマルセラピーとしても活躍してくれております。このペットに対する対応も必要と考えますが区長のご所見を伺います。
ライン森

高野区長  次に、危機管理と防災対策についてのご質問のうち、まず、事業継続計画の策定についてのご質問にお答えいたします。
 ご指摘のとおり、緊急時に限られた人員等で行うべき応急業務及び継続すべき重要な業務の選定と、その実施手順を定めておくことにより、最優先に行うべき業務に、迅速な対応ができるようになり、区政のいち早い復旧を計画的に進めるためにも、事業継続計画の策定は不可欠であると考えております。
 特別区では、現在12区が、業務継続計画(震災編)を策定しておりますが、本区では、平成21年9月に、「新型インフルエンザ(弱毒型)業務継続計画」を策定したものの、震災編については未策定の状況にあります。
 現在、業務継続計画の震災編はもとより、インフルエンザ(強毒編)や大規模停電時等の電力利用制限も視野に入れた「豊島区BCP(業務継続計画)」の策定に向け準備を進めているところでありますが、今後、検討を進め、年内を目標に策定できるよう努めてまいります。
 なお、計画の策定にあたりましては、ご指摘のとおり、指揮命令系統についても念頭におくとともに、本区の特性を十分踏まえた業務継続計画が策定できるよう十分検討を重ねてまいります。

 次に、被災者支援システム導入のメリットと進捗状況についてのご質問にお答えいたします。
 東京都は、都内62区市町村共通の被災者支援システムの構築を目指しており、今年度中に豊島区及び調布市をモデルとした実証試験を経て、完成させる予定でございます。
 このシステムは、文部科学省のプロジェクトとして京都大学が中心となって開発したもので、新潟県中越地震などで運用され、有効性が実証されているものです。電子地図(GIS)を活用して、被害状況、住民基本台帳、家屋台帳を突き合わせるものでありまして、住宅の被害調査から「り災証明」の発行、義援金の交付など被災者の生活支援まで、効率的に処理する ことができるシステムです。現在、岩手県で運用されており、更なる機能の向上が図られているところです。
 今年1 月には実証試験用の住民基本台帳データの提供について個人情報審議会の承認をいただきまして、すでに東京都に情報提供を済ませております。こうしたデータを活用し、現在、9月を目途として東京都、消防署の参画を得て、区民にもご参加をいただく実践的な「り災証明」発行訓練を行う方向で調整しております。その後、年度末までにシステム改修が行われ、来年度から実際の運用を開始できる見通しであります。
 システム開発に要するコストは国と東京都が負担することになっており、モデルとなることで、豊島区の実情に適合したシステムを23区の中で真っ先に導入することができます。また、システムを使って訓練を行うことにより、被害調査、り災証明発行、復旧・復興支援策との連携など、発災後に必要な一連の動きを検証することができます。首都直下型地震に備え、復旧・復興期における対策の充実を図る上では、絶好の機会を得たものと考えております。

 次に、防災行政無線と情報伝達機能についてのご質問のうち、「音声自動応答サービス」の活用についてのご質問にお答えいたします。
 東日本大震災の発生後、防災行政無線を活用した計画停電のお知らせを実施いたしましたが、多く区民の皆様から「よく聞こえない」といったお叱りを頂戴いたしました。
 高層建築物による反響や、風向き、天候などによっても聞こえにくくなることがあるため、特定の地域ではなく区内全体でこうした問題が生じております。
 拡声器の向きの微調整などの努力をしているところではございますが、なにぶん古い機器でもあり、増設や大幅な性能の向上を図ることは困難な状況でございます。
 ご提案いただきました「音声自動応答サービス」は、大きな初期投資を要することなく、無線の放送内容を好きな時に確認していただくことができる優れたシステムであると考えております。狭山市などから情報収集いたしまして、導入に向けて検討してまいりたいと存じます。
 このほか、区民の皆様に向けた防災情報の提供につきましては、新たな手法も開発されておりますので、今後、最新技術の研究を行い、総合的に充実を図るべく検討してまいりたいと思います。

 次に、安全・安心メールの活用についてのご質問にお答えいたします。
 本区としましても、この度の震災発災直後、安全・安心メールが、十分に活用されたとはいえませんでした。今後は、この教訓を生かし、今まで以上に、災害情報や避難所情報の身近なツールとして活用していきたいと考えております。
 今回の震災では、インターネットやツイッターなどを活用した通信が有効的であったと言われておりますので、今後、新たな情報提供手段についても、防災情報の多様化、多重化といった視点から、鋭意、研究してまいりたいと考えております。

 次に、多ツールを用いた情報連絡のしくみづくりについてお答えいたします。
 今回の大震災の教訓として、帰宅困難者への対応を含めて、情報提供のあり方について改めて検証しなければならないと考えております。
 区では、発災直後、区民へいち早く最新情報を提供するため、携帯を含めた公式ホームページのトップページで刻々と変化する情報を、夜を徹して発信いたしました。
 また、広報としまでは、3 月25 日号に緊急区長メッセージや、被災臨時相談窓口の開設、義援金、節電の呼び掛け等を掲載し、4 月定例号を前倒して発行するなど、情報の迅速な提供に努力してまいりました。
 しかしながら、ご指摘のように、災害情報や避難情報などを区民に情報提供する手段は多様化しております。
 ツイッターについては、23区では、本年4 月現在、7区で導入されております。ツィッターの優れた点は、迅速に双方向の情報交換ができることにあります。情報の真偽の確認や運用体制の構築など課題もあるようですが、先進区の運用状況を調査し、導入の可否について引き続き研究してまいります。
 また、コミュニティFMについては、被災地を中心として、情報発信基地としての機能が注目されております。都内では、現在、6区で、民間によるコミュニティFM局を開設しております。現時点では、電波の割り当て等の制約から、都内での新規開設については事実上困難でありますが、その動向を注視してまいります。
 としまテレビについては、災害時の協力関係について協定を結んでおりまして、今回の発災時においても、緊急テロップ情報を放映したところですが、地元ケーブルテレビの特性を生かした震災情報の発信の拡充について、協議してまいります。
 区では、こうした区民の皆様への災害情報として、区民ひろばに震災情報コーナーを設け、日々更新するホームページの震災情報を掲示いたしました。
しかしながら、豊島区が被災地になった場合には、こうした機能も一時的に機能しなくなることも想定をされる訳であります。
 したがいまして、ご提案いただきました広報紙の災害用号外につきましては、緊急時における広報手段として検討してまいります。
 いずれにしましても、災害時を想定した場合には、ご指摘のとおり多様な媒体による情報発信を工夫していくことが必要であり、地域防災計画の見直しの大きな柱として、今後も幅広く研究してまいります。

 次に、聴覚障害のある方への情報伝達についてのご質問にお答えいたします。
聴覚障害のある方に対し、現在、区で提供している情報伝達機能の中で、とりわけ安全・安心メールが喜ばれ、障害者団体の会報誌に掲載するなど、積極的にPRしていただいておりますので、今後、さらに団体とも協力しながら周知を進めてまいりたいと考えております。
 また、先の臨時会で補正予算の議決をいただき、聴覚障害のある方にも災害情報が伝わるよう、今後、緊急地震速報に対応したパトランプと電光掲示板を区立施設5か所に設置することを予定しております。
 区といたしましては、本年5月に設置いたしました第3期障害者地域自立支援協議会の中に新たに設けました防災部会に、聴覚障害のある方も委員として参加しておられますので、パトランプや電光掲示板等の避難誘導設備整備事業の拡充につきましても協議するとともに、区における防災情報に関する総合的な取組みと連携をしながら、災害時の情報伝達のあり方について、今後さらに検討してまいります。
 なお、私からの答弁は以上ですが、危機管理と防災対策の質問につきましては、危機管理監であります総務部長から、その他の質問につきましては、関係部長から、答弁いたさせます。
ライン森

総務部長  次に救援センターについてのご質問にお答えいたします。
 まず、学校施設の防災機能の向上についてのご質問にお答えいたします。
 本区の学校施設の耐震化につきましては、全ての小・中学校において耐震補強工事を行い、建物の構造体の耐震化は完了しております。また、今回の地震で大きな被害が出たのは、体育館やホールのような大空間の天井がほとんどでありますが、本区の小中学校の体育館は、天井材を使用しておらず、屋根と鉄骨が構造上一体となっており、天井材が落ちることはありません。
 今後も今回の地震被害の詳細データーを収集するとともに、定期的な学校施設の点検と改善に取り組み、施設の改修・改築にあたっては、十分な耐震化対策を行い、学校施設の防災機能の向上に努めてまいります。

 次に、「住民支え合いマップづくり」についてのご質問にお答えいたします。
 飯田市におけるマップ作りは、災害時において近隣住民の皆様が災害時要援護者の方々を支援する上で、非常に有効な手法であると考えております。
 本区におきましては、要援護者の避難支援に活用していただくため、個人情報の提供に同意していただいた要援護者の名簿、いわゆる「手挙げ名簿」を町会、民生・児童委員の皆様などに配布しております。しかし、配布できている人数が450人前後、要援護者全体の5パーセント前後で推移している状況でございまして、なかなか共有化が進んで行かない悩みがございます。
 また、区内では、民生・児童委員の皆様による災害に備えたマップ作りが進んでおり、先の震災時にもマップを活用した安否確認を行っていただいておりますが、このマップを町会役員や消防団など地域の防災リーダーの方々と共有をいたしますことは、個人情報保護の観点から多くの課題があることも事実でございます。
こうした状況を打破し、地域での要援護者情報の共有化を進めるための仕組みとして、セーフコミュニティの安全・安心ステーションでもあり、区有施設である地域区民ひろばを中心に据えた情報共有の仕組みづくりについて、現在、庁内で検討をしているところでございます。震災を機に、この検討を加速いたしまして、早期のモデル実施を目指し、地域で共有できる「住民支えあいマップ」作りにつなげてまいりたいと考えております。

 次に、マンション対策についてのご質問にお答えいたします。
 近年、区内においても高層マンションの建築が相次いでおり、高層マンションの防災対策の必要性は重要な課題であると考えます。
 本区におきましても、平成21年6月に中高層集合住宅に関する条例を改正し、大規模マンションを建築する際には、居住者向けの防災備蓄倉庫の設置を義務付けをいたしたところでございます。また、近隣町会と災害対策設備の設置等についての協議を行うことを義務付けるなど、マンションの防災対策の推進に努めております。本条例は、平成22年1月1日より施行しておりますが、これまでに事前協議があった9件のうち、全てで協議が成立しておりまして、新築の大規模マンションの防災対策が、着実に進展するのではないかと考えております。
 また、東日本大震災の教訓といたしまして、今後は、既存マンションの防災対策が重要な課題であると認識しております。
 ご質問にある「震災時活動マニュアル策定の手引き」は、高層マンションの防災対策を考える上で、有効なものと考えております。
本区では、現在、「マンションの適正な管理の推進に関する条例」の制定に向けて取り組んでいますので、この条例の中に対応策を盛り込むことを検討してまいりたいと考えております。
 また、検討に際しましては、ご指摘の事例などを参考にしながら、本区の地域防災計画との整合を図り、本区にふさわしい対応策として構築してまいります。

 次に、防災計画見直しについてのご質問のうち、防災に関する審議会等における女性の割合の確保についてのご質問にお答えいたします。
 本区は「としま男女共同参画推進プラン」において、政策・方針決定過程における男女共同参画の推進を図るため、審議会等の委員の女性の参画率を40%にするという目標を掲げ、取組みを進めているところでございます。
 しかしながら現状では、地域の様々な組織において意思決定に係るポジションに女性の参画が進んでおりません。審議会等によっては、女性委員が少ない、もしくは全くいないというものもございます。地域防災計画策定に係る防災会議委員48名のうち女性は区議会選出の2名でございます。
 また、区の災害対策本部は全員男性で構成されています。委員ご指摘のとおり、災害時・非常時であるからこそ、女性や子ども、高齢者・障害者等様々な状況に置かれている方々へのきめ細かい支援が重要であると認識しております。今後の本区の防災計画見直しにあたりましては、避難所運営への女性の視点・生活者の視点の導入は欠かせないと考えており、ご紹介いただいた大分県の取り組みは、大変参考になるものではないかと考えてあります。引き続き、地域の女性たちが社会のあらゆる場面で意思決定に参画することを支援するとともに、先進自治体の例を参考にしながら、防災・まちづくりに女性の視点を導入する仕組みを積極的に検討してまいります。

次に、ペットの対応についてのご質問にお答えいたします。
ペットは、飼い主の皆様にとりましては家族同然の存在であり、また、健康維持にも寄与するものであることは十分に認識しております。現行の豊島区地域防災計画においても、人と動物がともに、安全で健康的な避難生活を送ることができるよう、飼い主の自己責任の下で、同行避難を行うことを原則としております。避難者の中には、動物アレルギーの方がいることも想定されますので、救援センターの運営にあたりましては、そうした点に配慮することも必要になってまいります。今後、東日本大震災に伴いましてペットを受け入れた避難所の状況について情報収集を行いますと共に、動物愛護団体や獣医師会と意見交換を行いながら、救援センターにおけるペットの適正飼育に関するマニュアルの整備などについて、具体的な検討を進めて まいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。

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3.協働・地域力について


このしま  東日本の被災者の方々は、この大震災により、これまで築き上げてきたもの全てをなくし、正に瓦礫の中から這い上がる思いで、復興に向けての厳しい生活が始まっておりますが、その中で、「家族のつながり、地域のつながり、人と人とのつながり、絆がどんなに大事なものであるか思い知らされた」と口々に言われました。
 まさに、あってはならない大惨事から、人は人に支えられて生きていることを改めて実感させられましたが、このことは、これから日本の少子高齢社会が生み出すさまざまな課題を乗り越えていくための、正に、そのキーワードとも言えるものではないかと考えます。一人になっても安心して生きていける社会が希望です。
 本区でも、日頃から各種団体や町の皆様が地域活性化のために、様々な活動を繰り広げていただいておりますが、ここでは、福祉分野における協働という観点から、提案を含めて質問をさせていただきます。

 高齢者の孤独死や孤立を防ぐために、ご近所の力・向こう3軒両隣の力による、さまざまな取り組みが各地で開始されておりますが、豊島区でも東京都が推進するシルバー交番の事業を具体化する形で、地域における「新たな支え合い」の仕組みづくりを目指し、区内8か所に設置している地域包括支援センターの圏域で、地域・住民、ボランティア等の地域の力を活かした“福祉コミュニティづくり”が推進されることになっております。そこで、その進捗状況を伺います。
 また、「介護支援ボランティア」として、提案させていただいた“高齢者元気あとおし事業”にご参加いただいている皆様は、現在235人位ですが、溜めたポイントの活用を、どのようにされておられるのか伺います。また今後、見守りと支え合いネットワーク事業等の方々も増えていくものと思われますが、中野区では、見守り活動に取り組む町会や自治会に名簿を提供し、訪問や防犯パトロールなどの安否確認活動に対し、「地域支えあいポイント」として交付する仕組みを導入する方向です。1点1円相当でシールを台紙に貼り、たまれば区内の商店で使える商品券に交換できるというものです。年間の交付額は、1人当たり数千円分が上限になり、見守り対象の高齢者にも、ボランティアに対する謝礼として5千円分程度のポイントが交付されるというものです。そこで、ぜひ本区の見守りネットワーク事業にも、ポイント制度が導入されるよう提案いたしますがいかがでしょうか。
 今後、民間企業への業務委託とは異なり、このような協働事業として行われる場合は、社会的価値を評価する仕組みを設ける方向になると思われます。
 カードと言えば、本区におきましては、今年度からお風呂やさんで、高齢者の方が年間26回使える「お達者カード」が人気を博しております。
 そこで、このようなカードを活用し、あらゆる年代層の方々が、さまざまな取り組みをポイントとして貯め、活用できるようにされてはどうかと考えますがいかがでしょうか。

 他自治体でも、例えば中野区では「エコ」「地域支え合い」「買い物」の3つのポイントを共通で使える新制度を導入する方向ですが、区独自のエコポイントとしては千代田、港が。また地域貢献のポイントとしては杉並、品川の各区などが制度を導入しております。さまざまな形で貯めたポイントを、地元で広く活用出来るようお考えいただきたいと思いますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
ライン森

保健福祉部長  協働・地域力についてのご質問のうち、まず、地域の力を活かした福祉コミュニティづくりの推進についてのご質問にお答えいたします。
 ご案内のとおり、本区では、昨年来実施してまいりました一人暮らし高齢者等実態調査をもとに、生活リスクの高い高齢者に対し、順次アウトリーチを行い、これまで、1,600を超える世帯に新たな支援を開始してまいりました。この事業は、ご指摘のとおり東京都が推進するシルバー交番設置事業を活用したものであり、区内8か所の高齢者総合相談センターに配置した「見守り支援事業担当」が、支援を要する高齢者を直接訪問し、適切な福祉サービスの提供につなげるとともに、民生・児童委員や町会、ボランティア団体等と緊密な連携を図りながら、正に地域の力を活かした見守り体制の整備を目的とした事業であります。
 区といたしましては、この事業をさらに推進し、高齢者の孤立化を防止するとともに、地域における福祉コミュニティづくりに取り組んでまいります。

 次に、高齢者元気あとおし事業のポイント対象の拡大についてのご質問にお答えいたします。
 高齢者元気あとおし事業につきましては、高齢者の社会参加や地域貢献活動への参加意欲を促すために、特別養護老人ホームなどでのボランティア活動にポイントを付与し、貯まったポイント数に応じて換金できる仕組みになっておりまして、大半の方が現金化されておりますが、一部には社会福祉協議会への寄付にもご協力をいただいております。
この元気あとおし事業においては、会員数が年々増加しておりますが、一方で、ご指摘の「見守りと支えあいネットワーク事業」においては、見守りを希望する高齢者や見守りを行う協力員が減少傾向にあります。
 こうした状況を踏まえまして、区といたしましては、先に申し上げました地域における見守り体制の充実を図る観点から、「見守りと支えあいネットワーク事業」のPRを強化する とともに、高齢者元気あとおし事業との連携につきましても、前向きに検討してまいります。

 次に、あらゆる年代層の様々な取り組みに対するポイント制度の導入についてのご質問にお答えいたします。
 少子高齢化が加速していく中で、行政が地域住民と協働し、その協働する事業への参画に付加価値をつけ、幅広い区民の参加を促すことは、本区が目指す「協働」を基本とした「安全・安心創造都市」の実現にも寄与するものと考えております。
 ご案内のとおり、「としま・おたっしゃカード」は、すでに6,500名以上の高齢者に活用していただいており、大変人気のあるカードでございまして、今後もさらに利用者が増加するものと考えております。
 区といたしましては、現在、このカードを入浴を対象とした一事業のためのものではなく、高齢者の安否確認やボランティア活動への参加を促進するためのツールとしての活用について検討しておりますが、ご指摘の内容も踏まえ、また、他の自治体の制度も参考にしながら、高齢者に限らず、あらゆる年代層の社会参加への起爆剤としての活用の可能性についてもあわせて検討してまいります。私からの答弁は以上でございます。

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4.健康支援策について


このしま  はじめに、がん検診の普及啓発と受診率向上策について伺います。
 本区では、がんの講演会も度々開催されて、がん対策が重点課題であることが区民の意識としても高まって来たように感じております。
 それでも、検診の受診率50%という目標の達成の壁は至難であります。
 昨年度区が実施した、がんに関する区民意識調査によりますと、区が実施するがん検診以外の職域検診等を含めたがん検診の受診率は、31.9%で、全国平均とほぼ同等であることが初めて明らかになりました。しかしながら、同じ区民意識調査によりますと、がん検診を受けない理由の第1番目は「費用が高いから」が39.5%ということであります。
 そこで、厳しい財政状況であることは十分承知いたしておりますが、区政の最重要課題として、がん対策に取組むためには、今後、がん検診の自己負担の無料化も検討すべきであると思います。区のお考えをお聞かせください。
 また、他の自治体の参考例としまして、中野区ではがん講演会に向けた取り組みを協働で推進する内容の協定を始めております。信用金庫や生命保険会社です。両者がもつネットワークや情報発信力を活用して、①リーフレットやポスター等がん検診普及啓発ツールの作成・配布 ②区が実施する健康づくり関連イベントへの協力 ③がん検診受診勧奨などへの協力です。
 また、熊本県は、各企業・団体に推薦してもらい、職場でがん予防の普及に取り組む「がん予防推進委員」を養成し、社内で予防の啓発活動をしてもらう取り組みを行っているそうです。本区におきましても、可能な事業者に声をかけ、取り組まれてはいかがでしょうか。

2番目に、ピロリ菌検査の導入について伺います。
豊島区のがん対策推進計画の「提言」の中に、胃がんの発生を抑制するため、将来的な課題として、「ヘリコバクタ―・ピロリ菌の除菌の実施を検討すること」と列記されておりますが、改めて確認させていただきます。
胃がんは、がんの死因では肺がんに次いで2位で年間5万人の方が胃がんで亡くなっていますが、我が国のピロリ菌は毒性が強くて胃がんを引き起こしやすく、ピロリ菌除去により胃がんの抑制効果が大きいことがわかってきました。
 ピロリ菌除去で全ての胃がんを撲滅することはできないものの、ピロリ菌除去とペプシノゲン検査、更にペプシノゲン陽性者に対する内視鏡検査等により胃がんの撲滅も可能ではないかということであります。
 先日、帝京平成大学での江口先生のご講演にもありましたように、ピロリ菌は衛生状態のよくない飲料水に起因しており、60代以降に多いとのことです。
 そこで、お聞きしますが、本区では、大腸がん検診を無料で実施しております。そして、それは、検便検査の容器を取り寄せて、区内の身近な指定医療機関に持参すれば良いというものです。
 そこで、それに合わせ、ピロリ菌検査も同時に実施して頂くことは難しいのでしょうか。足立区では500円で実施しておりますが、一度に出来ることになれば、区民も一石二丁の受診が可能となり、検査が進むのではないかと思いますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

 最後に、うつ病対策について伺います。
 東日本大震災によって、被災地に限らずストレスを感じている人が増えております。心と体は別々の問題ではないので、心臓や血圧に影響を与えることが予想されています。
 厚労省は250万人と推計しておりますが、日本精神神経学会など4学会の共同宣言によると、「うつ病をはじめとする精神疾患は、先進諸国では、がんや心臓疾患と並ぶ三大疾患で、その対策は国家政策の最優先課題」であり、「わが国でも、がんに次いで重大な社会的損失をもたらし、国民病ともいうべき疾病である」とされています。
 日本社会は今、地域や職域、さらには家庭における人間的なつながりが薄れ、暴力、虐待、いじめなどが日常的に発生し得る要因をはらんだ状況へと変化しつつあり、結果的に他殺や自殺、引きこもり、不登校、心身症、そしてうつ病などが社会現象化しております。その背景には、支え合う心の希薄化、忍耐する能力の弱体化などが指摘されており、こうした現象は以前は、ともすると個人や家庭の問題として処理されてきましたが、昨年起きた高齢者の行方不明事件を初め、毎日のように報道される全国各地での事象を見れば、もはや個人や家庭のみで解決できる問題ではなく、社会全体の問題であり、福祉の一部として早急に対策を講じなければならないものと強く認識いたします。孤立社会から支え合いの社会を目指し、その取り組みをさらに充実、強化しなければならないと考えます。
 うつ病対策としては、大きく3つの段階に分けることができます。まず予防対策として、知識の周知や相談窓口の設置など自己管理のための環境整備です。次に早期発見・早期治療、最後に、リハビリや復職支援となります。
 ただ現実には、治療に関しては、医師は、患者1人あたり5分から10分程度の診療時間しか確保できずに薬を出して診察を終わるケースも多く、「心が病んでいる原因がどこにあるのか」といったじっくりと時間をかけた治療がなかなかできない、との話も耳にします。
 このことから、うつ病の治療は、これまでの薬物療法に加え認知行動療法の有効性が注目されています。公明党では、平成20年に認知行動療法などを盛り込んだ「総合うつ対策」をまとめ、その実現に取り組んでまいりました。その結果、今年度の診療報酬改定により、認知行動療法に健康保険が適用されることになりました。
 また、うつ病患者に対しては、早期発見、早期治療はもちろん、症状に応じて医師、精神保健福祉士、薬剤師、看護師、心理士など数多くの専門職が知恵を出し合って対応することが必要です。
 よって職場復帰への支援や、病院に行けず悩んでいる人が早期に相談、受診できるしくみづくりなど、医療機関や職場、東京都、区などの連携のもと、取組を進めていく必要があると思います。
 そこで、早期発見・早期治療に向けた相談窓口の設置や意識啓発などの取り組みを進めて、認知行動療法を、身近で受けられるよう医療体制の整備をして頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
 また、神奈川県厚木市では、早期発見を促すため、携帯電話やパソコンで手軽に心の健康をチェックできる「こころの体温計」を導入し、ホームページからアクセスできるようにしております。
 「こころの体温計」は、東海大学医学部付属八王子病院で行われているメンタルチェックを携帯電話用にシステム化したもので、自分の健康状態や人間関係など、全13項目の質問に答えると、診断結果が金魚鉢と猫のイラストで表現され、ストレスや落ち込み度に応じて金魚や水槽、猫が変化するようになっており、診断結果画面では各種相談窓口の紹介も行っております。
 全国で初めて、家族の心の状態をチェックできる「家族モード」も導入いたしました。本区でも、参考にされ、心の問題を抱えている人たちの支援体制を充実させて頂きたいと考えますがいかがでしょうか。区長の積極的なご答弁を期待いたします。

 以上で質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。
ライン森

健康担当部長  健康支援策についてのご質問のうち、まず、がん検診の普及啓発と受診率向上についてのご質問にお答えいたします。
 豊島区ではがん対策を区政の最重要課題と位置付け、23区で初となる「がん対策推進条例」の制定や「がん対策推進計画」を策定し、平成27年度までにがん検診受診率を50%とする目標も明示いたしました。
 現在、豊島区のがん検診では、肺がん検診で1,000円、乳がん検診で500円、そして今年度から開始した前立腺がん検診で500円の自己負担がございます。
ご指摘のようにがん検診の受診率を50%まで向上させるためには、がん検診の自己負担の無料化も検討すべき課題であることは十分認識いたしております。大変厳しい区の財政状況もございますが、がん予防を推進し、がん検診受診率を向上させるため、がん検診の無料化についても、鋭意、検討を進めてまいります。

 次に、民間事業者との連携についてのご質問にお答えいたします。
 ご指摘のような民間企業とのがん予防PRの連携や、各企業が実施する職域がん検診への協力は、今後、がん予防を推進するにあたって、大変重要な課題であると考えております。
 豊島区がん対策推進計画におきましても、「企業との連携によるがん対策の推進」の項を設けており、今後はより積極的に、区内企業と連携したがん予防のPRや企業検診の推進、がん対策基金のPRなどの事業推進に努めてまいります。

 次に、ピロリ菌検査の導入についてのご質問にお答えいたします。
 ヘリコバクター・ピロリ、いわゆるピロリ菌はヒトの胃などに生息する細菌で、ピロリ菌が生成するウレアーゼや細胞空胞化毒素が炎症を引き起こし、胃潰瘍や胃がんの原因となることが明らかとなっております。感染者の約3割が何らかの疾病を発症すると言われており、23区では足立区と目黒区でピロリ菌検査が行われております。
 ご指摘のように大腸がん検診と同時に、ピロリ菌抗原検査を行う事は可能であり、除菌による効果も指摘されておりますが、厚生労働省によるがん対策型の検診事業としての死亡率の減少等の有効性は、現在のところ確認されておりません。そのため、豊島区での導入の可否については、今後の実施状況を注視し、知見や実施効果が確認された段階で判断すべきものと考えております。

 次に、うつ病対策についてのご質問にお答えいたします。
 うつ病対策は、近年大きな課題となっている自殺予防のためにも非常に重要であり、区としてもセーフコミュニティ認証取得に向けて自殺・うつ病の予防対策委員会を設けて取り組みを進めているところです。相談窓口としては、池袋保健所および長崎健康相談所においてこころの相談を随時受け付けており、精神科医療機関への受診に抵抗がある方には精神科医師による専門相談も行い、治療に結びつくよう支援に努めております。また、家族や周囲の人が気づいて相談や受診を勧められるよう、ゲートキーパーの養成講座も行っており、これまでに300 人以上の方が受講されています。認知行動療法につきましては、ご指摘の通り専門家がまだ少なく、現状としては実施している医療機関が限られています。区としましては、今後、認知行動療法の実施医療機関を把握し、適切なご紹介ができるよう努めてまいります。
 意識啓発につきましては、自殺対策強化月間における広報特集号発行、講演会の実施、区役所や図書館での展示及び資料配布、健診の際にストレスチェックの資料配布等を行ってまいりました。ホームページにおいても、「こころの体温計」のようなイラストはありませんが、自分や家族のこころの状態をチェックできるページを設け、問題のある方が相談につながるような工夫をしております。今後さらに、対象に応じた啓発方法を検討してまいりたいと思います。

 以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する答弁を終わります。

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