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 議会報告 (平成24年6月28日 第2回定例会)

区民の命と財産を守るために
  1. あらゆる暴力の根絶に向けて
  2. 学校給食の向上に向けて
  3. 健康施策について
  4. 防災対策として

1.あらゆる暴力の根絶に向けて


このしま  本区は、本年、区政施行80周年という節目の中で、セーフコミュニティの認証取得に取り組まれ、その宣言文にも有りますように、豊かな地域力に支えられた「安全・安心」を次の世代に引き継いでいくことが、今、私達が取り組むべき究極的な街づくりの目標であり、その活動を持続させていこうということで、スタートをされました。
 また、新たに「シティプロモーション課」を設置しながら、今後区民が誇れる街づくり、住みたい街、訪れたい街づくりのPRにも取り組んでいかれることになりました。
 そこで、今定例会におきまして、豊島区議会公明党としましては、「安全・安心」の観点から、区民の生命と財産を守るための質問を両日にわたり行わせていただきますので、区長の前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。

 先ずはじめに「あらゆる暴力の根絶に向けて」の質問と提案をいたします。
 女性や子ども、障がい者、高齢者などに対する暴力や虐待が大きな社会問題となっており、豊島区においても同様の実態です。
 セーフコミュニティを進める上で、命に関わる児童虐待の案件は、ことさら重要です。
 昨年一年間に全国の警察に寄せられた児童虐待に関する相談は、3694件となり、過去最多の結果になりました。児童虐待防止法成立から12年。2度の改正で、強制調査権付与など児童相談所の権限と責任が強化され、民法の親権見直し作業も行われています。
 しかし、痛ましい児童虐待は止まらず、虐待死は後を絶ちません。昨年度、全国の児童相談所が対応した相談は、計4万4210件。社会的な関心の高まりとともに年々右肩上がりで増えており、この7年間でほぼ倍増しています。また、全国の公立小学校の34%に、家庭で虐待された児童が在籍しているという調査結果が全国連合小学校長会のアンケートでも出ております。
 このような虐待が起こりうる原因としては、経済的な困難,不安定な就労,親族や近隣からの孤立,夫婦不和や一人親家庭などの家庭機能の脆弱性,親のパーソナリティの不安定さと育児負担,虐待に対する自覚の乏しさと他者のかかわりに対する拒否感など、その原因はさまざま言われておりますが、特に、幼児期は、生涯にわたる人格を形成する大事な時期であり、幼児期に受けた心身の傷は生涯にわたり癒えるものではなく、その後の人生に多大な影響を及ぼしていくことから、何としても防がなければなりません。
 先日公明党豊島区議団で、新しくなった東部子ども家庭支援センターの視察をしましたが、この4月から、都の児童相談所OBが専任の虐待対策コーディネーターとして配置され、虐待ケースの現状把握や援助方針の検討、支援が必要な家庭の虐待マニュアルの豊島区改訂版の作成に取り組まれておりました。23年度は、相談通告件数も前年度からの300件に加え、新規143件の発生で、その取り扱い件数は443件と膨大であります。
 これだけのケースへの対応は、かなりのエネルギーを費やしても解決には時間を要します。
 そこで伺いますが、公立小学校の34%に、家庭で虐待された児童が在籍するとの調査結果について、本区の実態を伺います。また、この山のような事案の解決をどのように進めていかれるのか、また案件の解決に向けて権利擁護委員との連携は、どのような状況にあるのか伺います。
 また、区民の方から、条例で定められた子どもの権利委員会の設置はいつになるのかとの声がありますが、これについてもお聞かせください。
 さらに、開設20周年を迎えるエポック10では、この秋"女性に対するあらゆる暴力の根絶"をめざすイベントが開催されます。そしてまた、11月は、児童虐待防止月間でもあります。そこで、この機会に、豊島区発で「あらゆる暴力を根絶する」宣言をされてはいかがでしょうか。
 昨年、NHKで、子どもの虐待と子育てについての特集が組まれ、法律で体罰を禁止して虐待をなくした国・スウェーデンの取材がありました。
 今から30年前、スウェーデンの国会で、この法律がとりあげられた時、「軽い体罰はしつけのために必要」と考えられており、75%の国民の反対があったようです。
 それが変わったきっかけは、1978年に『長くつ下のピッピ』などで知られる、スウェーデンの児童作家・アストリッド・リンドグレーンが行ったスピーチです。その有名なスピーチの抜粋は、
「戦争のない現在でも、暴力はこの世の中にあふれています。子どもたちは、日々それを見たり、聞いたりして、最後には暴力というのは自然なものだと信じてしまうでしょう。だから私たち大人は、暴力以外の方法も必ずあることを、家庭の中から子どもに示すべきではないでしょうか。」というものでした。
 リンドグレーンは、子育てやしつけを「大人の視点・親の希望」で考えるのではなく、子どもが自分の意志と希望を持って、自分から成長していくことが大切だということを訴え続け、この考え方が、社会を動かしました。
 スピーチの翌年、体罰を禁止する法律が施行され、政府とNPOは協力して、「たたかない子育て」の実現へ向けて、制度改革と啓発キャンペーンを展開しました。
 例えばあるNPOは、牛乳パックのパッケージに大きく「たたかなくても子育てはできる!」と印字して販売。このスローガンを目にしたスウェーデン人は、少しずつ考え方を変化させていったと言います。法律が体罰をなくす下地になり、親の考え方が変わっていき、子どもの人格や個性を徐々に尊重するようになっていったとのことです。
 さて、セーフコミュニティにおける、児童虐待の防止対策委員会のまとめは、「児童虐待は、さまざまなリスク要因が複雑に絡み合って起きると考えられるが、詳細の分析が不十分。今後、個々のケースについて、詳細なリスク要因の分析を行い、児童虐待の未然防止につなげていく。」というものです。しかし、問題は大人にあり、その意識改革なくして解決への道はありません。
 そこで、秋のエポック10で予定されている"女性に対するあらゆる暴力の根絶"に向けてのイベントに合わせ、セーフコミュニティの観点に立ち、回り道のようですが、いかなる理由があろうと暴力はいけないことの意識改革に取り組まれたいと考えますがいかがでしょうか。
 また、一時だけのキャンペーンで終わることがないように、その運動論として、例えば区役所使用の封書に宣言文を印字するとか、民間の力も借りながらアピールするなど工夫されたいと考えますがいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。

ライン森

高野区長  ただいまの、此島澄子議員のご質問に対しまして、お答え申し上げます。
 児童虐待についてのご質問のうち、まず、本区の実態についてのご質問にお答えいたします。
 平成23年度の本区の児童虐待の相談・通報件数は、443件で、内訳は、未就学児159件、小学生183件、それ以外は101件であり、小学生は全体の41%を占めております。全国では、34%の公立小学校で虐待事例が報告されておりますが、本区では全ての公立小学校から、虐待の通報・相談が寄せられているところです。
 次に、虐待の解決策についてのご質問にお答えいたします。
 虐待の早期発見・重篤化の防止には、見守りや相談機能の強化が大変重要であると考えております。そのための具体的な方策として、虐待ワーカーを増員するとともに、24年度からは、子どもの権利担当係長を新設し、東京都児童相談センターOBを専門相談員に採用することで、体制の強化を図ってまいりました。また、今年度は、職員1名を東京都児童相談センターに派遣するとともに、本区の虐待防止マニュアルを改定することで、職員のスキルアップにも努めております。これらに加え、東京都児童相談センターをはじめとする関係機関との連携強化や情報共有を図ることによって、虐待の早期解決に向けた取り組みを行っております。
 次に、権利擁護委員との連携についてのご質問にお答えいたします。
 本区の権利擁護委員は、子どもの虐待防止や救済、子どもの権利の普及啓発のために、平成21年度に設置し、弁護士1名と臨床心理士1名を委嘱いたしております。具体的な虐待事案につきましては、東部子ども家庭支援センターにおける児童虐待の受理・支援方針決定会議において、権利擁護委員の専門的な見地からの助言を受けるとともに、困難な案件については、権利擁護委員が直接、子どもや親との相談ができる体制も整えております。今後も、権利擁護委員との情報共有や連携を強化することで、より一層の児童虐待防止に努めてまいります。
 次に、「あらゆる暴力の根絶にむけて」についてのご質問のうち、「あらゆる暴力を根絶する」宣言についてのご質問にお答えいたします。
 児童虐待防止法やDV防止法等の施行により、従前よりは家庭内暴力について一般の関心は高まってきましたが、痛ましい事件は後を絶たず、依然として、家族など親密な間柄で起こる暴力は、親密であるが故に「しつけ」や「夫婦げんか」として見過ごされ、容認される風潮すらあります。暴力を未然に防止し、被害をなくすためには、この問題の本質について、区民に正しく理解してもらうことが非常に重要です。
 ご提案の「あらゆる暴力の根絶」を区として宣言することは、多くの区民がこの問題に対して関心を寄せるきっかけとなると考えられ、問題解決の手段として暴力を選ぶことは、野蛮な行為であって、人として決して許されるものではないという、区の強いメッセージを伝えることになります。また、暴力を許さないという区の姿勢を明らかにすることで、地域や民間等との連携や各機関の個々の取り組みの効果にも良い影響を期待できると思われます。本区は、平成14年に区議会全会一致で決議をいただいた「男女共同参画都市宣言」の中でも、「お互いの人権を尊重し、活力と輝きに満ちた豊島区の実現」をうたっておりますが、セーフコミュニティ国際認証をきっかけに、より具体的にもう一歩踏み込んで暴力根絶を宣言し、さらなる取組の強化につなげてまいります。
 次に、あらゆる暴力に対する意識改革についてのご質問にお答えいたします。親密な間柄で起こる暴力について人々の意識を変えていくことは、対処療法ではなく予防に重点を置いた活動として、回り道のようで、最も有効に問題の根本的な解決に資すると考えております。特に家庭内のこととして片づけられがちな暴力の被害は、暴力を受けている人だけでなく、その他の家族にも及び、うつ病や自殺を引き起こす原因にもなる、大変深刻な社会問題であるということを多くの人に理解してもらう必要があります。
 毎年秋に実施している「女性に対する暴力をなくす運動」や児童虐待防止月間等、個別に行うだけでなく連携することで、親密な間柄であるからこそ暴力は許されないというメッセージを効果的に伝えていきたいと考えております。その際には、ご提案の区役所使用の封書への印字や、ご紹介のあった海外の取り組み等を参考にしながら、より広範な人々にアピールができるよう、運動を展開してまいります。

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2.学校給食の向上に向けて


このしま  2項目として、学校給食の向上に向けて質問いたします。
 先ずはじめに、給食の食材購入と給食費会計事務手続きに関して伺います。
 都内では、学校給食用の食材を供給する機関として、東京都学校給食会が昭和22年に設立され、主食となる米、パンをはじめ、脱脂粉乳等の食材調達に携わってきました。
 この学校給食会が設立されたのは戦後の食糧難が背景にありますが、現代は食べ物が豊かで、食料事情も変わり、学校給食会に求められる役割も、食材の確保から、質や安全を第一にした調達へと変わってきておりますとともに、23年度より、公益財団法人とされたことに加え、東京都からの補助金もなくなりました。それにより、財団の人件費をはじめとする運営費の1億円を上回る経費は、当然、それぞれが購入される食材の価格に添加されることになります。
 また本区におきましても、昨年より食材の高騰により給食費が値上がりしておりますが、保護者の負担軽減を考慮した運営の見直しを図る必要があると指摘する声があります。
 そのような観点から、昨年4月、栃木県足利市は、市が積極的に衛生面に取り組むことを前提に、県の学校給食会を通さず、地元のJAから直接精米を供給してもらうなどの見直しを行い、給食費を月額100円値下げし、青果物も、見積もり期間を2週間単位から1週間単位にすることで、原価に近い単位で納品されることになりました。また群馬県前橋市でも24年度いっぱいで、市学校給食会を解散することになったとのことです。
 そこで、豊島区におきましても、お米を11校が、そのほか調味料なども調達していると伺っておりますが、各学校ごとの選択になっておりますので、今後、このようなことも参考にされながら実施されたいと考えますがいかがでしょうか。
 また最近、学校給食費の契約化、公会計化に取り組む自治体が表れてきています。
 学校給食費の債権者が自治体で、債務者が保護者であることを明確に定め、自治体の公会計として、債権管理は自治体が行うという「望ましい学校給食費のあり方」に踏み出している自治体が増えてきました。
 政令指定都市では福岡市、横浜市。一般市でも千葉県浦安市、大阪府の豊中市、西宮市、そして愛知県蒲郡市などです。特に福岡市では小学校全校が自校調理方式であるにもかかわらず公会計方式がとられており、一つのモデルといえます。
 公会計化する際の課題点は、まず給食費公会計システムに要する初期コストと維持コストです。最大のメリットは契約化により何より法律関係が明確になる点にあり、状況の変化にも迅速に対応できることになります。公会計化する場合の最大の利点は、小中学校の負担の軽減です。教員や栄養士が本来する必要のない法務・会計的業務から解放される結果、本来の業務に専念できるという点です。
 そこで、本区の学校給食に関して、保護者負担の見直し、給食費の契約化や公会計化への動きについての認識と対応を含め教育長のお考えと対応を伺います。

 2点目に、給食献立の内容についての提案です。
 はじめに、学校給食の一定期間、牛乳をR-1ヨーグルトにして、インフルエンザ対策としてはどうかという提案です。
 2010年佐賀県有田町と山形県舟形町で、保育園・幼稚園児、小中学生全員と関係職員全員に一定期間、R-1乳酸菌を使用したヨーグルトを給食などで継続的に食べてもらい、インフルエンザや風邪の罹患率や欠席率の変動について調査を行いました。その結果、佐賀県はインフルエンザの感染レベルが高い地域にも関わらず、有田町ではインフルエンザの罹患率、欠席率が抑えられた結果となりました。また、舟形町ではインフルエンザ感染の報告はゼロだったそうです。
 この陰には、町の保健士の取り組みがありました。これまでも60歳以上を対象にした「R-1乳酸菌を使用したヨーグルトの長期摂取」の効果に関する調査を実施し、牛乳を飲んだ人とで比較したところ、NK細胞の活性化が高まることや「風邪をひくリスク」が低減することが明らかになりました。この町では、インフルエンザで休校や学級閉鎖が続いたことから実施されたとのことです。
この調査について、順天堂大学医学部特任教授(免疫学講座)の奥村康先生は「個々の小学生、中学生のタイプ、インフルエンザワクチンの接種の有無などの違いを考えても、ワクチンの接種率はどの地区でも差がないことから、統計的に非常に意味のある結果であり、NK細胞活性化についての理論、動物実験の結果や基礎的な論文の内容にピッタリ合う結果となり、これまで明らかにしてきた内容と矛盾のない結果が得られている」と述べられております。
 次に献立内容の提案の2点目として、発芽玄米による体質改善策について伺います。
 発芽玄米は、脳神経の活性化、体内の毒物を出す働きや内臓機能の働きを強め、新陳代謝を盛んにするガンマ―オリザノールや肝機能の働きを強め、毒物・老廃物を出すイノシトロール、農薬や公害物質、放射能物質、水銀、鉛などの無機の科学物質と結合して体外に毒素を排出するフィチン酸やセルローズをはじめとするさまざまな体質改善効果を持っています。
 玄米と白米を、100g当たりで比較してみると、B1が5倍、B2が2倍、鉄が2.63倍、カルシウムが1.8倍、食物繊維が6倍、脂質が3倍、タンパク質が1.11倍と、その栄養価にはかなりの差が見られます。玄米は完全食品で、欠点と言えば、カルシウムが少ないこと位で、炒りゴマをすってかけることで解消でき、なかなか摂れないと指摘されているビタミンB12であっても、玄米に含まれるセルロースから体内で作り出すことができると言われております。それに対し白米は先の栄養素を減らし、代謝の途中で、焦生ブドウ糖=クエン酸や乳酸を出し、血液を酸性化するとも言われております。

 上田市の真田中学校は15年前、非行・暴力・いじめ・不登校がはびこる「生徒指導困難校」と言われたそうです。切れる、いじめる、無気力の状態に悩んだ校長先生が、子ども達の生活状況を調査したところ、朝食抜きが30%、また食べていてもコンビニ弁当やパン・ジュースが殆どで、食習慣が子ども達を壊しているということを感じ、学校給食に力を入れるようになったとのことです。週5日の献立の主食は、ほぼ毎日発芽玄米を13%混ぜたごはんに切り替え、肉は家庭に任せて、学校は魚や野菜・くだものを多くし、毎日、手の平のくぼみに入る位の小魚を出すようにしたということです。この学校給食の改革は、7ヶ月後、目に見えて子ども達に変化をもたらし無気力・非行・不登校が減ったと言います。また、その影響は家庭の食事まで変えてしまい、この町では、子どもの犯罪だけでなく、大人の犯罪まで減少したとのことで、生徒たちの実体験として、「イライラしなくなった、キレなくなった、寝坊しなくなった、成績が上がった」と言っているそうです。また、千葉県の匝瑳市立 野栄中学校でも同様に、この玄米食をここ3~4年の間、週2回取り入れております。こちらも、かつては学校が荒れていたのが、最近は非常に改善されたとのことで、これらの報告には興味深いものがあります。
 そこで伺いますが、本区の給食は、週に3日が米飯で後はパンと麺類という割合になっておりますが、各学校ごとにさまざまなメニューがたてられておりますので、このような米飯に対する取り組みが行われているかどうか、その内容について伺います。
 その結果によりましてはぜひ、本区でも学校給食に玄米食を組み入れられるよう提案いたしますが、いかがでしょうか。また保護者の方々にも発芽玄米食の情報提供を進めてみる価値があるのではないかと考えますが、教育長のお考えを伺います。
ライン森

三田教育長  学校給食の向上に向けてのご質問のうち、まず、給食食材の購入についてのご質問にお答えいたします。
 本区におきましては、各小中学校が良質で安価な食材の大部分を地元業者から優先的に購入しております。調味料や米といった一部の食材の調達先として、東京都学校給食会を利用している学校もございます。
 ご指摘の米の購入につきましては、小中学校11校が東京都学校給食会から購入しておりますが、多くの学校は、購入時期の価格情勢によって、豊島区米穀小売商組合や地元業者から購入しております。
 本区の特色である全校に配置された栄養士は、限られた食材費の中で、工夫を凝らした献立を考え、調達先を選定しております。今後とも、食の安全性や鮮度、献立に即した食材はもとより、価格にも十分考慮し、調達先を選定するよう指導してまいります。

 次に、給食費公会計化に関する認識と対応についてのご質問にお答えいたします。まず、認識についてでございますが、本区におきましては、学校給食費を学校給食法の定めにより、私費会計として位置づけております。平成17年頃より給食費の未納が社会問題化し、給食費の契約化や公会計化をすべきという議論がございます。また、センター方式による調理や食材の一括購入を進めている自治体においては、公会計化に移行している事例もございます。こうした動向につきましては十分認識しているところでございます。
 本区は、食材の調達や調理を自校方式で運営していることから、地元の業者に支えられた行き届いた良質の学校給食を提供することが可能になっております。一方で、学校給食の公会計化を進めている自治体は、食材の一括購入を前提としていることから、本区に導入することは、極めて難しいと考えております。

 次に、本区の対応についてお答えいたします。契約化につきましては、平成22年度、学校代表者を構成員とした「学校給食費未納問題情報交換会」を開催いたしました。その際、給食費の納入を約束する承諾書について検討いたしました。多くの学校が未納者ゼロという状況もあり、今のところ実施に至っておりませんが、契約化につきましては、対応すべき喫緊の課題であり、引き続き検討してまいります。また、公会計化につきましては、国や他の自治体の動向に注視しながら研究してまいります。

 次に、給食献立についてのご質問のうち、まず、「R-1ヨーグルト」によるインフルエンザ対策についてのご質問にお答えいたします。
 インフルエンザ対策としての「R-1ヨーグルト」に関する佐賀県有田町等での取り組みと順天堂大学、奥村康(こう)教授の知見については、注目に値する興味深いものがございます。本区におきましても、バランスのとれた給食と給食前のうがい・手洗いの徹底、食後の歯みがき指導、休養や睡眠を十分とる等の指導により対応しているところでございます。
 ご提案の牛乳に変えて「R-1ヨーグルト」を継続的に使用することにつきましては、安価で栄養価の優れた牛乳を毎食1本とるために国庫補助が出されていることから、一定期間「R-1ヨーグルト」にかえることはいささか難しく、多用な活用について検討してまいりたいと思います。

 次に、発芽玄米食についてのご質問にお答えいたします。
 発芽玄米で体質を改善し、無気力や非行が減った中学校の報告からは、学校と家庭の並々ならぬ努力が伺えました。食事が心身に及ぼす影響は、実に大きなものがございます。食習慣が乱れている児童・生徒は日常生活においても学校生活においても、心身が不安定になりがちで、学習への集中も難しいことが明らかになっております。このことから、本区におきましても、「早寝、早起き、朝ごはん」の推奨に取り組むと共に、学校給食を核とした食育を推進しているところでございます。
 本区の米飯給食についての取り組みでございますが、すでに各小中学校で、ほぼ週に3日の米飯給食にさまざまな米を取り入れております。内容といたしましては、玄米や胚芽米等はもとより、「かみかみ給食」と称するよく噛んで食べる習慣を目指した給食で七穀米を取り入れ、押し麦やハトムギ、発芽玄米等の多種多様な米飯給食を実施しております。
 保護者への啓発といたしましては、給食試食会で、発芽玄米を使用した米飯給食を試食していただく機会をつくるとともに、給食だよりで食材を紹介し、家庭での食育の充実も図るよう働きかけをしているところでございます。
 教育委員会といたしましては、食育の充実を図るために、今後とも、食材のもつ固有の特性を十分研究し、学校給食に活用できるよう検討してまいります。

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3.健康施策について


このしま  3項目目として、健康施策について伺います。
 先ずはじめにがん対策についてであります。
 2012年度からの国のがん対策の骨格を定める第2次「がん対策推進基本計画」案が8日に閣議決定し、がん登録制度も24年度中に全国で行われることになっております。
 現行計画の大きな目的は、がんによる死亡率を10年間で20%減らすことです。そのため、がんの早期発見・治療をめざし、肺がん、胃がんなど全ての検診受診率を2011年度末までに50%以上とする目標が設定されてきました。しかし、5つのがん検診の受診率は現在20~30%にとどまっており、次期計画でも検診受診率の向上が大きな課題になることは言うまでもありません。
 本区では、今年度、がん検診を無料で受けられるようにされたこと、また、大腸がん検診など、区民ひろば等の身近なところで、受け取れるような区民への配慮もされていること、さらに中学校におけるがん教育の取り組みなど、高く評価するところであります。
 厚労省研究班の調査では、何らかの方法で対象者全員に受診勧奨している市区町村は約半数。呼びかけても受診しない人に再度連絡する「コールリコール」をしている自治体もあります。
 私の実家の長野県飯田市は2011年度から、がん検診申込書の工夫で、受診者が従来の約2倍に上る見込みとのことです。市は独自の「地域ケア健康計画」を昨年度から始め、その重点プロジェクトの一つが「家族ぐるみで取り組む『がん』対策だそうです。
 申込書には、検診対象者となる20歳以上の女性、35歳以上の男性の名前と、一人一人がどの検診の対象なのかが分かりやすく表示されております。
 本区でも、せっかく無料で検診出来る体制にありながら受診しない区民への取り組みについては、悩ましいところでありますが、受診率の向上も含め、今後のがん対策への取り組みを伺います。

 2点目に、「小児がん対策」ですが、小児がんは子どもの病死原因の第1位で、毎年新たに2500人が発症し、今も全国で16000人の子ども達が小児がんと闘っていると伺っております。小児がんは、白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などが多く、また、治癒した場合でも後遺症による発育・発達障害や臓器障害に加え、2次がんを発症することもあり、患者や家族はさまざまな問題を抱えているため、安心して適切な医療を受けられるための体制が急がれています。今後拠点病院の指定などが行われますが、本区における取り組みについて伺います。

 3点目に、「がん先進医療費ローン」の金利補てんについての提案です。
 本計画の大きな目的に、がんによる死亡率を10年間で20%減らすことがあります。
 本区のがん対策推進計画の中の、「がん患者と家族の支援」にありますように、がん対策の大きな柱の1つに「がん患者・家族の療養の苦痛の軽減、療養生活の質の向上」が挙げられております。がん検診から治療方法選択や在宅療養生活開始まで、切れ目のない対策が必要です。
 私も、先月、身近な友人をがんで亡くしましたが、このことを通して、さまざまなことを考えさせられました。がんを宣告されると、患者も家族もがんによる痛みだけでなく、仕事や療養費・また生活資金など、あらたな悩みが発生いたします。最近は、がん治療の取り組みも医学の進歩により、切らずに外来で仕事をしながら治療できる陽子線をはじめ、重粒子線・免疫細胞療法・ワクチン治療とさまざまな方法が出てまいりました。しかし、多くのケースを見ますと、先進医療等で直せる可能性が見えていても、それに対応する資金面を考えますと、治療方法を選択する手立てがないのが現状です。
 厚生労働省が認めた先進医療は、103種類ありますが、保険対応されない限り、自費診療となり、300万円などという高額な費用負担が生じます。このような状況から、「命を救うのも金次第」などと厳しい現状を訴える声もあります。
 そこで、がんの先進医療を受けるための「がん先進医療ローン」について、利子補給制度を設置していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 これまで、すでに兵庫や福井、群馬、静岡各県で創設されており、いづれも県内の医療機関に限られておりましたが、今の度鳥取県では、厚生労働省が認めるがんの先進医療であれば国内どこの医療機関で受けても対象となる制度を創設しました。
 年収600万円以内を対象とし、借り入れ額は上限300万円、最大5.8%までの利子相当額を最大7年まで助成が可能となります。そこで、がん対策の先進自治体として、ぜひ本区においても、実施されたいと考えますが、区長の積極的なご答弁を切望いたします。

 健康施策の2点目として、不育症の周知について伺います。
 妊娠しても、おなかの中で赤ちゃんが育たない不育症の対策に、公明党は全力で取り組んで参りました。
 不育症は不妊とは違い、妊娠をしても死産や流産を繰り返す症状です。私の友人もこの不育症のために、3回の流産を繰り返しました。 厚生労働省の研究班は不育症について「2回以上の流産、死産の既往がある場合」と定義していますが、名古屋市立大学の研究によりますと、国内には約140万人の患者がいると推定され、毎年約3万人が新たに発症しているということです。
 不育症は、検査と適切な治療を受ければ、85%が出産できると考えられ、少子化対策としても国の支援が求められて来ました。また、治療に有効とされるヘパリン注射は、保険適用外だったため月額約5万円もの負担となり、治療に踏み切れない患者が多くいました。それがやっと、今年1月1日からヘパリンの在宅自己注射への保険適用が開始されるようになりました。
 そこで、妊娠しても出産までたどり着けない方々に、しっかり周知する必要があります。
 区のホームページの出産のコーナーに位置付けたり、母子健康手帳取得の際の周知の工夫、さらに、「治療と向き合う心の整理をしたい、家族や友人に話せない」といった声も多いことから、治療に伴う心の相談の場として、臨床心理士による面接相談やメールでの相談受付なども取り組まれたいと考えますがいかがでしょうか。
 また、広島県立広島病院生殖医療科の原鉄晃主任部長は、近年、不妊や不育症治療に訪れる40歳代の患者が激増していることに触れ、「女性には妊娠に適した時期があり、それを知らずに避妊し続けた結果、子どもを持てなくなったというケースも多いとして、「医療の充実とともに学校教育などの中で、子どもたちに妊娠に対する正しい理解を広げていくことが重要だ」と強調しております。
 このことについて、学校教育における現状と今後の取り組みについてもお伺いします。
ライン森

高野区長  次に、健康施策についてのご質問のうち、がん対策についてお答えいたします。
 まず、受診率向上への取り組みについてですが、国ががん検診の基本項目と決めている、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5種類のがん検診の受診率の平均は、23年度実績で、13.4%と、前年度比で、1.4ポイントアップし、率にいたしますと11.6%の上昇となりました。また、23年度から開始した区独自の前立腺がん検診は、17.0%という状況です。
 がん検診の基本項目である5種類のがん検診の23区における順位は、22年度は、14位でしたが、23年度の受診率13.4%を22年度の順位にあてはめますと、およそ12位に相当いたします。
 区といたしましては、区内企業との連携強化、対象者への検診案内の送付、かかりつけ医による受診勧奨などにより、計画的な受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。
 コールリコールについてですが、受診率向上策の一つとして、本区においても、23年度から、子宮頸がん、乳がんの検診対象者で勧奨に応じない方々への再勧奨、いわゆる「コールリコール」を実施しております。子宮頸がん検診の受診率は、23年度の実績で25.2%と、前年度比で6.0ポイントアップし、率にいたしますと、31.3%の上昇となりました。乳がん検診の受診率は、19.9%と、前年度比で2.9ポイントアップし、率にいたしますと、17.1%の上昇と着実に成果が上がっております。
 コールリコールは、検診率向上の効果的な方策と考えておりますので、来年度に向け、子宮頸がん、乳がん以外の検診への導入を検討してまいります。

 次に、小児がん対策の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
 ご指摘のように、先般閣議決定された、国の「がん対策推進基本計画」では、重点的に取り組むべき課題として、小児がんを初めて明記するとともに、「小児がん拠点病院」の整備などの目標を掲げております。
 小児がんは、依然として、子どもの病死原因の第1位であり、患者や家族が適切な医療や支援を受ける環境の整備が喫緊の課題であります。
 小児がんのお子さんについては、現在、東京都が、治療費の一部を公費負担しているほか、区においては、保健所の保健師が、病院や家族からの相談に応じ、療養環境の整備のための調整や家族の心のケアを行っております。
 区といたしましては、新たに指定される小児がん拠点病院との連携のあり方を検討するとともに、国や都の今後の動向を注視しつつ、患者や家族に対する情報提供や相談支援する体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、「がん先進医療ローン」への利子補給についてのご質問にお答えいたします。  厚生労働省の認めた「がんの先進医療」は多額の患者負担があります。ご質問にあります鳥取県をはじめとする各県の利子補給制度は、こうしたがん治療を受ける患者の経済的な負担を軽減し、より多くのがん患者が先進医療を受けることができるよう、金融機関からがんの先進医療に係る費用の融資を受けた方に対して、利子補給をするものであります。
 ご指摘にもありますとおり、がん患者の方々の中には、先進医療を活用すれば、大きな治療効果が期待できるケースも多いものと考えております。
 都内には他の地域に比べると先進医療実施施設が多いことに加え、先進医療の実施体制が整備されるにつれ、「がん先進医療ローン」を新たに創設する金融機関も徐々に増えるなど、区民ががん先進医療を受ける環境は整いつつあると考えております。
 区といたしましても、一人でも多くの区民が先進医療を受けられるよう、その条件を整備することは大変重要であると考えております。
 したがいまして、「がん先進医療ローン」などを利用する区民の皆さんに対する利子補給制度を検討してまいります。

 次に、不育症の周知についてのご質問のうち、周知方法及び相談についてのご質問にお答えいたします。
 妊娠しても死産や流産を繰り返す不育症は、未だ認知度が低く専門治療を行っている医療機関も少ない状況にありますが、近年、原因や治療の研究が進められ、ご指摘のとおり治療の一つであるヘパリンの在宅自己注射の保険適用が承認されるなど、進展がみられております。
 区におきましても、新しい情報の把握に努め、ホームページへの掲載等により、原因や治療についての正しい知識の周知を行ってまいります。また、ご相談につきましては、保健師による対応のほか、必要に応じて専門治療機関やカウンセリングを行っている機関をご紹介してまいりたいと考えております。なお、私からの答弁は以上ですが、その他の質問につきましては、関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から答弁申し上げます。
 不育症の周知についてのご質問のうち、学校教育における現状と取り組みについてのご質問にお答えいたします。
 ご質問にありますように、子どもたちが妊娠について正しい理解を身に付けることは、学習指導要領の内容に位置付けられており、大変、重要なことであると認識しております。現在、学習指導要領の小学校体育では「体の発育・発達」について、また、中学校保健体育では「受精・妊娠」について記述されており、生殖にかかわる機能や妊娠・出産に対する正しい知識や理解について、児童・生徒の発達段階に即して適切に指導しているところでございます。
 ややもすると、子どもたちは、性に関する誤った情報の渦中に置かれたり、望まない妊娠等、様々なリスクにさらされたりすることもございます。
 不育症を含め、健康の大切な側面として、妊娠のメカニズムについて正しく学ぶことは、生命尊重や男女共同参画社会を形成する基盤となることから、男女を問わず、すべての子どもたちに対して、引き続き丁寧かつ適切に指導されるよう、各学校に働きかけてまいります。

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4.防災対策として


このしま  最後に防災対策として、先ず、家具転倒防止器具設置事業について伺います。
 本事業は、昨年の震災を契機に区民の意識が高まる中で実施されて参りましたが、既に当初予算を上回る申し込みがあり、希望者が予約待ちの状況に加え、さらに希望者からの問い合わせが止まらない状況と伺っております。
 私どもは、予算委員会でも予算が足りないのではないか、補正予算も視野に入れるべきと申し上げてきましたので、今定例会で補正が組まれていることを了としますが、現状の待機件数とシルバー人材センターでは、具体的にどう対応されておられるのかお聞かせください。
 以前にもこの種の事業は行われていましたが、予算を全て使い果たし、年度途中で事業を中止したということが過去にあったと思います。限られている予算とはいえ、阪神淡路大震災で亡くなられた8割、9割が建物あるいは家具等の圧死が原因とされており、区民の命を守る観点から大事な事業であると認識しております。
 そこで、区民重要がある限り、更なる補正も考え、継続実施をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。今後、より大勢の区民にこの事業を利用していただく観点から、将来的には器具は利用者自らご用意いただき、設置費用のみを区負担にする考えも取り入れていく必要があるのではないでしょうか。今後の展開についてご見解を伺います。
 次に、耐震関係助成制度について伺います。
 昨年の震災直後、我が会派として震災対策の緊急申し入れを行い、その結果、家屋の耐震化促進として耐震診断並びに耐震改修助成の拡充が行われました。中でも木造住宅耐震診断助成は平成22年度の6件から平成23年度には32件と大幅に増加しています。
 そこで、今年度の傾向とこれまでの耐震診断済みの状況についてお聞かせください。また、高額な改修工事費や追加工事が必要になるなど発注に至らないケースもあると伺っておりますが、大震災を目前にして改修工事を実行することは、きわめて重要だと考えます。区民の生命と財産を守るため、この助成制度を積極的に推進するための取り組みについてその認識を伺います。さらに旧耐震基準の分譲マンションのうち、約8割が耐震診断を実施していないとの東京都の調査結果がありますが、現在の本区の実態について、またマンションの耐震化促進について、今後の取り組みをお聞かせ下さい。
ライン森

斉藤総務部長  防災対策についてのご質問のうち、家具転倒防止器具設置事業についてのご質問にお答えいたします。
 まず、現状の待機件数と対応についてですが、ピーク時の本年3月には、シルバー人材センターに、一日当たり30~40件の申し込みがあり、最終的に約160人の方々に、今年度の事業開始をお待ちいただくことになりました。現在の待機者数は、正確に把握しておりませんが、日に数件、問い合わせがあることから、潜在的に相当数の需要があるものと推測しております。
 現在、シルバー人材センターでは、お問い合わせいただいた方々に対して、区が補正予算を計上していることをご説明申し上げ、募集の再開を待っていただいているというのが現状でございます。

 次に、事業の継続実施についてのご質問にお答えいたします。
 区といたしましても、住宅の耐震化や居室内の安全化は、減災対策を進める上で最優先の課題であると認識しております。本来は、自助の活動として自己負担で実施していただくべき対策ではありますが、今後の申し込み状況等を十分に見極め、自力設置が困難な方々への支援策の必要性を考慮しながら、引き続き需要が見込まれる場合には、さらなる補正予算の計上を含め、事業を継続してまいります。

 次に、将来的な負担方法の見直しについてのご質問にお答えいたします。
 先ほども申し述べましたとおり、家具転倒防止は、本来、「自分の身は自分で守る」自助の対策として、区民の皆様自らが実施していただくべきものでございます。現在の事業は、東日本大震災を受けた緊急対策と位置づけておりまして、今後、さらに事業を継続する場合においては、ご提案いただきました方法も含め、実施方法の見直しを検討する必要があるものと考えております。

 耐震関係助成制度についてのご質問のうち、まず、今年度の傾向とこれまでの診断の状況についてのご質問にお答えいたします。
 本区の木造住宅の耐震診断助成については、昨年の東日本大震災を受け、昨年度が32件の申請があり、今年度におきましては、僅か2か月半で、既に30件の助成申請が提出されるなど、今後も増加する傾向にあります。
 この要因は、東日本大震災による建物被害が甚大であったことや、今後4年間に首都圏の地震発生確率が70%との一部の研究機関が発表し、メディアが大きく取り上げたことなどから、建物の耐震化の重要性が再認識されたものと考えております。
 したがいまして、予算的にも、何らかの措置を講じてまいります。
 また、これまでの診断の状況についてでありますが、本区の木造住宅の耐震診断につきましては、平成8年度から開始しておりますが、平成23年度末までに、549件の耐震診断を行っております。

 次に、制度推進の取組みについてのご質問にお答えいたします。
 耐震改修工事については、基本的に、壁の量を増やすことで耐震性を向上させる方法が一般的でありますが、部材の腐食により、壁の量を増やすだけで止まらず、屋根、柱や梁の交換を伴う工事などが、必要となる場合もあり、工事費もそれにより大きく増減することになります。
 一般の区民の方にとっては、通常、工事施行者から示された工事価格が適正であるか否かの判断は難しいと思われますし、追加工事の請求があった場合などは、その工事費に対して、さらに不安感をおもちになることは、十分理解できるものであります。
 今後、このような区民の皆様の不安を解消するため、新たに関係団体とも協議し、耐震改修工事に関する相談会を開催してまいります。 次に、マンションに関する本区の実態と今後の取組みについてのご質問にお答えいたします。
 本区が平成22年度に行った「分譲マンションの実態調査」によりますと、昭和56年以前に建築された旧耐震基準の分譲マンションのうち、81.5パーセントが耐震診断を実施していないとの調査結果が出ております。未実施の主な理由ですが、耐震診断の費用が高い、診断結果が悪くても、耐震工事の費用が捻出できない、診断結果が悪い場合、資産価値が低下するなどが挙げられております。また、分譲マンションの耐震化を阻む要因として、区分所有者の価値観の相違や大規模修繕工事を実施するための修繕積立金の不足があり、実施に向けての合意形成を図ることが、困難な状況となっております。
 今後の取組みといたしましては、このような課題を解消するために、「マンション適正管理推進会議」を設置し、「(仮称)豊島区マンションの適正管理の推進に関する条例」の制定を第4回定例会を目途に検討しております。
 条例の主な内容でございますが、マンションの適正な管理の推進として、長期修繕計画の作成や見直し、防災・防犯への対応として、防災マニュアルの作成などを規定し、加えて、耐震診断の実施についての規定を盛り込みます。この条例によりまして、分譲マンションの管理組合が、耐震化の取組みを主体的に行える環境を整えてまいります。
 さらに、分譲マンションの耐震化促進のため、東京都と連携し、各マンションを直接訪問し、管理組合に対し、耐震化の啓発資料の配布と説明を行うなど、分譲マンションの耐震化の取組みを加速させてまいります。
 以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する答弁を終わります。

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