此島すみ子の

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 議会報告 (平成18年6月27日 第2回定例会)

参加と協働のまちづくりに向けて
  1. 参加と協働を推進するために
  2. 次世代育成支援
  3. 協働による健康政策の展開を
  4. 学校教育について

1.参加と協働を推進するために


このしま  私は、公明党区議団を代表して、参加と協働のまちづくりを推進するために、4項目にわたり一般質問いたします。2期目総仕上げの年を迎える高野区長の積極的なご答弁を期待いたします。

 区長は就任以来、「財政健全化」と「価値あるまちづくり」、また「区民に開かれた参加と協働による区政」という3つの目標を掲げ、区民の皆さまの多大な理解・協力のもとで「財政健全化計画」そして「行財政改革プラン」を断行して参りました。それにより現在、ながーい冬のトンネルの先に、明るい出口がやっと見えて来たと言ったところでしょうか。まだまだ厳しい状況にあるものの、今年度から新たな基本計画のもと、これまでの「負の遺産を克服するための改革から、未来をひらくための改革へ」というさらなる目標に取り組まれようとされております。

 そこで、参加と協働を推進するために、2点にわたり質問いたします。

 まず、はじめに公共施設の再構築についてであります。

 新庁舎整備問題に関しましては、本庁舎などがまもなく築後約半世紀近く経つことを考えますと、安全性や防災拠点としての機能の面で不安を抱えていることは明らかです。できるだけ早期に新庁舎を整備して、IT等の活用により、区民サービスを向上させるとともに、区の災害復興の拠点として整備することは、多くの区民の皆さまの理解を得られるものと考えております。  今後、新庁舎の整備は、旧日出小学校跡地を含む南池袋2丁目地区の市街地再開発事業の中で整備する案と現庁舎地で整備する案の2案で検討を進めることとなりますが時期を逃さず早期の整備を望むところです。

 同様に区民にとっては、老朽化してきている身近な学校や区有施設が、いつごろ改築されるのかということもまた大きな関心であります。
 平成17年度時点では、区有施設191ヶ所の内、小中学校21校を含め、37ヶ所が築年数40年を迎えており、区有施設全般の改修や改築の必要性が高まっております。
 今後の人口減少社会や少子高齢・低成長時代を迎えようとする中で、身の丈にあった質・量の公共施設の再構築を一体何年で出来るのか、区有施設の建て替えプロジェクトを立ち上げるべきであります。しかもそれは、地域のコミュニティーが活性化し、参加と協働のしくみが推進し易く、さらに防災や緑化、あるいは街のにぎわいや子育ての拠点など地域毎のニーズに応えるような施設配置でなければなりません。

 このようなコミュニティーを育てるという観点にたって、地域を単位とした小中学校や保育園など一定のまとまりのある公共施設の再構築を図るべきと考えます。

 また、建て替えには、仮校舎・仮園舎を建てるための種地が必要になります。そこで、学校は教育委員会が、保育園は子ども家庭部がというような縦割りではなく、全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ、総合的に検討すべきと考えます。

 現在の計画として、旧平和小学校跡地や旧長崎中学校跡地を活用した千早・長崎地域の施設再構築計画がありますが、そういう視点にたって、地域ごとの施設再構築計画の検討を行っているでしょうか。いづれにしましても殆どが建て替え時期を迎えているということは、一面とても大変ではありますが、逆に再配置が可能な状況にあるということでもあります。

 そこで、コミュニティーが築き易い方向に行政が公共施設の再構築をリードしていくことが大事であると考えます。その上で、余剰になった施設の売却を含め区民のための有効活用を図るべきと考えますが区長のお考えをお聞かせください。
ライン森

高野区長  ただいまの此島澄子議員のご質問のなかで、私への見解、考え方等を求める質問がありますが、今日初登壇の永井所長の答弁を含め、担当部長より私の答弁の後に順次お答えいたします。

 まず、地域ごとの施設再構築計画の検討について、お答え申し上げます。

 ご指摘のとおり、施設再構築は、単なる施設の統廃合や改築計画ではなく、一定の地域内における“コミュニティー”と“まちづくり”を視野に入れた総合的な計画として取り組むことが重要であります。
 これまでも、こうした考え方に基づき、千早・長崎地区や高田・雑司が谷地区など、地域ごとに再構築を検討し、進めてまいりました。
 特に、区民にとって身近な施設である、学校施設、保育園や子どもスキップ、地域区民ひろばや区民集会室などについては、人と人のつながりを広げる地域コミュニティの拠点として、利用者の立場に立った相互連携の確保が大変重要であり、これまでも、小学校区を単位として、再構築を進めてきたところであります。

 具体的なプランづくりについては、まず、学校跡地の有効活用が課題であり、現在、旧平和小、旧高田小、旧大明小、旧長崎中学校がある地域を中心に、横断的な検討チームを庁内に設置し、周辺施設の再構築や効果的な改築について、検討を進めております。
 なお、これら以外の地域につきましても、将来の小・中学校の改築を見据え、順次、施設再構築のあり方の検討を進めてまいります。

 次に、売却を含めた余剰施設の有効活用は、地域のコミュニティづくりに配慮しつつ進めるべき、とのご質問にお答え申し上げます。

 公共施設の再構築は、区民活動の活性化を促進することを念頭に進めることが大変重要であります。
 地域のコミュニティづくりに向け、横断的な視点から、効果的な施設配置を実現することこそ、再構築が目指す真の姿であります。
 いずれにいたしましても、再構築に伴い、公有地の売却や貸付を行う際には、地域全体の施設状況と将来にわたる改築の必要性等を十分に検討をいたしまして、地域のコミュニティに配慮しつつ、実施してまいります。

 次に、地域活動への参加意欲を引き出す仕組みづくりについて、お答えいたします。

 地域の力が低下していると言われる今日、団塊の世代は地域活動の新たな担い手として、大きな力になると期待しております。とりわけ、これまで地域との関わりが薄かった「会社人間」といわれる方々が、家庭に引きこもることなく、地域の中で自分の居場所を発見されることは、極めて意味のあることであり、その仕組みづくりにつきましては、喫緊の課題であると考えております。

 現在、NPOなどの各種の地域活動が展開されておりますが、こうした地域を豊かにする新しい活動は、団塊の世代の参入により、今後さらに活発になると予想されております。
 また、昨年度、町会連合会と共に地域活動あり方検討委員会を設置し、地域コミュニティの基本である町会活動について調査検討したところですが、そこで見えてきた様々な課題を解決するためにも、団塊の世代の力に大きく期待するところであります。
 区といたしましては、こうした地域活動への積極的に参加を引き出す仕組みづくりを、「活動拠点の整備」、「情報の提供」、「仲間づくり」、「資金的支援」、「町会活動参加支援」の5つを柱として、積極的に取り組んでまいります。

 具体的には、西部事務所の建替えに合わせた第2号の区民活動センターの整備、地域活動ガイドブックの発行、新たな活動の創出に繋げるための補助要件の見直し、団塊の世代が持つ知識や技術を登録し、その能力を地域やNPO等の活動に還元する制度の創設、区ホームページへの町会活動の紹介サイトの立上げなど、を実施してまいります。
 団塊の世代が地域の力を回復する大きな原動力となるよう、総合的に地域活動への参加意欲を引き出す仕組みづくりに努めてまいります。

 次に、地域活動への参加意欲を引き出す仕組みづくりについて、お答えいたします。

 地域の力が低下していると言われる今日、団塊の世代は地域活動の新たな担い手として、大きな力になると期待しております。とりわけ、これまで地域との関わりが薄かった「会社人間」といわれる方々が、家庭に引きこもることなく、地域の中で自分の居場所を発見されることは、極めて意味のあることであり、その仕組みづくりにつきましては、喫緊の課題であると考えております。

 現在、NPOなどの各種の地域活動が展開されておりますが、こうした地域を豊かにする新しい活動は、団塊の世代の参入により、今後さらに活発になると予想されております。委員会を設置し、地域コミュニティの基本である町会活動について調査検討したところですが、そこで見えてきた様々な課題を解決するためにも、団塊の世代の力に大きく期待するところまた、昨年度、町会連合会と共に地域活動あり方検討であります。
 区といたしましては、こうした地域活動への積極的に参加を引き出す仕組みづくりを、「活動拠点の整備」、「情報の提供」、「仲間づくり」、「資金的支援」、「町会活動参加支援」の5つを柱として、積極的に取り組んでまいります。
 具体的には、西部事務所の建替えに合わせた第2号の区民活動センターの整備、地域活動ガイドブックの発行、新たな活動の創出に繋げるための補助要件の見直し、団塊の世代が持つ知識や技術を登録し、その能力を地域やNPO等の活動に還元する制度の創設、区ホームページへの町会活動の紹介サイトの立上げなど、を実施してまいります。

 団塊の世代が地域の力を回復する大きな原動力となるよう、総合的に地域活動への参加意欲を引き出す仕組みづくりに努めてまいります。
ライン森

このしま  一方、再構築が果たせたとしても、それぞれの区有施設を有機的に連動させ、区民の参加と協働を推進するためには、きめ細やかな交通網の整備が不可欠と認識しております。

 以前より、予算要望して参りました「コミュニティーバス」はまだかという区民の声があります。これにつきましては、どの地域をどのようにと考えると意外な地域がクローズアップされて参ります。
 高齢社会にあって、買い物・通院・行政手続などにも気軽に行けて、区民の、自由な外出を促し、社会参加につなげることを目的とするコミュニティーバスについて、現在の検討状況と今後の計画について、お伺いいたします。
ライン森

上村都市整備部長  まず、コミュニティバスの検討状況と、今後の計画についてのご質問に、お答えいたします。

 現在、学識者や関係機関により構成される、「池袋副都心交通ビジョン検討委員会」を設置し、副都心エリア周辺の都市計画道路の整備状況を踏まえ、中長期的な視点に立った、池袋副都心の望ましい交通体系のあり方を、検討しております。

 この検討会の中で、副都心の魅力の向上、活性化のために、周辺地区から池袋駅への、アクセス性の向上という観点から、副都心循環バス等の、新たな交通システムの必要性、あり方についても、検討しております。
 池袋駅へのアクセスが不便な地域の洗い出し、地域特性に応じた交通システムの選択、走行ルート、運行経費等について検討を進め、平成18年度末までに、基本的な考え方を整理する予定であります。
 この中で、高齢者の買い物、通院等の利便性の向上や、区民の社会活動を活発化するといった観点からも、運行経路について、検討を加えてみたいと考えております。

 バスの運行に向けては、相当の財政負担が伴うことから、需要予測、事業採算性などの検証が必要でありますが、今回の交通ビジョンの検討結果や、現在事業中の補助172号線、173号線など、都市計画道路の進捗状況などを踏まえ、さらに詳細な検討を進めたいと考えております。
ライン森

このしま  2点目には、参加と協働のまちづくりに関し、ソフト面での質問をいたします。

 先ず、2007年問題と言われる「団塊の世代」が定年を迎える年についてであります。
 この世代は、全国680万人のうち、東京に63万人、東京圏ということになれば183万人いると言われております。豊島区においては56歳から60歳までで、17600人強とのことですが、この世代は、日本の高度経済成長時代を支えてきた方々で、能力も実力もやる気もあるという世代であります。活動的で、多彩な知識や技能をもちITにも強い、ボランティア精神も持ち合わせている、しかも他の世代に比べ貯蓄もある、年金も確保されているという方々であり、「銀の卵」とも、巨大潜在力のかたまりとも言われております。
 この宝の山を企業や地域・行政がどう生かすかが活性化のカギであり、団塊の世代への取り組みは重要であります。

 そこで、この団塊の世代の定年退職に伴う財政への影響について伺います。

 先ず職員の退職手当についてですが、他の自治体では、退職手当を分割支給するところもあるようですが、豊島区はいかがでしょうか。
 またこれまで、現役で働き、納税してきた方々の退職により、歳入の減少や医療・介護などへの歳出増についても予想されますが、それについてどのように影響があるとお考えでしょうか。

 豊島区では、平成17年3月、「協働のまちづくりに関する区民意識調査」を行ったところ、地域活動への参加意欲については、約55%の方が参加したいという意欲をもっていることが分かりました。問題は、この潜在意欲をどう引き出すかにありますが、「地域活動をしようかな」と考える方が始められるしくみづくりについては、どのようにお考えでしょうか。

 実状は、そう簡単なものではないと思います。団塊の世代を含む高齢者の3つの特質は、①命令されて仕事はしない。②今まで培った知識や技術が生きることをしたい、③世の中の人のために働きたい――など、これらの特質は年を重ねる毎に増していくということであります。

 区は、先日、東部区民事務所の2階に、一年間何と3千円という経費でインターネット・印刷機能さらにメールボックスも利用可能なNPOなどが使える活動拠点をオープンさせました。また豊島区ホームページにも協働事業推進・NPO法人というサイトをたちあげました。しかし、もうひと努力欲しいところであります。

 例えば北九州市では、今月から「生涯現役夢追塾」というものを開設しております。
 この夢追塾は、これまで仕事で培ってきた技術や経験を眠らせることなく、退職後に街づくりや新しい産業の育成などに役立ててもらうことを狙いとしております。週1のペースで10ヶ月間、学者や経営者を講師に招き、企業やNPO設立に必要な知識などを学びます。
 まず総合講座で、自己能力を整理・再確認してから「夢探し」「自分探し」で、将来像を探り、専門コース各分野別の学習をします。さらに、リーダーにふさわしいスキルを学び、その上で起業独立・NPO、指導者育成、地域企業支援投資などのコースに分かれて専門家の指導を受け、企業やNPOと連携して、インターンと呼ばれる現場実習などを行います。

 シニアでなくても体験したいような内容で、正に「第2の人生を開く大学」とも言えます。
 このような取り組みがあれば素晴らしいと考えますがいかがでしょうか。
 シニア世代を対象にした地域活動シンポジュームやコミュニティービジネスセミナーの開催などを通して、区として積極的に取り組んでいただきたいことに誘導するしくみなど、明確に示す必要もあるのではないでしょうか。シニア世代向けのホームページの充実や地域活動ハンドブックなどの作成も1つの方法です。

 また団塊の世代は、はっきり意見を持った世代だと言われます。区政に対する意見をホームページで、発言し易いかたちにしてはどうでしょうか。
 最近総務省は、千代田区と新潟県長岡市で地域SNS等を活用した地域社会への住民参画に関する実証実験を行っております。地域SNSは、日常的に日記や電子掲示板として利用したり、行政情報、地域情報などを入手することができる地域向けの交流・情報提供サービスです。また、災害時には画面が切り替わり、行政からの災害情報や避難情報が提供されます。本区でもこの地域SNSで意見交換が出来るシステムを導入すべきだと思いますがいかがでしょうか。ご見解を伺います。
ライン森

高野区長  ただいまの此島澄子議員のご質問に対しまして、順次、お答え申し上げます。

 次に、北九州市「生涯現役夢追塾」のような「第2の人生を開く大学」の取組みについてお答えいたします。

 豊かな経験、知識、技術を持っている団塊の世代は、まちづくりの中心となる人材として、大いに期待されております。豊島区としては、地域の課題解決、また、地域活動の人材育成の面などからも、団塊の世代が地域で力を発揮できるよう、積極的な働きかけを行う必要があると考えております。

 区では、北九州市「生涯現役夢追塾」のアプローチの仕方とは異なりますが、この秋に団塊世代に向けた地域サポーターの養成講座を計画しております。
 この講座は、区民協働の視点から、団塊世代が地域活動を行っていく上でのきっかけづくりとして、地域の現状や課題、その課題を解決するための手法等を学んでいただくとともに、ボランティア活動等の実践の場を提供することとしています。
 具体的には、フォーラムの開催や地域活動の体験談、コミュニティービジネス等の講座、ワークショップにより、地域や区政の現状、課題を明確にし、解決に向けて自主的に活動出来る人材や地域の担い手の養成を目指す内容となっております。
 また、受講者はインターンシップとして各種ボランティア、NPO団体等の活動に参加し、実体験してもらうことを予定しております。

 さらに、団塊の世代これまでの経験や意欲を維持し、NPO、ボランティア等の地域活動に貢献していただくための支援や、最終的には区政への参加を目標として、地域の課題を解決するための自主事業を企画・立案し、区や地域へ提案できる仕組みづくりを実施してまいります。このような取り組みを通し、団塊世代が地域活動に積極的に関与できるようサポートしてまいります。

 次に、地域SNSソーシャルネットワークサービスの導入についてのご質問にお答え申し上げます。

 IT時代の到来により、コミュニケーションの形も次第に変化してまいりました。区政へのご意見として受け付けたEメールの件数は、昨年度には494件と、この5年間で5倍以上の伸びを示し、現在、広報課に寄せられる区民の声の約半数がEメールによるものでございます。
 また、電子コミュニティとしては、これまでは電子掲示板や電子会議室がその代表的なものでした。しかし、自治体の運営する電子掲示板の中には、ほとんど書き込みがなく休業状態のものや、悪質な発言によりやむなく廃止したものもあり、その管理運営には難しさが指摘されているところでございます。

 一方、ご質問にありますSNS、ソーシャルネットワークサービスは、会員からの紹介によって加入するシステムであるため、悪意なきコミュニティを築くことが可能といわれており、インターネット上にコミュニティを構築する新しい手法として注目されてきております。実施している自治体が全国でもわずか数団体であるなど、まだ試行段階であるため、先進自治体での利用状況など、その動向を十分注視してまいります。今後も、より多くの方にお気軽にご意見をお寄せいただけるよう、様々な工夫を重ねてまいります。

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2.次世代育成支援


このしま  次に“次世代育成支援”について質問いたします。

 先ず始めに、少年犯罪や児童虐待をなくすための新しい子育て支援策について、提案を含め質問いたします。

 豊島区の子ども家庭支援センターにおける大人からの不適切な関わりによる虐待などの相談・通報受理件数は、平成13年は、121件、14年は、142件、平成15年は160件、そして昨年の平成17年は271件と驚異的な伸びを示しております。
 区内では、毎年1400名近い子どもが生まれていますが、271人がその対象とは、驚くばかりです。中でもネグレクト(子育て放棄)が最も多く、昨年度で言えば105件という数に胸が痛みます。
 いったいどこに、その原因があるのかそれを究明しない限り、同じ悲劇が繰り返されるものと考えます。

 先日、三沢直子明治大学教授による「現代の母子を取り巻く育児環境と日本で必要な子育て支援策について」という、話を聞く機会がありました。
 教授は、病院や相談室での30年に及ぶ臨床経験をもとに、「少年犯罪や児童虐待の背景にある心の発達の停滞」という研究・調査結果をまとめられております。
 その概要は、日本の育児環境が60年前後を節目に大きく変わり、高度経済成長などの影響で、都市化、核家族化、夫婦分業、近隣との付き合いの希薄化などが進んだ結果、母親一人が子育てするという現象が起こり、周囲から充分な支えもない閉じられた空間、いわゆる母子カプセル状態で過ごす家庭が増えたことが、アンバランスな育児や児童虐待など深刻なケースを生んで来ており、その行き詰まりが子どもの心の発達にも大きく影響し、キレる子どもの急増や学級崩壊、少年犯罪などの問題が深刻化しているとし、こうした構造的な課題への早急な対応が必要であると言われております。

 日本では今、多くの親が、自分の子どもを持って初めて赤ちゃんと接しています。親になれば、初めてであろうと一人で子育てが出来て当たり前だと親自身も、周りも皆そう思い込んでしまったというところに問題があり、その解決策を世界中探したところ、カナダの保健省が20年以上かけて開発し、カナダ全域に広がった親教育支援プログラム“nobody`s perfect ”「完璧な親なんていない」が、選定されました。
 日本でも約2年かけて、あちこちで試したところ、日本の親にもピッタリ合うことがわかったというものです。教授は、子育て支援の最優先課題として、「親が親の役割を身につけるための教育トレーニングプログラムを提供することが必要」だと言われております。
 また、PQ(前頭連合野の脳力)は本来「両親や親戚、地域社会など群れの中で、豊かな社会関係にさらされ、少なくとも8歳までに発達するものだということです。

 アフリカのことわざに、「子ども一人育てるには、村中の人が必要だ」と言われておりますが、子育てには、やはり地域の多くの支援が必要であります。
 「どうしたら良い親になれるか」との願いと不安は、万国共通であり、日本でもこうしたプログラムを実施した効果測定では、「自己評価が上がり、抑うつ感が減り、育児不安が解消した」という結果が出ております。
 つい最近も、妊娠や子どもが生まれた後の不安、子育てに対する不安…などがストレスになり、晩酒が止められず、胎児性アルコール症候群という母親が8%に達しているというニュース報道がありましたが、子どもの心が育つには、親自身を周囲が支え、子どもにも豊かな社会体験と生活体験の場を提供していく必要があり、多様な人間関係の中でこそ、豊かな人間性が育っていくことを社会全体が再確認する必要があると考えます。そこで、伺います。

 豊島区では、毎年1400名近い子どもが生まれているものの、保健婦さんの訪問はそれを拒否する家庭も多く、状況掌握はなかなか厳しいと伺っております。そこで、母子手帳取得の時から妊婦検診のみならず、地域の区民ひろばとこのようなプログラムを紹介し、仲間づくりのお手伝いをしてはいかがでしょうか。区民ひろばの中には、保母さんを長年経験したベテランの方々もたくさんおられますので、プログラムの講習を受けていただけば、身近な地域で仲間づくり・子育て支援ができるのではないでしょうか。ぜひ全区的な展開を望むものですが、区長の見解をお伺いいたします。

 また、現在虐待などの状態にある子どもに対しては、急ぎ、きめ細やかな対応を必要とするところですが、先ほど申し上げた、多くの人数には、子ども家庭支援センターや児童相談所も対応しきれるものではないと思われます。そこで区としても、いち早く権利擁護センターを立ち上げ、少しでも解決に向けた取り組みが求められますが、それについては、どのようになっているのでしょうか。あわせてお伺いいたします。
ライン森

永井池袋保健所長  次世代育成支援についての、親教育支援プログラムを活用した子育てひろばでの支援策についてお答え致します。

 ご提案の親教育支援プログラムにつきましては、同様のプログラムではありませんが、同じ趣旨で池袋保健所や長崎健康相談所で行っているところです。短期の講座制の親教育支援プログラムとは異なり、保健所では妊娠中から就学前までの親子を対象として親子の状況や乳幼児の発育発達段階に応じて、様々な事業を行いながら、必要に応じて、家庭訪問等も行うなど母子保健事業体系の一連の流れの中で幅広く子育て支援を行っているところです。

 母子保健事業としては乳幼児健診を中心として、様々な学習の場や月に1回の親のためのグループミーティングの場を開催し、これらの講座や場は学ぶだけではなく仲間づくりの場ともしております。グループミーティングでは心理職や保健師が進行役となり、参加者の互いの体験や日頃の育児不安等を話し合う中で、悩んでいるのは自分だけではないことを知り、自分を肯定でき、自信を取り戻していく場となっています。
 更に区民ひろばの「子育てひろば」や児童館など区内の8か所で、各所、年に10回ほど保健師、栄養士、歯科衛生士が出張育児相談を行い、毎年2千人以上の母子が利用しており、この場では子どもの健康や安全だけではなく多様なご相談を受けております。

 このようにこれまでの母子保健事業の取り組みを通し、親教育支援プログラムの目的としているところが子育て支援策として必要かつ有効なものであることは認識しておりますので、今後は関係課等との連携の中で、事業の内容の充実を図るとともに、「子育てひろば」と連携して更に場の活用を検討してまいりたいと考えております。

 私からの答弁は以上でございます。
ライン森

このしま  次に子どもの医療費無料化についてですが、

 都議会公明党ではこの6月19日、「チャイルドファースト」社会の実現へ向けて、乳幼児医療費助成制度の対象年齢について、義務教育が終了する中学3年生までの拡大を求める申し入れを、石原都知事あてに行いました。それに対し東京都は、「しっかり受け止め、前向きに検討していきたい」と答弁しております。
 そこで、東京都が公明党の申し入れを受け、所得制限を大きく拡充された暁には、豊島区が23区の中でも大きく遅れをとっておりますことから、医療費助成をさらに大きく前進させるよう要望いたしますが、高野区長の力強い前向きな決断を期待いたします。
ライン森

高野区長  次に、子どもの医療費無料化についてのご質問にお答えいたします。

 子どもの医療費無料化が子育て世代の経済的な負担軽減を図る有効な施策であることにつきましては、十分に認識しておりますとともに、6月19日に、東京都議会公明党が、東京都に対して乳幼児医療費助成制度の対象年齢の拡大を申し入れられましたことも十分承知しております。

 本区では、本年10月から、小学校6年生まで、入院にかかる医療費の助成を拡大することにしましたが、通院にかかる助成につきましても、実施する方向で検討をして参りました。
 現在も、大変厳しい財政状況に変わりはありませんが、子どもたちの健やかな成長と健康を守ることは、重要な施策でありますので、小学校6年生までの通院医療費の助成につきましても、来年度の平成19年4月から実施する方向で準備を進めております。

 なお、お話にございました東京都の乳幼児医療制度の動向につきましては、その推移を見ながら、さらに、本区の助成制度の拡充の可能性を検討して参ります。
ライン森

このしま  さらに、新しい子育て支援策として、“子育て総合ネットワークサイト”設置の提案をいたします。

 世田谷区では、子育て見守り総合ネットワークの体制充実をはかり、平成17年度からは、世田谷子育てテレフォン事業として、休日・夜間も専門家が対応する事業を開始しました。
 また、ホームページの子ども・教育サイトを通じて総合案内のページを作り、妊娠出産から子どもの急病時の対応は勿論のこと、お出かけ情報チャートなど、何から何まで親切で全ての心配が解消されるような活用し易いページを設けております。
 また新宿区でも、掲示板や口コミ情報などが出来る電子会議室「子育て情報交換広場」を設置いたしました。
 本区でもこのような取り組みをすべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。
ライン森

横田子ども家庭部長  次に、子育て総合ネットワークサイトの設置についてのご質問にお答えいたします。

 近年、インターネットの普及はめざましく、若い子育て世代におきましても、インターネットでの情報収集が日常的に行われるようになってまいりました。
 本区におきましても、区の公式ホームページに、「子ども・教育」のコーナーを設けて、妊娠・出産、子どもの健康から保育園や幼稚園のご案内、小中学校の教育に至るまで、子どもに関する様々な行政サービスのお知らせをしているところでございます。

 しかしながら、情報の見つけやすさや表現方法などで、わかりにくい点も見受けられますので、各自治体の例を参考にしながら、小児医療救急時の情報を含めた、育児・医療・教育等に関わる子育て情報を、ご提案にありますようなネットワークサイトとして集約するなど、一層の利便性の向上に努めたいと考えております。

 また、子育てに関する様々な課題や要望に関しましても、区民の皆様が気軽に参加できる仕組みづくりなどを検討して参りたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。

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3.協働による健康政策の展開を


このしま  協働による健康政策の展開について質問いたします。

 高野区長は、健康政策を平成18年度重点事業と位置づけ「一人ひとりの主体的な健康づくりを進めるためには、家族や学校、地域社会のなかで、個人の取り組みをサポートする“共助”の仕組みを築いていくことが重要である。」としております。

 そこで先ず、今年度の新規事業である「としま健康づくり大学」が、9月の開始に向け準備を進めておられるとのことですが、その取り組み状況をお伺いいたします。
 今や、健康寿命を如何に伸ばすかという観点で、疾病予防から介護予防まで、予防施策の充実が求められております。
 「としま健康づくり大学」にも期待を寄せるものですが、“共助”の仕組みを築いていくためには、区民・地域団体・事業者が協働して地域社会全体の健康づくりを考え、推進する施策を総合的に取り組む必要があるのではないでしょうか。

 そこで、豊島区として思い切って「健康都市宣言」をし、健康づくり推進条例制定のもと高野区長の強いリーダーシップで、健康政策を展開してはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 そこで提案ですが、小・中学校の体育館で、可能な曜日を選定し、出来るところから、区民全員が参加できるストレッチ・フィットネス・エアロビックスなどの健康体操をインストラクター指導のもとに実施してはどうでしょうか。
 現在区民ひろばの一部で実施されておりますが、PRもしないのに、人から人に伝え聞いて毎回新しい人・若い人が参加するようになっております。人は楽しいところに集まり、コミュニティーが出来てきます。
 誰もが参加できる政策として、ぜひ区内全域で実施されることを要望いたします。
ライン森

山中健康担当部長  まず、協働による健康政策の展開についてのご質問にお答えいたします。

 「としま健康づくり大学」についてでありますが、大きな社会問題となっております国民の生活習慣病予防には、壮年期からの健康づくりが極めて重要であります。
 そのため、今年度、区民の健康にかかわる総合的な学習の場として、連続講座方式の「としま健康づくり大学」を開設し、高齢期前の方々の主体的な健康づくりを支援することとしております。
 この健康づくり大学は、約半年間の長期にわたり、様々な分野における健康知識の習得とスポーツ施設での運動プログラムの実践に加え、受講者一人ひとりの身体状況の診断や生活習慣の改善指導を併せて行うことを特徴としております。

 現在、講座のプログラム内容をほぼ決定し、専門分野の講師には、元オリンピック選手の木原美知子氏や女子栄養大学の香川芳子学長、古武道の大家である甲野善紀氏など、多くの方々を招請しております。
 また、協力関係団体や委託事業者などとの詰めの協議を重ねておりまして、今後、7月下旬から広報紙やホームページ、区政連絡会等で受講生の募集案内を行い、9月2日の開校をめざして準備を進めているところであります。

 次に、「健康都市宣言」と健康づくり推進条例の制定による健康施策を展開したらどうかとのことですが、ご指摘のように健全な地域社会を実現するためには、区民や地域団体、事業者などが協働し、地域社会全体での健康活動に取り組むことができる土壌づくりが必要であります。
 この6月には、国会で「医療制度改革関連法」が成立し、今後数年のうちに医療制度改革のほか、特にメタボリックシンドロームが焦点となっていることから、健康保険事業者に組合員の健診と保健指導の義務づけがされるなど、健康管理や健康増進にかかわる仕組みが抜本的に変わっていく動向にあります。
 そうした中で、今年度、区では重要政策の柱の一つであります「健康」分野につきまして、新基本計画にもとづく具体的な目標とその手段を明らかにする「戦略プラン」を策定することとしております。
 したがいまして、ご提案の健康都市宣言、そして条例化などの方策も視野に入れ、様々な角度から検討してまいる考えであります。

 次に、小中学校の体育館で健康体操を実施してはどうかとのご提案ですが、教育委員会では、すでに学校教育に支障のない範囲で区立小中学校の校庭、体育館を地域の方々に利用いただく学校開放事業を展開しているところであります。
 この事業は、区民に身近なスポーツ・レクリエーションの場の充実と地域コミュニティの形成に寄与することを目的としておりますが、此島議員ご提案の健康体操は、単に参加者の健康を保持増進させるだけでなく、幅広い年齢層の参加を通じて、新たな地域コミュニティづくりにもなりうることを示唆されているものと推察いたします。
 現在、区立学校ごとの学校施設利用者数は着実に増え、利用団体相互の調整に苦慮する状況も見られますため、実施にあたりましては既存の利用団体等との事前の調整が必要になりますが、ご提案の主旨を十分踏まえ、積極的に調整に取り組むよう、教育委員会へ働きかけてまいりたいと存じます。
 私からの答弁は以上でございます。
ライン森

このしま  健康政策の2点目は、心身ともの健康を考えるグリーン・ツーリズムについてであります。

 豊島区では、練馬での農業体験農園の事業が廃止されて久しくなります。
 しかし、「土やみどりと触れあいたい」という区民の要望は高く、郊外にある農地と契約を結び、土・日に通って栽培しているという区民もおります。
 最近は、環境問題の影響も受け、国民レベルで“自然回帰”が強まり、心の満足度が重要視される時代を迎えました。  みどりや土いじりをしながら家族や友人をはじめ、幅広い交流で人間性を高め、人生の幸福感や満足感を味わいたいとの声が聞かれるようになっております。

 このグリーン・ツーリズムは、「都市と農村との交流で、自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動」であり、日本でも農林水産省の地域交流室が積極的に推進し、学校教育の体験学習や一般にも広く紹介されております。
 本区でも、豊島区消費生活センターが、平成5年から秩父との農作業体験講座を企画し、親子で日帰り農業体験というのを実施しておりますが、農家の方々との交流により、食育をはじめ、さまざまな体験をすることが出来ます。株式会社パソナは、この農業体験を雇用創出に向け、ニート対策としても取りあげております。

 そこで、心身共の健康という観点で、広く区民にも情報提供してはいかがでしょうか。
 ワーキングホリデーというかたちで、短期・長期滞在も受け入れており、農作業をお手伝いすることで、大人であれば滞在費は無料です。
 このグリーン・ツーリズムは全国に広がっておりますので、豊島区の友好・交流都市でも実施されているところがあるかもしれません。その実態をお伺いするとともに、これらの友好都市と一歩進んだ交流をしてはいかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。
ライン森

大沼文化商工部長  グリーン・ツーリズムについてお答えいたします。

 本区の友好・交流都市におけるグリーン・ツーリズムに関する実施状況でございますが、現在、19の友好・交流都市のうち、10市町村において日帰りや宿泊での体験ツアーを実施しております。

 例えば、秩父市ではワーキングホリデーとして日帰りでの農家の手伝い、新潟県魚沼市や群馬県みなかみ町では農家民宿での宿泊農業体験、福島県猪苗代町では認定農業者会による半日または一日での農業体験、そして観光協会による工芸やそば打ち、スポーツ自然体験などを実施しております。
 特に、豊島区民を対象とした交流事業として、平成16年度から岩手県一関市と茨城県常陸大宮市が、昨年度からは栃木県那須烏山市が主催して区内の小学生と保護者を対象とした短期の自然体験型宿泊ツアーを実施しております。水生昆虫採集などの川遊び、クワガタやカブトムシ捕り、星空観測やホタルの観察、しいたけ狩りやとうもろこしのもぎ取り体験、地元小学生との交流など、自然と触れ合い、季節の味覚を満喫し、地域の方々と交流を深めるツアーとなっており、毎年参加者に大変喜ばれておりリピーターもたくさんおります。
 さらに、常陸大宮市では昨年度、日帰りで森の木の間伐作業や下草刈りなどの林業体験ツアーを実施し、区民34名が参加し、当日は気持ちの良い汗をかいてきました。
 これからも自然や健康、環境をキーワードに一人でも多くの区民の方に、自然とのふれあい、農業や林業の体験などを通じて、人と人との交流を楽しめる、正に都市と農村とが交流できる事業を友好・交流都市からの提案や要望を伺いながらご質問の中にありますように、積極的に広く区民に情報提供してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。

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4.学校教育について


このしま  最後に、学校教育について質問いたします。

 「学は光」とも言われ、日本の学校教育は、高校進学率(平成16年)97%を超え、アメリカに次ぐ高い水準に達しておりますが、このような「光」に対し、学校に通う一人ひとりの子どもがどのように受け止め、学ぶことによろこびを感じているかはまた別問題であります。
 一人ひとりが、自分らしい存在価値と展望を見出して生きていけるような取り組みを学校現場に期待するものですが、区民の声を受け、「としまの教育」についてあらためてお伺いいたします。

 先ず、はじめに「何のために学ぶのか」という基本的な考え方についてどのように子ども達に教えられておられるのかお伺いいたします。
 各国を対象とした学力調査の中で「日本の子どもたちの学習意欲の低さ」が常に言われております。これだけ学習意欲の低い子どもたちに、高水準の学力をつけている日本の教師は優秀だという声さえ聞かれるようですが、この基本的な原点とも言える「学ぶ目的」を繰り返し明確にしていけるかどうかは、子どもの「学習意欲」に大きく影響してくるものと考えますが、実状はいかがでしょうか。また、現在の学習指導要領が施行されて4年たちますが、学習意欲がどのようになっているのかお伺いいたします。

 2点目に、「学力」についてであります。
 この6月8日、東京都教育委員会が都内すべての公立小学校5年生と中学2年生を対象にした学力テストの結果を発表しました。
 我が子の学力低下を心配する保護者の関心も高いところでありますが、この結果をどのように受け止め、分析しておられるのかお伺いいたします。
 この学力の結果を見て、所得格差が教育格差に及び、これが社会的格差拡大にまでつながるのではと懸念されております。  先日のテレビ報道でも、受験塾に通っている子どもと通っていない子どもとの間で、かなり差が出ている。塾に行くかどうかで大きく左右され、子どもの声としても、塾は分かりやすく教えてくれるからという声もありました。
 私ども公明党は、自ら学び、自ら考える力を育てるためにも、基本的な内容を子どもたちがきちんと身につけているのか、公立学校は責任をもつ必要があると申し上げ、習熟度別に、その学力格差をなくす取り組みをさまざま提案して参りました。  また本区におきましては、平成14年から、「教育としま改革プラン21」を立ち上げ、学力向上に向けてさまざまな施策を行ってきておりますが、その取り組みと成果についてもお伺いいたします。

 3点目に小・中一貫教育についてお伺いいたします。
 これは、各地の研究開発校において実施中で、まだ検証段階と言えるようですが、品川区のように施設一体型という思い切った体制の整備を図っている自治体もあり、話題を呼んでおります。
 そこで、小学校と中学校の垣根を取り払い、9年間一貫した教育を行うための小・中一貫教育に向けた本区の取り組みについて伺います。
 はじめに豊島区のこれまでの小・中学校の関係とそれを踏まえた連携教育についてはいかがでしょうか。  2点目に、背景として、小学校から中学校への接続の際、不登校やいじめといった児童の問題行動の増加を心配する声がありますが、本区の場合はいかがでしょうか。
 3点目に、部活動への体験入部が出来るとか小学校からの私立校などへの公立離れの防御策にもなるとの見方もありますが、その効果についてのお考えを伺います。
 4点目に、数年前私は、小学校高学年の教科担任制を提案しましたが、中学の先生による出前授業や小中合同授業というのはあるのでしょうか。
 いづれにしましても、連携教育によって、子どもたちの学ぶ意欲が高まることを期待いたします。

 最後に「生命の教育」についてお伺いいたします。
 近年、連日のように殺人事件、幼児虐待、青少年の犯罪など、生命軽視のニュースが後を絶たず、胸が痛みます。学校現場においてもまだまだ、いじめによる不登校があとを絶ちません。このような生命軽視の社会の中で育つ子どもたちは、いのちの重さや大切さを実感する機会が失われていくのではと心配です。
 現在、問題となっている犯罪の低年齢化や活発化の原因は、モラルの荒廃や、命の尊さを十分に伝えることのできなかった大人社会の反映であり、日常生活の中でそれらを実感する機会を失っている子供たちに、生命の尊厳に触れる機会をつくってあげることは、大変重要だと考えます。

 これまでも各学校で、理科、体育、道徳などの授業や小動物の飼育など、全教育活動を通じて、生命の大切さについて常に指導をされてきたことは承知しておりますが、特別授業として、いのちの教育を実施してはいかがでしょうか。
 厚生労働省の「健やか親子21」の中で、2010年までの国民運動計画として提案されているものがあり、助産師さんが、小学校5年生を対象に、「いのちの教育」として出張授業を行い、子どもたちに生命誕生の喜びや心身の発達に関する基礎的なことを学ばせている授業があります。
 児童は生命の尊さを感じるとともに、両親への愛情を再確認するに違いありません。
 自身や友だちの生命を大切にしようとする心情や態度が育つことを期待して提案いたします。

 以上で、私の質問を全部終わります。
 長い間のご清聴ありがとうございました。
ライン森

日高教育長  教育委員会の所管に属する事項に関する質問に対しましてお答え申しあげます。

 まず、「学ぶ目的」についてどのように教えているかというご質問ですが、「人間が人間として人間らしく生きていくこと」、これこそが学ぶ目的であると考えます。
 ご指摘のとおり、学ぶ目的をもたせることが、学習意欲を高める上で、非常に重要であると考えております。「何のために学ぶのか」、これは、「人として、どのように生きるか」という人生の大きなテーマにつながると考えます。昨今、キャリア教育の重要性が脚光を浴びておりますが、その背景には、学ぶ目的や働く意欲を見出せないニートやフリーターの増加といった社会問題が存在します。そこで、学ぶ目的を持たせるためには、まず、子どもたちに「将来の夢」をもたせることが重要であると考えます。

 豊島区におきましては、各小学校では、「2分の1成人式」や、「まちたんけん」、「職場体験」等を行い、将来の夢を育むような指導を行っております。
 また、各中学校におきましても、自己の生き方を考え、働くことの大切さを学び、自分の将来を切り拓くための職場訪問や上級学校訪問、卒業生の話を聞く会、職場体験等、さまざまな体験活動を通して、学ぶ目的を明確にもつことや働く目的を考える機会を設けております。また、昨日の学習が今日に役立ち、今日の学習が明日に役立つということを自覚させる毎日の授業の積み重ねも重要であります。
 こうした指導を繰り返していくことが、子どもの学習意欲の向上に確実につながると考えております。

 次に、子どもの学習意欲はどのようになったかというご質問ですが、現行学習指導要領施行後の「平成15年度 小・中学校教育課程実施状況調査」結果によりますと、「勉強は大切だ」「勉強は好きだ」と回答した児童・生徒の割合は、平成13年度の調査結果に比べて増加傾向にあります。
 また、「平日における学校の授業以外の学習時間」のうち、「全く、または、ほとんど勉強しない児童・生徒の割合」は、前回と比べ減少しております。これは、学習指導要領では、児童・生徒の「各教科への関心・意欲・態度」を高めることを重視しており、一人一人の教員が、子どもの学習意欲を引き出す指導を意識して行うようになったことが、子どもたちの学習意欲を向上させた主たる要因であると考えます。
 さらに個々の学習状況に応じた少人数指導等の充実も、「わかる授業」「楽しい授業」を生み出し、子どもたちの学習意欲の向上につながったと考えます。また、言うまでもなく、家庭の温もり、自分の居場所、健康な体が、学習意欲を高める大きな要素でもあります。

 今後も、子どもたち一人一人に学ぶ目的をもたせ、さらに学習意欲を高めるような指導の充実を図ってまいります。

 次に、平成17年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果についてですが、豊島区立小学校5年及び中学校2年の学力定着状況は、小学校では調査対象の4教科すべてで都の平均を上回り、中学校では調査対象5教科のうち3教科で若干下回る結果となりました。また、個々の観点別の学力定着状況では、例えば小・中学校とも理科の「知識・理解」は高いものの、国語の「書く」能力や、数学の「表現・処理」など改善すべき課題があると受け止めております。

 本調査の目的は、各学校が児童・生徒一人一人の意欲や理解の状況を把握し、それを指導方法の改善と充実に結び付けることにあります。教育委員会といたしましては、豊島区独自で実施をしている「基礎的・基本的な内容の定着等に関する調査」とも併せて、各学校における調査分析と授業改善プランの見直しについて指導してまいります。その際、昨年度は授業改善プランについて、私が直接校長からヒヤリングを行いましたが、今回は校長とともに副校長・教務主任等の教員からもヒヤリングを行い、各学校の教員全員で共通理解し、改善プランの実践に取り組むよう指導してまいります。

 次に「教育としま改革プラン21」への取組みと成果ですが、このプランでは、「学力向上プラン」として、例えば、個に応じた指導の充実を目指した「少人数指導」や「ティーム・ティーチング」を実施し、子どもたちにわかる授業と基礎・基本の徹底を図ることや、学ぶ楽しさややり遂げる喜びを味わう「水曜トライアルスクール」、コミュニケーション能力や表現力の育成をねらいとしている「小学校英語活動」を導入するなど、確かな学力の定着に向けた様々な事業を実施してまいりました。
 成果の一例として、ティーム・ティーチングや少人数指導では、「困った時、先生に質問がすぐその場でできる」「先生がすぐにノートを見てくれる」など、学習意欲の向上や指導と評価の機会が増えるなどの効果がみられています。これらの取組みは引き続き一層充実してまいりますが、教育としま改革プランの実施から4年を経過し、ややもすると取組みがマンネリ化になる恐れもありますので、現在、「教育としま改革プラン21」の実施状況を評価し、見直しを行っているところであります。
 「学力」とは、知識・理解はもとより、自ら学ぶ意欲や思考力や判断力、表現力を含めた力であり、数値では測りにくいものもあります。しかし、豊かな人間性と創造性に富む人間の育成を目指し、豊島区立学校のすべての子どもたちに確かな学力が身に付くよう、さらに努力してまいる考えであります。

 次に、小・中一貫教育についてのご質問にお答えいたします。
 まず、小・中連携教育についてですが、これまでも中学校とその学区域にある小学校が小中連絡協議会を開き、情報交換をするとともに、行事等で子どもたちの交流を行ってまいりました。それをふまえ、今年度新規事業として、学力向上や生活指導の安定を図るため小・中連携型一貫教育のモデル校を設置しました。池袋中学校と池袋第二小学校、千川中学校と要小学校、明豊中学校と千早小学校の3地域で、小・中学校共同の教材開発や授業研究などに取り組んでおります。
 今後は、モデル校の成果を踏まえ、豊島区独自の小・中連携型一貫教育を推進し、将来的には9年間を通したカリキュラム開発にも取り組んでいく考えです。

 次に、小・中学校の接続の際の問題行動についてですが、本区では、中学校入学をきっかけとする、いじめはほとんど発生しておりませんが、不登校は増える傾向にあります。そのため連携を進めていく目的は、教員同士が学習実態を互いに理解し合い、小・中の連携を踏まえた、わかりやすい授業の展開や、子どもたちの生活実態を理解し合い、望ましい人間関係の形成を図ることにあり、子どもや保護者の不安を軽減し、心配される課題を解消していくことをねらったものです。

 次に、部活動の体験入部についてのご質問ですが、先ほどのモデル校以外でも、小学校高学年児童の中学校部活動参加などがすでに行なわれており、中学校への期待を持つきっかけともなっておりますので、今後とも充実を図ってまいります。

 次に、出前授業や小・中合同授業についてのご質問ですが、小・中連携の中で中学校教員による小学校での授業にも取り組んでいく計画です。また、小・中合同授業は、カリキュラムの違いから困難ではございますが、例えば先日、池袋中学校で池袋第二小学校との合同朝会が初めて行なわれ、両校の子どもたちが、少し緊張しながらも、熱心に校長先生の話に聞き入っていたとの報告があり、行事などの連携も含めて、合同で行う教育活動の充実を図っていきたいと考えております。

 次に、特別授業としての「いのちの教育」の実施についてですが、ご指摘のとおり、生命軽視の風潮が懸念される社会において、子どもたちに命の重さや大切さなど生命の尊厳を実感させることは、大変重要であります。
 これらの指導は、すべての教育活動を通して行われるものでありまして、関係機関や専門家を招いた特別授業を児童・生徒の実態や発達段階に応じて行うことも効果的であると考えます。その際は、指導内容や使用する教材等につきまして、教育課程の適正な実施の視点から、校長の責任のもと十分に検討し、計画・実施するよう指導してまいります。

 また、昨年、「社会を明るくする運動」の中で、「命の大切さ」をテーマに作文募集があり、小・中学生の優秀作品の発表が豊島公会堂で行われ、大きな感動を呼びました。生命の尊さについては、子どもと保護者、さらには地域の方々とともに考え、理解し合うことが重要であり、今後とも関係機関等との連携を図りながら、「いのちの教育」を展開してまいります。
 以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する答弁を終わります。

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