此島すみ子の議会報告写真

議会報告Top  > 平成17年 - 第3回定例会

 議会報告 (平成17年9月27日 第3回定例会)

子どもたちが元気なとしま未来へ
  1. 行財政改革と街づくり
  2. 子どもの健全育成支援
  3. 介護保険について
  4. ホタルの里構想について

1.行財政改革と街づくり


このしま  多くの国民の皆様から改革路線が支持される結果となった先の衆議院選挙で私ども公明党は、不要な国の事業を洗い出す「事業仕分け作戦」をマニフェストに掲げ9兆円の歳出削減を訴えました。今後、改革の大前提として、この歳出削減に全力で取り組み、税金のムダづかいをなくして、これからも様々な改革に挑戦しながら、信頼される政治、安心で活力溢れる社会の構築に向け、真正面から取り組んでいく所存でございます。

 本日私は、公明党区議団を代表し、「子どもたちが元気な豊島未来へ」と題し一般質問いたします。

 はじめに、「行財政改革と街づくり」についてであります。

 いよいよ、人口減少社会を迎え、将来にわたって持続可能な社会制度の実現にむけて、本格的な改革が求められております。三位一体改革や地方分権の流れを正面から受けとめ、区民自身が自己決定、自己責任でよりよい地域社会をつくっていく時であることをひしひしと感じる毎日です。
 一方、都区制度改革の問題については、主要5課題の趣旨に即した解決を悉く否定するかのような東京都の姿勢に対して、今定例会で、区として意見書をあげましたが、さらに総力をあげ、地方分権の視点を踏まえた強力な取り組みを進めていく必要があると考えます。

 そこで、このような厳しい都区制度の流れの中で、今後都区協議においてどのように取り組んでいかれるのか、またこの5年間で370億円不足することに対しての、平成17年度を初年度とする、第2次財政健全化への取り組み状況はどうなのか、また今後どのような対応策を考えておられるのかお伺いいたします。

 さらに、本区におきましては、初めて一部枠配分予算方式を実施いたしましたが、その効果・メリット・デメリットを総括されておられるのか、これを踏まえて今後継続されるのかどうかについて伺います。「各セクションが主体的な取り組みを展開出来るシステムを構築出来る」というメリットが生かされるゆとりがあるのかどうか。心配しておりますので、お伺いいたします。

 先の衆議院選挙の争点とされた“改革”は、区政運営においても同様であります。必要な改革はスピードをあげて取り組まなければならず、行政は、区民へのサービスの量や質を確保するために、民間活力の導入や事業・政策に対する評価・改善を図りながら、新しい時代の行政のあるべき姿を追求していくべきだと考えます。

 また、これらの構造改革に加え、ソフト面の改革のスピードアップが必要であり、そのためにも、自治基本条例をきちんと定める必要性があると考えます。
 区民の方々が、地域と結びつくことによって柔軟で細やかな対応が可能となり、地域での支え合いが広がることを期待するものであります。このような活動が地域の活性化を促し、その活動によって提供されるサービスが区民の豊かさにつながるよう、期待しております。区長のお考えをお聞かせください。

 また区民ひろばの展開についてですが、多くの区民は、自分たちの地域に実際どんな施設があるのかが分かっていないのが現状です。すぐ目の前に住んでいながら、「中はこんな造りだったんですか?」と驚く人がいる位、意外と知らないのです。知らなければ、使うこともしません。
 前回の説明会では、全児童クラブに対する質問が集中し、ひろばが理解出来なかったような気がいたします。もう一度、施設見学会を含めた説明会が必要ではないでしょうか。お伺いいたします。

 さらに、区民の中には夜間の広場利用を希望する人が少なくありません。そこで、管理運営には一定のルールをもとに、地域区民ひろばの拠点を設け、自分たちで責任をもって鍵の開け閉めをするようにしてはどうでしょうか。お伺いいたします。

 ここでの質問の最後に、地元の街づくりについて伺います。

 旧千早中学校跡地に来年4月からオープンする新明豊中学校は、今着々と建設が進んでおります。そうなると、旧第十中学校もいよいよ廃校となります。

 そこで、将来総合グラウンドとして整備される方向が打ち出されておりますが、それはいつ頃なのか、また現在の校舎はそれまでの暫定期間中の利用についてどのようにお考えなのか伺います。

 現在豊島区は、旧朝日中学校を中心に芸術振興に取り組む非営利組織(NPO)と連携し、芸術や文化をテーマとした地域活性化に乗り出して成果を上げております。そして旧朝日中学校は、学校本来の機能を失うことなくさまざまなイベントを展開しており、子どもたちに自由に絵を描いてもらう「黒板車らくがき大会」や子どもたちと商店街の店主らによる商店街のPRフラッグの作成など大変好評を博したことを伺っております。

 そこで、旧朝日中が東の文化活動拠点であれば、こちらは、西の文化活動拠点として旧第十中学校を「千早創造舎」として利用させてほしいとの要望があります。もちろん地域開放委員会などの理解を得て、スポーツ拠点として完成するまでの暫定的利用として考えてみてはいかがでしょうか。校舎や体育館などそのままで、手を加えることなく再利用できます。長崎アトリエ村も近しい地域でもあり、「文化創造都市宣言」にふさわしく、人々がよりいっそう元気になれるよう地域再生法に基づく地域再生計画を展開してはどうでしょうか。区長のご見解をお伺いいたします。
ライン森

高野区長  ただいまの此島澄子議員のご質問に対しまして、順次、お答え申し上げます。

 第1のご質問は、「行財政改革と街づくり」についてでございます。

 初めに、主要5課題に関する都区協議の状況と今後の取組みについて、お答えいたします。

 主要5課題に関する都区間の協議は、平成15年3月から開始された実務者レベルによる3つの検討会が、本年7月に終了し、論点が整理されて、現在は、23区の助役会が中心となった「都区財政調整協議会」に協議の場が移されております。
 しかしながら、今なお、都区間の主張には大きな隔たりがあり、合意点を見い出せるような状況にはなく、一層、厳しい協議が続いております。そのような折に、23区の議長会が、去る8月12日、こう着状態が続く都区協議に断固たる姿勢で臨み、特別区の主張を貫き通す決意を表明され、これに呼応して、本区議会におきましても、会期の初日に、全会一致で意見書が採択されましたことは、何よりも力強いご支援と受け止めております。
 今後は、この採択を足掛かりとして、超党派で都議会にも強く働きかけるなど、23区が一丸となって、東京都に対し、基礎的自治体としてふさわしい自治権の拡充を強く求め、区長会として、また、区長として、来年2月から予定される「都区協議会」での最終決着を目指してまいりたいと考えております。

 次に、第2次財政健全化への取組み状況と今後の対応策に関するご質問につきまして、お答えいたします。
 本区では、これまで4年間の財政健全化計画の実施に取り組んできました。内部努力の徹底、事務事業の見直し、さらに、新たな歳入の確保策としての法定外税の創設など、一定の成果は見られたものの、一方で、多くの新規需要にも対応したため、肥大化する歳出規模を抑制することができず、結果として、特別な財源対策なき黒字達成という目標を成し遂げることができませんでした。

 このような反省点を踏まえて、昨年、策定しました「行財政改革プラン2004」は、「身の丈に合った持続可能な財政構造の確立」と「スリムで変化に強い行政経営」を目標として掲げました。これまでのような事務事業の数量的な見直しに留まらず、民間でできるものは民間へと、従来の業務運営方法を改め、行政の独占を転換する質的な改革に取り組むとともに、職員定数をさらに削減して人件費総額を抑制し、スリムで効率的な行財政運営の構築に努めてまいりました。
 平成17年度予算編成においては、事務事業の見直しに加えて、大幅な職員定数の削減、施設の民営化や指定管理者制度の積極的な活用などによって、今後5年間で200億円以上の財政効果を見込むことができます。

 今後も、この方向性をさらに推進するとともに、現在、歳出規模の実に4割を占める公共施設関係経費を抜本的に見直すために、公共施設のあり方をも含めた改革に取り組み、計画的に施設の再構築を進める必要があると考えております。

 次に、今年度予算から導入しました枠配分予算方式に関するご質問にお答えいたします。

 枠配分予算方式のメリットは、第1に、スクラップ・アンド・ビルドを徹底した予算編成が可能となること、第2に、コスト意識に立脚した職員参加型の予算編成となること、第3に、各部局の予算編成の方針が明確になり、財政状況の透明性が確保されること、などが挙げられます。

 この制度を導入したねらいは、現在の厳しい財政状況の下で、直接、サービス提供を担う各部局が創意と工夫を凝らして、区民要望に基づく政策目標を、より効果的に、効率的に実現することができる「権限委譲型組織」への移行を目指すことにあります。すなわち、この制度は、当該事業部門の予算編成から事業執行まで一貫して責任を負い、区民要望に適切、かつ、迅速に対応できる組織づくりに寄与するものと考えております。

 このような観点から、平成17年度予算の編成状況を見ますと、どの部局も概ね妥当な予算編成であり、また、事情の変化に応じた予算の流用や転用も適切に行われていると評価しております。

 一方、デメリットとしては、区の基本政策との整合性をどのように確保するか、また、予算執行の事後評価をどのような仕組みで行うか、といった課題が残ります。

 しかし、これらについても、事前にトップマネージメントによる審査の機会が用意され、また、事後評価については、外部委員を加えた行政評価制度を活用することで、将来的に、予算編成の質も高まるものと考えております。

 また、此島議員がご懸念の、各部局にとって、主体的な取組みが可能なほどの「ゆとり」があったかどうか、という点につきましては、厳しい財政難のなかで、限られた財源の配分には相当の苦心があったものと思います。また、この制度導入の初年度でもありましたので、枠配分予算は全体の13%程度に過ぎなかったために、各部局にはスケールメリットとなるような自由度がなかったと思います。
 今後は、各部局の主体的な取組みが一層可能となるように、枠配分をさらに拡大し、政策決定が必要な政策的経費、事業の規模と内容を詳細に査定する必要のある投資的経費や情報化推進経費などの例外を除いて、原則として枠配分することとし、少なくとも予算の過半は枠内予算とする方向で検討したいと考えております。

 次に、自治基本条例の制定についてのご質問にお答えいたします。

 本格的な分権社会に向け、国から地方へと、権限と財源の移譲が進んでおり、今後もその傾向は、ますます加速するものと予想されます。
 中央官庁が決めた政策と補助金に基づき、地方が事業を推進するというような従来のシステムを転換し、地域社会の自己決定・自己責任を基本としたシステムへ移行していくこと、そして、住民により近いところで地域特性を踏まえた政策を決めていくことが地方分権の真意であります。権限と財源の移譲により、区政や地域のまぢつくりに対する区民の関心も、大きく高まっていくことが期待されるのであります。

 移譲された権限と財源を活かし、地域における主体的な政策形成を実現することができるかどうか、まさに政策づくりにおける都市間競争が激しさを増す時代なのであります。そして、こうした政策形成を可能とするもの、それは地域を舞台に活動する多様な主体との協働であります。一人ひとりの区民、町会、商店街、NPO、企業、大学、そして行政が、地域の課題や情報を共有し、相互に連携を図ることで初めて、地域の活性化に結びつく政策形成が可能となるのであります。

 その基盤となるのがまさに住民自治であり、自治のさらなる発展に向け、必要な規範を定めるのが「自治基本条例」であります。区民に開かれた区政を実現し、幅広い参加と協働に基づくまちづくりを進めることは、私、区長としての公約であり、政治信条であります。

 私は、7年前区長に就任する際、「開かれた区政」「透明度の高い区政」「区民との協働の区政」を公約として掲げ、それを進めてまいりました。今でもその実現に向けて常に最大限の努力を続けたいという姿勢に、いささかの変更もございません。  それだけに議員のご指摘を踏まえ、是非とも幅広く区民の皆さまの期待に応える「自治基本条例」の制定を実現してまいりたいと考えております。

 次に、地域区民ひろばについてのご質問にお答えいたします。

 まず、説明会の開催についてお答えいたします。地域区民ひろば構想につきましては、昨年の4月から11月にかけまして、延べ68回の小学校区別説明会を開催し、1808名の区民のご参加をいただきました。ご指摘のとおり、説明会におきましては、全児童クラブに関するご質問が多く、地域区民ひろば構想や地域の施設利用に関しましては、必ずしも十分なご論議をいただいたものとは考えておりません。

 このため、モデル実施をスタートいたしました4月以降も、地域区民ひろばガイドの発行、「広報としま」によるPR、地域交流事業の実施、ひろばコンサートの開催、ニュースの発行や地域懇談会の開催など、地域の区民のみなさまに、地域区民ひろば構想や施設利用についてのご理解を深めていただけるような取り組みを進めてまいりました。

 このような取り組みの中で、区民の方々の発案による新たな交流事業の実現や運営協議会設立に向けてのご提案など、地域区民ひろばに対する区民のみなさまの積極的なご意見も出されており、着実に理解が進んでいるものと考えております。

 今後の本格実施に向けましては、議員のご提言も踏まえ、可能な限り施設の状況をご覧いただきながら、区民のみなさまに、より一層のご理解をいただけるよう、説明会や地域懇談会に精力的に取り組んでまいります。

 次に、施設の夜間の管理についてのご質問にお答えいたします。

 地域区民ひろばは、地域において、人と人とが出会い、知り合う機会が減り、異世代間の交流も難しくなっている中で、地域における人と人とのつながりを広め、改めて地域の力を強くしていこうという試みであります。
 特に、今後の地域活動の担い手となる「団塊の世代」といわれる方々が、スムーズに地域に溶け込めるよう、交流の場、活動の場を確保していくためには、夜間の施設利用が極めて重要となります。

 地域区民ひろばは、地域のみなさまによる自主管理、自主運営をめざしておりますことから、夜間の施設利用につきましては、経費負担を抑えつつ、利用の拡大を図る観点から、地域主体の管理、運営を推進してまいりたいと考えております。  したがいまして、ご提言にもありますように、施設の開閉を含めた自主的な管理と運営が可能な地域から、夜間の施設利用を進められるよう、具体的な検討をしてまいります。

 次に、現「明豊中学校」跡地についてのご質問にお答えいたします。

 まず、総合グランドとして整備する時期についてのご質問でございます。

 現「明豊中学校」である旧「第十中学校」跡地の活用につきましては、すでにご案内の「公共施設の再構築・区有財産の活用(本部案)」においてお示しをしております整備方針と現時点で変更はございません。また、その整備時期につきまして、明示することは、現時点で大変難しい状況でございます。

 次に、跡地の本格活用までの間の暫定利用についてのご質問にお答えいたします。

 現在、埋蔵文化財につきましては、複数箇所に分散した状況となっており、これを集約することが必要とされることから、校舎部分におきましては、こうした文化財等の保管庫としての活用を検討しているところでございます。また、校庭の一部につきましては、自転車の保管所として使用する予定となっておりますが、テニスコートならびに体育館につきましては、利用が可能でございますので、地域の皆様のご要望等を伺いながら、開放事業のあり方を検討してまいります。

 さらに、校舎において残余となるスペースにつきましても、文化芸術団体等の皆様からご要望がある場合には、積極的に対応してまいりたいと考えております。現在、旧朝日中学校の跡地暫定活用の文化事業は、大変に好評で、地域活性化に役立っております。この事例を生かしていこうと思います。

 こうした取り組みが、地域再生計画の展開へとつながることは、大変に素晴らしいことでございますので、今後の有効活用のあり方について、さらに検討を深めてまいります。

 なお、その他の質問につきましては、関係部長から、教育委員会の所管に属する事項につきましては、教育長から、答弁申し上げます。

このページの最初に戻る


2.子どもの健全育成支援


このしま  第2の項目として、子ども育成支援施策について質問いたします。

 行動する未来学者、へイゼル・ヘンダーソン博士は、子育て・家事・ボランティアを通して「女性の労働は愛の経済である。生産の結果より、過程に価値がある。」と言われました。私も、本当にその通りだと実感しております。多くの方々が、子育てに生きがい・価値感・幸福感を感じられる社会にしていきたいものだと考えます。

 公明党が提唱する「チャイルドファースト社会」とは、子育てを社会の中心軸に据えて、女性が安心して子どもを産み、育てることのできる“人にやさしい社会”を目指しています。

 そこで本区における“子どもの健全育成支援策”として4点にわたり順次質問して参ります。

 はじめに「無料保育切符の配布」についてです。

 生後4ヶ月から就学前までの子どもを在宅で保育している家庭を対象に、日頃子育てに追われているおかあさんの育児の疲れを解消したり、気分転換をしてもらうために保育園などで利用出来る一時保育切符・子育て応援切符「パパ・ママリフレッシュ切符」を出産時に配布してはどうでしょうか。

 在宅で子育てする世帯は孤立しがちです。地域内のコミュニケーションを促したり、親の孤立感や不安感を薄めたりする施策が必要だと考えます。
 子どもを預かる場所としては、公立保育園の枠は常に余裕がないところから、ファミリーサポーターが近隣の保育園(や児童館)で一緒に保育するというのはいかがでしょうか。在宅における子育て支援がこれまでほとんどなかったわけですから、無料で利用できる券を発行するなど、目に見える形で支援すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
ライン森

横田子ども家庭部長  まず、無料保育園切符の配付についてのご質問にお答えいたします。

 核家族化の進展、近隣関係の希薄化等により、在宅で子育てを行う家庭への支援が重要になっていることにつきましては、十分に認識しているところでございます。

 ご指摘のとおり、現在、在宅子育て家庭に対する支援につきましては、保育所利用世帯と比較いたしますと、公費負担に大きな差があるのが現状でございます。

 ご提案の無料保育切符は、地域における子育てや保護者負担の軽減という観点から、有効な施策であると思われますが、現在のファミリー・サポート事業の援助会員数が限られている現状での実施は、非常に難しいと考えております。

 したがいまして、現在実施しております一時保育事業におきまして、その対象年齢の拡大を図ることや実施場所の拡充など、制度の一層の充実に努め、また、区民ひろば機能の一つであります子育てひろばの積極的な展開を図り、在宅子育て世帯に対する支援をさらに充実してまいりたいと考えております。
ライン森

このしま  2点目に「食育のすすめ」について質問いたします。

 「子どもたちが缶ジュース1本飲むことは、スプーン15杯も砂糖を入れて飲むのと同じこと」とは14年前の話題であり、小中学生の約半数が“生活習慣病予備軍”という実態を受け、学校検診に糖尿病早期発見の「尿糖検査」が義務付けられました。しかし未だ栄養の偏り・不規則な食事などで、肥満や生活習慣病が増えていることに変わりはありません。

 話は変わりますが、厚労省は、国民総医療費が毎年ほぼ1兆円のペースで増え続けているところから、このまま増え続ければ、医療機関での窓口負担を現在の3割から6・7割、高齢者の窓口負担も1割~4・5割に引き上げることになるという試算を3月に示しました。

 欧米では、国家的プロジェクトにより、これまで増え続けたガンや心筋梗塞による死亡率をストップさせることに成功しつつあるようですが、日本の食生活に関する問題は、30年前の米国と類似しており、24時間サービスの豊かさと便利さの大衆化が進んだ結果、肥満、高血圧、ガンや糖尿病などが増えて、それが医療費を押し上げ、また荒れる、キレル、引きこもるなどの子どもの問題行動も激増しているとも言われます。
 このような状況の中、日本でも米国のように生活習慣病を減らせば医療費も減らすことが出来、国民の負担を軽くすることが可能になるということもあり、先月15日、国や自治体、学校などで、食育運動の展開を定めた「食育基本法」が施行されました。

 食育は最善の予防医学であり、健全な社会をつくる土台とも言われ「食育がしつけの基本」であった明治の終わりから約100年、今ようやく“食育維新”が起こりつつあります。

 3年前、豊島区生活産業課 消費生活センターの実施した、「区内小学生の食生活と健康」についてのアンケートによりますと、配布数786枚、回収率約7割の中で一番驚かされたのは、外食・コンビ二弁当は、1週間に1回から3回利用すると、答えている人が6割に近く、またメニューを決める時に一番重視する点は嗜好であり、カロリーについては、ほとんど重要視されていない状況でした。

 欧米では「食べ物があなたです」とか「何を食べたかで生活と人生は決まる」などのスローガンを掲げ、幼児の教材やテレビ番組で子どもに直接呼びかけているとのことです。

 そこで、21世紀を担う子どもたちの健康・学校での食育を考えるために、私は愛知県の西尾市立寺津小学校を視察してきました。ここでは、児童・生徒が「食べることへの感謝がない、好き嫌いが多い、食事を残す、つくれない」などの実態を踏まえ、総合学習の時間を使って昨年から食育科授業に取り組んでおります。
 食事を通して自ら健康管理ができることを目標として、担任教諭と栄養職員とのティーム・ティーチングによる食育科の授業です。また、調理活動の実践に親子で取り組むことによって、保護者の意識を高め、家庭における食生活の改善を図っています。

 実施してわずか1年で、学校においては給食の食べ残しがなくなった。子どもに落ちつきが出てきた。学校の食育授業で家庭の食事の栄養バランスまで改善されて来ているという成果が出ているとのことでした。

 本区におきましては、それぞれの学校に栄養士が配属され、給食現場でのさまざまな努力の中で、子どもたちにも喜ばれる学校給食が実施されておりますが、学校教育法が改正され、学校における食育の推進を図るため、栄養教諭制度の創設ということで、すべての学校に栄養教諭を置くことができるようになりました。
 学校教育現場の中で、子どもたちに食事や栄養の必要性を教え、伝えていく上で重要な役目だと考えます。そこで、本区の給食の状況・残菜について、また栄養教諭の今後の授業の取り組み方や対応についてどのように検討されるのかを伺います。

 また食育についての絵本を保育園、幼稚園、学校などで子どもたちの目に触れるようにしたり、保育園や小学校などでモデル事業として行ってはどうでしょうか、合わせてお伺いいたします。

 また、「食べ物を残さず食べる」ということでは、耕す、育てるという活動により、収穫の喜びや苦労を学び、食べ物を残してはもったいないという精神を学ぶためにも、田植えをしたり、野菜を育て、収穫したものをみんなで喜んで食べるという作業が大変大事になって参ります。そこで、現在全国展開されております都市農村交流、子ども農業体験学習を移動教室などで、実施してはいかがでしょうか?

 本区でも一部実施されているようですが、農村などの自然の中で、3~4人づつ農家に泊まりながらお手伝いをすることで、たった1泊でありながら多くのかえ難い体験をつかんでいる話を伺っております。

 ぜひ、本区の子どもたちにも体験の場をと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
ライン森

日高教育長  まず、本区の給食の状況・残菜についてのご質問についてお答えいたします。

 本区の給食の献立は、一汁二菜を基本としています。週5回の給食のうち、3回は米飯給食を実施し、栄養のバランスを考えることはもちろん、子どもの状況にあわせて、見た目に工夫を凝らし、旬の食材を用いたりしています。また、日本の伝統食や郷土料理、外国の料理を取り入れるなど、工夫を凝らした献立を栄養士が作成し、食材の購入についても、各学校ごとに契約をするなど給食の向上に努めております。その成果として、毎年、文部科学省や東京都の学校給食優良校としての表彰を受ける学校を出しております。

 次に、給食の残菜についてですが、平成16年10月の学校給食残菜量の調査では、残菜の総平均は小学校7.50%、中学校9.97%と、小・中ともに1割弱となっており、概ね適量を食べていると考えています。また、毎日、栄養士が子どもの食事の様子や残菜を確認して、献立の改善に努めております。

 次に、栄養教諭を活用した授業についてのご質問にお答えいたします。

 本年度から、栄養教諭の制度が開始され、福井県と高知県で配置されました。東京都では、本年度は配置しておりませんが、栄養士が栄養教諭の資格を得るための免許法認定講習会を実施しているところであります。

 豊島区立の小・中学校におきましては、栄養士と担任とのティームティーチングによる食育の授業が積極的に行われております。また、栄養士と養護教諭が連携して、朝食を摂ることの大切さや噛むことの大切さの指導などをしております。今後、栄養教諭の配置がなされるまで、議員ご指摘の「食育は最善の予防医学である」という認識に立ち、食育についての特色ある取組みや、栄養士を中心にした学校給食の研究会の取組みを各学校に広めるなど、食育をさらに推進してまいります。

 次に、食育についての絵本の活用やモデル事業の実施についてのご質問についてお答えいたします。

 保育園や幼稚園では、絵本や紙芝居、ペープサートを使い、食に関するお話を聞かせ、いろいろな野菜を知ることをきっかけに、野菜や果物の栽培を行っています。保育園ではその食材を用いた給食を実施したり、幼稚園ではカレーやサラダを作ったりして、園児全員で食べるという活動を行っています。小学校においても食に関する絵本をさまざまに活用しておりますので、今後とも食育についての絵本等の充実を図るよう指導してまいります。

 また、モデル事業の実施についてですが、小・中学校におきましては朝食を摂ることと学力向上についての関連が指摘されております。朝食を摂ることについては、小・中学校のPTA連合会が保護者に対して啓発運動を展開しており、教育委員会といたしましても、「かんたん朝ごはんレシピ」をホームページに載せるなど食事の大切さを訴えております。このような観点からも、今後、食育を充実させるためのモデル事業の実施について検討してまいります。

 次に、都市農村交流、子ども農業体験学習の移動教室などでの実施についてのご質問にお答えいたします。
 農業体験や栽培体験につきましては、働く喜びや食べ物への感謝などの心を育てる有意義な活動であると考えております。都市農村交流や子ども農業体験学習事業ではありませんが、文部科学省の「豊かな体験活動推進校」である仰高小学校では、宿泊体験を実施し、田植えや稲刈り、酪農体験を行っております。
 また、巣鴨北中学校では、移動教室の中で、野菜や果物を収穫したり、酪農体験やビニールハウスの補修をしたりするなど、班ごとに分かれて農家で働く体験活動をしております。
 また、椎名町小学校と山形県遊佐町との交流から始まった米作りの体験は、区内のほとんどの小学校に広がっております。池袋第二小学校では、隣接の防災広場の土地を借りて、米や野菜作りに取り組むことから、食に関する指導を展開しております。
 今後とも、数多くの交流都市の協力を得ることや、移動教室等の宿泊生活を含め、学校内や隣接地域を活用した農業体験や栽培体験の実施及び、食育の充実について、各学校に助言してまいります。
ライン森

このしま  3点目の質問は「竹岡健康学園について」であります。

 健康学園は戦前に臨海学校として開校し、終戦直後には疎開学園として、また公害が社会問題化した高度成長期には喘息の児童らが療養する施設として、時代とともに、その形を変えて来ました。
 現在は、現代病とも言える肥満、偏食、アレルギーなどに悩む小学3年から6年までの児童が健康回復のためにというケースが多いという実態ですが、これまで23区のうち3区を除く20区が設けていた健康学園も、財政難に加え、対象となる利用児童数の減少で、多くの区が廃園をしてきております。

 本区におきましても「竹岡健康学園の今後のあり方検討会」についての答申が出され、来年度の利用児童数によっては、廃止を含めた結論を出さなければならない状況にあります。

 そこで伺いますが、運営上の経費については、来年度の東京都の財調の見込みはどうなっているのでしょうか。

 2点目に、竹岡健康学園も今年創立70周年を迎え、学校の様子や子どもたちの生活状況を広く知らせるためのさまざまな努力をされておりますが、来年度の利用児童数の予想状況をお伺いいたします。

 3点目に、どんな状況下でも、持続しなければならない事業というのはあると思いますが、健康学園の目的からすると、肥満や喘息など健康上の課題がある児童の対象者数は依然として多いことに変わりありません。それを考えると、竹岡に行ける子どもだけでなく、これらの課題を抱えた全ての児童が参加し易い健康施策が必要であると考えますがいかがでしょうか。

 子どもたちの健康上の課題となるものの多くは、喘息以外では主に、肥満であり・偏食・虚弱であります。これは、現在の健康学園でも実施されているように、先ほどとりあげた“食育”にしっかり取り組むことで対応出来るのではないでしょうか?

 ただ、現在の健康学園の良さは、その卒業生や関係者が語るように裏に山、表に海、そしてたくさんの木々や草花に囲まれた自然いっぱいの所で、親元を離れての集団生活ときちんとした健康管理の教育があり、しかもその性格上、大人のプランに子どもを合わせるのではなく、“子どもに合わせた”教育指導がされているというところであります。その面では考えさせられるものがあり、本当に求められる教育改革がなされるべきだと考えます。

 私たち公明党議員団は、先日、都立久留米養護学校を視察して参りました。

 都立でただ一つ病弱な児童・生徒を受け入れている養護学校で、自然に恵まれた校舎の回りを散策すると、何と1.5キロ、東京ドームの1.5倍の敷地に建てられた校舎はため息の出るほど素晴らしい造りでしたが、練馬・板橋の子どもが多いのに比べ豊島区から来ている子どもが一人もいないということは不思議な気がいたしました。

 ここは肥満の児童もおりましたが、病気や身体が弱いため通常の学校生活に制限がある子どもたちばかりでした。

 豊島区の対象者に充分情報が行き届いているのでしょうか。お伺いいたします。

 4点目は、東京都の健康学園に対する考え方であります。

 東京都が財調をなくす方向にあるのであれば、23区で一箇所でも東京都が責任をもって、海のそばなど自然に恵まれた場所を確保することにより、課題を抱えた児童生徒を受け入れられる施設を確保してもらえるよう東京都に要望していってはどうかと考えますがいかがでしょうか。お伺いいたします。
ライン森

日高教育長  次に、竹岡健康学園についてのご質問にお答えいたします。

 はじめに、運営上の経費についてですが、平成16年度は、管理運営費や人件費など1億3千2百万円がかかっております。なお、財調につきましては、16年度・17年度とも、ほぼ同額が措置されております。

 また、来年度の東京都の財調の見込みについてのご質問でございますが、健康学園の財調算定については、平成16年度までは「養護学園数」を測定単位として算定されておりましたが、区立養護学校や健康学園が平成9年度までは20園あったものが、現在9園に減少したことにより、平成17年度からは、各区の状況に対応した「態容補正」として措置されるように推移してまいりましたが、平成18年度の財調の見込みに関して、特段の変更はないようでございます。

 次に、来年度の利用児童数の予想状況についてのご質問にお答えいたします。竹岡健康学園の本年度当初の在籍数は19名で、9月1日現在21名となっております。また、平成16年度当初は18名で、9月1日現在では21名でございました。この数値は、過去数年同様の状況でございますので、来年度以降も、同程度の利用者数が見込まれると予想しております。

 次に、課題を抱えた全ての児童が参加しやすい健康施策についてのご質問にお答えいたします。子どもたちがたくましく生きていくためには、心身の健康の保持増進が極めて大切であり、健康や体力は生きる力をはぐくむ基盤であります。これは、竹岡健康学園の子どもたちにとっても、また、区内の子どもたちにとっても重要なことであります。
 ご指摘のとおり、子どものころから適切な食事や運動の習慣を身につけることにより、将来の生活習慣病を予防することができるものであり、家庭との連携を図りながら、食育と体育健康指導の充実に努めてまいります。

 次に、久留米養護学校の情報の周知についてのご質問にお答えいたします。豊島区では毎年2学期に、各小・中学校に久留米養護学校の案内冊子を配布し、該当する子どものいる家庭にお知らせできるようにしております。また、竹岡健康学園から中学校への進学に際し、健康上の課題が残っている児童に対しては、個別に案内をしているところであります。

 なお、現在、豊島区の児童・生徒が久留米養護学校に在籍していない理由としては、久留米養護学校の入学対象となるような長期の医療行為の必要な児童がいないことがあります。また、喘息や肥満の課題のある児童は、竹岡健康学園に在籍し、中間帰省や移動教室への参加など地域の学校とのかかわりをもち続けたいという意向があるものと考えております。

 次に、施設の確保を東京都に要望することについてのご質問にお答えいたします。東京都では、静岡県沼津市にあった片浜養護学校を平成15年度末に廃止し、久留米養護学校と統合いたしました。その理由としては、結核などの転地療養型施設のニーズが少なくなり、児童生徒数が減少したことであると聞いております。

 財調についての今後の方向は、現段階では不透明でございますが、区立養護学校や健康学園が減少している状況の中で、自然に恵まれた場所を活用した、健康に課題のある児童生徒を受け入れる施設は必要でございます。財調がなくなる際には、新たな施設の設置を東京都に要望すべきという議員のご意見は、私もその通りであると考えております。
ライン森

このしま  子ども育成支援施策、4点目の質問は、「地域合宿について」であります。

 第8地区の青少年育成団体が主催で、西部区民事務所を利用して毎年実施される、“わいわいキャンプ”は今年も申込みが殺到して、80人のところに220人が集まり抽選となりました。この催しのそもそもの始まりは、阪神大震災の防災の教訓であります。人間関係の希薄が叫ばれる中、同じ地域の子どもたちがともに、グランドで飯盒炊爨の食事をし、みんなで銭湯に行き、公衆マナーを学び、テントで寝泊りします。

 毎年暑くて眠れず、「もう来年はいやだ!」と言うかと思えば、「また来年も絶対来る」と子どもたちは言うのです。みんなとっても楽しんで帰っていきます。

 地域合宿は、この連泊パターンとでも言いましょうか、年齢の異なる小学生が地域の施設で数日間、寝食を共にしながら学校に通うこの「地域合宿」への取り組みが全国に広がっております。
 親元を離れて共同生活をしながら、買い物、炊事、掃除、洗濯などの生活体験を子ども同士で相談しながら行うもので、核家族化、少子化が進む一方、子どもたちの生活体験、“生きる力”などを育むのが大きな狙いで、日頃の親子関係を見直すことでの“家庭の教育力”向上や地域ボランティアの参加による“地域の教育力”向上もめざしております。

 この地域合宿の場所としては、高齢者ことぶきの家・社会教育会館・児童館など給食調理室のある施設で、20人位づつ6~7人の班に分かれて行っており、ボランティアも地域住民が中心のものや大学生が中心のもの、高校生も加わるなどいろいろなパターンで行われており、次第に地域の人々による自主運営の方向に移行させているところもあり、いろんな成果・効果が見えております。

 地域合宿の目的にも通じる青少年育成委員会の活動でキャンプや野外活動はどのように取り組まれているのでしょうか。

 親元を離れて異年齢集団で生活体験することにより、自主性・協調性を高め、子どもの生きる力を育み、子どもと離れて暮らすことで、日頃の親子関係も見直されるというものです。

 豊島区は自然には恵まれませんが、施設には恵まれております。身近な施設を価値的に使い、子どもたちにどう豊かな体験の場を提供出来るかは、私たち大人の責任です。

 地域・保護者・行政が協力し合い、このような体験学習を積極的に取り入れて欲しいと考えますがいかがでしょうか。区長の前向きな答弁を期待いたします。
ライン森

横田子ども家庭部長  次に、「地域合宿」についてのご質問にお答えいたします。

 青少年育成委員会の「キャンプ」や「野外活動」の取り組みについてでございますが、12地区、すべての青少年育成委員会で、日帰りや合宿でこのような事業が展開されておりまして、大変大きな成果を上げていると、高く評価致しております。

 具体的な内容は、学校の校庭やプレーパークを利用した「宿泊キャンプ」、あるいは学校の家庭科室を利用した「子ども料理教室」、また、区外の施設を利用した「自然体験学習」や「野菜の種まきから収穫までの体験」等、多彩な事業が行われております。このような地域団体主導の事業は、ご指摘の通り、子どもの自主性・協調性を高め、子どもの生きる力を育み、地域の活性化にも繋がっております。

 また、これらの地域の宿泊事業等に、数年前、参加した小学生が、現在、高校生や大学生になり、ボランティアでリーダーとなって、様々な地域活動に参加する等、頼もしい成果も見られております。ご提案の「地域合宿」は、ただ今、申しあげました通り、全地域で実践されております「キャンプ」や「野外活動」等の検証からも、子どもが自立していく過程で、大変有効であると考えております。

 したがいまして、区と致しましても地域の関係団体のこれらの取り組みを今後も積極的に支援して参りたいと考えております。また、ご指摘のように、保護者に対しましても地域活動やボランティア活動への積極的な参加を促し、より多くの参加者のもとに地域の特性を活かした子どもの健全育成へと発展するよう、取り組んで参りたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。
ライン森

このしま  この項目の最後の質問は「一般区民の聴講制度」についてであります。

 昨年9月には「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が施行され、コミュニティースクールが制度化されました。
 地域に開かれた学校づくりを目指す自治体が増え、様々な取り組みが話題を呼んでおります。今年2月には多くの学校が指定を受け、さらに平成18年度には、146校以上になると予想されております。こうした公立学校の運営に地域の人たちが参画するしくみが出来つつある中、愛知県扶桑町では、地域住民が希望すれば、自由に授業を受けられるという全国初の「小中学校聴講制度」をスタートさせました。
 地元の高齢者などが子どもたちと同じ教室で、授業を受け、希望すれば給食も実費負担で食べられます。この制度が子どもたちにも意外な効果を生んでおります。

 聴講生の最高齢者は80歳。生涯学習と学校教育を開かれた学校づくりの中で実現した事により、教職員にとっても授業での緊張感が増し、さらには、学校施設内での防犯効果も期待されています。
 予算をかけることなく、生涯学習を推進して、地域の教育力を高め、さらには、開かれた学校へとつなげられる「一般区民の聴講制度」は、大きな効果が期待できるものと考えます。教育長のご見解をお聞かせ下さい。
ライン森

日高教育長  次に、一般区民の聴講制度についてのご質問にお答え申し上げます。

 ご提案の、住民が希望すると公立の小・中学校で自由に授業が受けられる仕組みの聴講生制度は、愛知県扶桑町で平成12年度に開始したほか、福岡県那珂川町においては本年9月から始まり、現在では、全国で2つの自治体で実施されています。

 この聴講生制度は、開かれた学校づくりの視点から有効な取り組みと考えています。教育の現場に地域の方々が参画することは、学校への理解を深め、地域と学校との協力関係の拡大につながるものと認識しております。また、この制度は、子どもたちと地域の方々との世代間交流を通した教育効果が期待できるとともに、学校教育が生涯学習の場として活用され、地域の教育力の向上にも寄与するものと考えます。

 本区における地域の教育現場への参画は、様々な分野で活躍している地域の人材が、総合的な学習の時間などで、子どもたちを直接指導するなど、区立小・中学校全校で活発に行われています。

 これからの学校づくりに向けては、これまで以上に地域の方々が数多く学校に参画できる取り組みが極めて重要であります。ご提案の聴講生制度でございますが、まだ全国でも事例が少なく、導入につきましては、先行自治体の実施状況の検証を踏まえ、検討して参りたいと考えています。

 以上をもちまして、此島澄子議員のご質問に対する答弁を終わります。

このページの最初に戻る


3.介護保険について


このしま  次に介護保険について質問いたします。

 5年に一度の見直しによる今回の法改正では、介護や支援を必要としない元気な高齢者を増やし、今後も介護保険を円滑に運営し続けていくことを目的としており、特に住み慣れた地域での生活を支援する体系を確立することが求められております。24時間対応可能な訪問介護や宿泊も出来るデイサービスなども地域の特性に応じて介護保険で認められるようになるということで、地域密着型のサービスの創設等が挙げられております。
 本区においても、3月に出されましたアンケートの調査結果を参考に、介護予防サービスに向けた取り組みと展望についてお伺いいたします。

 はじめに、これまであった社会福祉施設整備等補助金を見直す中で設けられた地域介護・福祉空間整備等交付金を活用した今後の取り組みについてですが、介護予防事業をする上で、拠点の拡充は欠かせません。また、この交付金の対象事業として、宿泊ができて、通所ができる、そして利用者への訪問も実施するという小規模多機能型拠点等のいわゆる地域密着型サービス拠点が示されておりますが、この交付金の有効活用をどのようにお考えかお伺いいたします。

 2点目に、総合的な相談窓口となる地域包括支援センターの整備、新予防給付の計画・管理・地域支援のため、介護予防マネジメントの実施体制、介護予防サービス提供事業者の指定と準備期間の確保のために、その施行時期については2カ年の延長も可能となっていますが、本区ではどのようにお考えでしょうか。

 3点目に、地域支援事業についてはその対象者、いわゆる介護予備群と言われる方々は、高齢者人口の5%と言われております。本区においては約2300人位になると思いますが、サービス量が決定すれば、おのずと介護保険制度内の地域支援事業を利用する人数は限られます。本区の場合はいかがでしょうか。また介護保険の利用料は1割ですが、地域支援事業の利用料負担についても伺います。

 4点目に、地域包括支援センターの運営については、公正・中立を確保する観点から市町村の責任を明確化するとともに、地域に根ざした活動を行っている在宅介護支援センターの活用を含め、地域の実情に応じた弾力的な設置形態を認めることという1項目が入りましたが、地域包括支援センターのありようは介護予防事業における大きなポイントとなります。
 介護予防コーディネーターの役割は、介護予防という考え方を地域の中へより浸透させるとともに、行政と高齢者へのパイプ役となり、きめ細かく情報を伝え、さまざまな事業への参加を促し、高齢者のもてる力をいかに引き出せるか。また対象者にとって、いかに魅力ある事業にしていくかが重要だと考えております。何より取り組む人容と意気込みが求められますがいかがでしょうか。お伺いいたします。

 介護保険制度発足後初めての制度改革の年に当たり、制度導入時同様、スタートまでには多くの御苦労が想定されます。しかし、事業の成否のかぎを握るのは運用に当たる自治体であります。
 高齢者等の皆様が住みなれた地域で、希望を持って安心して暮らせるよう、また若い時とは違う第2・第3の人生を少しでも生き生きとした高齢期が送れるよう御尽力をお願いいたします。
ライン森

川向保健福祉部長  次に、介護保険についてのご質問にお答えいたします。

 まず、地域介護・福祉空間整備等交付金の有効活用について、でございます。

 介護が必要になっても住み慣れた地域での生活が継続できるよう、改正介護保険法により、今後、本区においては、小規模多機能型居宅介護や認知症高齢者グループホームなどの「地域密着型サービス」の拠点と介護予防拠点等の基盤整備を、民間の力を活用しながら進めることとなります。

 その整備に当たっては、新たに設定いたします3つの日常生活圏域ごとに、それぞれ3年間の整備計画を今年度以降に順次策定し、地域介護・福祉空間整備等交付金の活用を図ってまいります。

 この交付金は、従来の施設単位の補助とは異なり、区市町村の裁量により弾力的な執行が可能であり、1圏域につき1億円を上限としているものでございます。

 この交付金を有効活用することにより、圏域ごとに必要となる、例えば24時間対応の訪問介護や訪問型の介護予防サービス事業者等を誘致したいと考えております。

 整備内容やサービス見込量につきましては、日常生活圏域ごとの高齢者の実態や、先般実施しました介護サービス事業者調査の結果を踏まえるとともに、介護保険事業推進会議の委員の方々からもご意見をいただきながら検討してまいります。

 次に、本区における改正法の施行時期についてのご質問にお答えいたします。

 改正介護保険法については、平成18年4月施行が原則となりますが、地域包括支援センターの体制が整わない区市町村は、改正内容のうち、介護予防に関する事項については、準備が整い次第、平成20年4月1日までの間に、条例で定める日から施行することができるとされております。
 本区といたしましては、区の介護予防施策を更に本格化させ、重点施策である健康政策を一層推進させていく観点から、改正法の施行時期は延期せずに、平成18年度から実施してまいります。このため、平成18年度から実施する次期介護保険事業計画の策定作業を現在、鋭意、進めているところであります。

 また、これに合わせて、来年度の施行に必要となる、総合的に介護予防のケアマネジメントを行う地域包括支援センターの設置、民間事業者の参入を踏まえた介護予防サービスの必要量の確保や、要介護認定審査の改定、及び地域密着型サービス事業所の指定などの準備について万全を期するよう、今後、取り組んでまいる所存であります。

 次に、地域支援事業についてのご質問にお答えいたします。

 まず、対象者の数でございますが、ご指摘のとおり約2,300人と考えております。平成18年度からの3年間で順次、これらの方を対象とした事業展開をしてまいります。

 また、地域支援事業の利用料負担については、この事業が介護保険会計の中で運営されるものであり、一割負担を原則としております介護サービスとの公平性の観点から、参加者の方には一定程度のご負担を戴く予定でございます。
 今年度、法改正に先駆けて実施しております筋力向上トレーニング事業についても、1回300円とし、3ヶ月で24回、合計7,200円の利用料を戴いております。来年度からの利用料につきましては、現在、実施している事業の利用料や、今後、それぞれの介護予防事業にかかる経費や他区の状況を勘案し、また参加者の参加意欲を損なわないようにも配慮しつつ、平成18年度予算確定の時期までに決定してまいりたいと考えております。

 次に、地域包括支援センターの運営についてのご質問について、お答えいたします。センターが、地域の高齢者の健康や福祉の増進の拠点として有効に機能するかは、それに携わる陣容と意気込みにかかっていると考えております。

 センターには、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が従事いたしますが、それぞれの職員につきまして、常に資質の向上を図る必要がございます。とりわけ、保健師につきましては、直接高齢者とお会いし、その方の身体的・心理的状況を把握する立場にあり、また、その方にあった介護予防事業をご紹介するなど、事実上の「介護予防のコーディネーター」の役割を果たすことになりますので、研修等を通じて一層の資質と意欲の向上を図ります。

 また事業も、多くの方が参加を希望するような魅力あるものを導入し、利用者に親しまれ、頼りにされるセンター運営を目指したいと考えています。

 いずれにいたしましても、今回の改正では、介護予防を重視する仕組みへの転換をはじめ、認知症などに対応した新しいサービスの導入、地域における包括的なケア体制の整備など、極めて重要な内容が盛り込まれております。今後、住みなれたな地域で高齢者が自分らしく安心して生き生きと暮らせる社会をどのように構築していくのか、第3期介護保険事業計画策定の中でさらに検討してまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。

このページの最初に戻る


4.ホタルの里構想について


このしま  最後に、その他の質問として、「ホタルの里」構想についてお伺いいたします。

 「自然の叡智」をメーンテーマにした愛地球博は、大成功のうちに幕を閉じましたが、自然との共生にむけて、具体的な活動の展開が期待されます。

 先日私は、板橋区の蛍飼育施設を訪ねました。そこには、ホタルの光や飛び方がどのように人に癒しを与えるかについて、脳波を測定しながら科学的に検証し、博士号を取得したホタル博士 阿部宣男さん(板橋区役所、職員)がおられ、そのお話を伺って非常に感動いたしました。
 それは、この施設の基本姿勢は単にホタルの数を増やすことではなく、ホタル意外のさまざまな動植物が育つために必要なものは何かを実践的に研究し、特に水質・土質を悪くする有機物を分解、浄化するバクテリアを増繁殖させることにより動植物すべての世代交代を目的にしているということでした。

 阿部さんは、「蛍生息の条件づくりは決して難しくない。これまで全国67か所の自治体から要請を受け、現地に出向き、みずから土壌づくりなど、蛍生息の環境づくりを支援してきて、今まで1か所の失敗もありません。要請があれば、豊島区でも蛍の生息する環境づくりの支援をします。必ず成功させ、私が生きている限り責任をもちます。」と力強いエールをいただいてきました。
 さらに阿部さんは、蛍は愛と希望でもあるとおっしゃっています。まさしく蛍は平和の心であり、平和の象徴であると思います。築30年の廃屋から始めたというこの施設も、6・7月には毎日2~3千人という長蛇の列ができるそうです。平和の象徴である蛍を愛し、蛍を求めている区民がいかに多いかであります。

 また、私は先日、愛知県西尾市の「平原ゲンジボタルの里」を見てまいりました。西尾市は人口10万人ですが、蛍が飛び交う時期には毎日7~8千人が訪れるそうです。蛍の生息する環境整備は、小学校からお年寄りまで地域全体で行っています。  私も長野で育ちましたが、小・中学生のころは、ホタルをたくさん見て育ち、そこここに舞うホタルを追いかけて歩きました。ひと昔前までは、あちらこちらに自生し、人々にうるおいを与えてきましたが、都市化や工業化に伴う川の汚染や改修・農薬散布などが進むにつれ、いつの間にか生息地が減って、今では、全く見ることが出来なくなりました。

 究極のビオトープと言われるこの蛍の里。この蛍の生息を環境保全のテーマとして、また夢の持てる構想の1つとして板橋区のケースのノウハウを参考にしたり、民間の協力を得て取り組んでみてはいかがでしょうか。目白庭園などを使って行えば、きっと施設の活性化にもつながると考えます。子どもたちにもぜひ、平和のシンボルのホタルを見せてあげたいと思います。区長のご所見を伺います。

 以上をもちまして、私の質問を全部終わります。ご清聴ありがとうございました。
ライン森

増田土木部長  次に、「ほたるの里」構想についてのご質問にお答えいたします。

 ご質問のように、板橋区は、新高島平に専用のほたるの施設を設け、ほたる鑑賞会は多くの人々に楽しまれております。

 また、平成4年には本区でも、専用施設でほたるを飼育していた板橋区・新宿区から幼虫を分けてもらい、公園事務所内の水槽でヘイケボタルを飼育したことがございます。このときは、ほたるの羽化には成功しましたが、エサのカワニナを大量飼育することが難しく、取り組みの継続を断念した経緯がございます。

 そして先般、練馬区では、2007年の区制施行60周年に向け、ほたるを飛ばす計画があることを聞き及んでおります。

 豊島区では、これからの区の経営戦略の大きな柱として、「住みたいまち」「訪れたいまち」と誰もが思えるような「新たな魅力と価値を生むまちづくりの推進」をめざしており、個性あふれるまちの価値を「地域ブランド」と位置付け、目白・駒込両地区で、取り組みを始めたところでございます。

 目白地区には、本格的な日本庭園、目白庭園があり、庭園内に池や滝もあります。練馬区の計画をお聞きしまして、目白の固有の魅力や価値を高める一助となりますので、この目白庭園を活用して、ほたるを飛ばすことをぜひ実現できないか考えたところでございます。

 その後、早速、専門業者に問い合わせをいたしましたところ、ほたるは水道水でも飼育が可能であることが判りましたが、目白庭園でほたるを安定的に飛ばすためには、最低3年間の期間が必要で、池がコンクリートに覆われていることから、新たに水路を設ける必要があり、それなりの経費がかかることも判明いたしました。

 ご質問のように、愛知県西尾市のような田んぼや里山が多く残されている田園地帯と異なり、豊島区では、人工的にほたるの生育環境をつくらなければなりません。また、ほたるの飼育は、飼ってみて初めてわかることが多く、水温や水質の微細な維持管理が必要なものでございます。

 しかしながら、「ほたるの里」はぜひ実現したいと思っております。大変難しいことも多々ございますが、目白庭園の指定管理者と十分協議し、関係するNPOや成功事例区のノウハウを活用し、目白地区の方々とも協働しつつホタルの鑑賞会の実現に向けて、できることから一歩ずつ積み重ねてまいります。

 私からの答弁は以上でございます。

このページの最初に戻る



Copyright(c) 2008-2010 Sumiko Konoshima. All rights reserved.