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 議会報告 (平成14年10月3日 第3回定例会)

区民との協働で新たな施策の展開を
  1. 協働について
  2. 区有施設の管理・運営について
  3. 「公共施設の再構築・区有財産の活用」の本部素案について
  4. 住宅施策について
  5. 不妊治療の保険適用範囲の拡大を望む
  6. 不妊治療の保険適用範囲の拡大を望む

1.協働について


このしま  はじめに協働についてお伺いいたします。

 今後ますます高まる少子高齢化の波のなかで、いかに効率的な行政運営をし、行政コストの縮減を図りながら、多様な区民サービスに答えていけるか、その方向転換がスピーディーに出来るかどうかということは私たちに課せられた責務であります。  本区においても行政評価を実施しながら、努力しておられるものの、区民の声としては、「民間に任せられるものは民間に任せればいいのに行革のスピードが遅いのではないか」との厳しい指摘もあります。
 そもそも行政評価システムの最終的な狙いは、住民と行政との望ましい関係、パートナーシップの確立であり、行政と地域社会との新しい相互関係をどう創っていくかということだと考えます。

 本区においてもかねてより、区民と行政のパートナーシップ会議が開催され、これまで9回にわたり審議されているところでございますが、区民、NPOとの協働については、そのあり方について心がけなければならない観点が多々あると考えます。
 たとえば区行政は税金によって財源がまかなわれており、サービスは公平に供給されなければなりませんが、その点NPOは寄付や事業収入を財源として活動していることから制約されることは少ないと考えられます。そのような中で行政とボランティアやNPOが相互の存在意義を認識し、尊重しあい、それぞれのもてる力を出し合って対等の立場で社会に貢献する活動をしていくことができればそれは、“協働”と考えられます。
 そこで先ず、本区においては町会や育成委員会、高齢者クラブやスポーツ団体をはじめ、さまざまなボランティア団体が活躍しております。それらの団体を含め、区は、NPOとの協働をどのように位置付けていかれるのかお伺いいたします。

 2点目に、一口に協働といっても「自主活動・連携型」や「区事業への参画型」そして「共同事業型」などに立て分けられます。その中で、町会は他のボランティア団体と比べ区政との関わりや活動内容等から別格の存在だと考えますがどの様にお考えでしょうか。お伺いいたします。
 
 3点目に、千葉県では生活課(本区で言う区民部)とともに行政改革推進室が共同して「NPO活動推進指針の骨子」を公表しました。そこでは、「事務事業を全面的に見直し、①行政の独自領域、②行政の独自領域だが市民参加が必要な領域、③企業NPO等へのアウトソーシングが可能な領域、④NPOとの協働の領域、という仕分けを行うとし、今後は民間部門への役割移転、NPO等の住民ネットワークを活用した行政の転換が必要」と記しており、今後の動向が注目されます。
 本区においても各部、各セクションごとにこういった仕分けを、是非すべきだと考えますがいかがでしょうか?区長のお考えを伺います。

 4点目に、区民との協働をすすめていくためには、支援条例の制定が必要と考えますがいかがでしょうか?出来れば徹底した区民参加で行う方が望ましいと考えます。

 5点目に、これら区民活動をサポートし、お互いの情報交換の場となる地域センターは出張所など可能な区施設を利用するなどして、出来るだけ区内に多く設置されることが望ましいと考えますがいかがでしょうか?そして協働に対し基本的理解を深める地域講座の開催や支援する人材を養成する講座の開催はいかがでしょうか?区長の御所見をお伺いいたします。
ライン森

高野区長  まず、協働についてのご質問にお答えいたします。

 第1点目の「NPO等との協働の位置付け」についてのご質問にお答えいたします。

 これからの地域社会では、区と区民と事業者が相互に支援し合い、安全で安心して暮らせる豊かな街づくりを更に進めていかなければなりません。そのためには、従来から地域で社会貢献活動をされている団体はもとより、これから活動を始めたいと 思っている団体とも役割分担を明確にしながら、豊島区の活性化を進めていきたいと考えております。
 このような観点から、NPO等の団体は、対等の立場に立って、共通する課題の解決や社会目的の実現を図っていくパートナーであると位置付けてまいります。

 次に第2点目の「町会への考え方」についてのご質問にお答えいたします。

 長い歴史のある町会は、地域コミュニティを基盤とする組織として、区をはじめ関係機関と相協力して防災、リサイクル、地域安全等様々な分野で総合的な立場から積極的に活躍しており、NPO等とは異なる独自の役割があると十分認識しております。従いまして、これまでと同様に町会の広範かつ多岐にわたる活動に大いに期待しております。今後も緊密な連携を取りながら区政の進展のために手を携えていきたいと考えております。

 次に第3点目の「各部・各セクションごとの事務事業の仕分け」のご質問にお答えします。
 本区では、昨年度から本格的に実施しております行政評価において、ご指摘のような分野も視野に入れ、事務事業評価を行っております。
 その結果、40事業については、「民間やNPO等が提供している類似のサービスに全部任せられる」、37事業は「類似事業との統合や民間への外部委託により、一層効率的な事業展開が可能である」という評価でありました。
 今後、個別評価の結果をふまえ、社会福祉施設、子ども家庭施設、社会教育施設の民営化や、管理運営をNPOや民間事業者等に委託することを考えております。

 次に第4点目の「支援条例の制定」についてのご質問にお答えいたします。
 区民と行政との協働は、現在策定中の基本構想・基本計画の中心的な課題です。
 支援条例については、「区民と行政とのパートナーシップ会議」の中でも必要性について意見が出ておりますので、区民参加を基本にしながら制定に向けて検討してまいりたいと考えております。

 次に第5点目の「地域センターと講座の開催」についてのご質問にお答えいたします。
 地域センターは社会貢献活動にあたる団体の基盤を強化し、活動の充実を図ると共に地域で生活する人々の交流の拠点として必要であると考えております。
 区民と行政とのパートナーシップ会議」のなかでも、複数設置すべきであるとの意見がでておりますので、その方向で設置してまいりたいと考えております。
 また、地域講座と人材育成講座の開催についてですが、本年6月に発行いたしました「区民地域活動白書」では「活動を充実させるための会員への研修」や「リーダー育成のための研修」といった要望が強く、人材確保と育成のために講座の必要性を感じております。
 既に実施している社会福祉協議会等の講座との整合性を取りながら検討してまいりたいと考えております。

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2.区有施設の管理・運営について


このしま  次に区有施設の管理・運営についてお伺いいたします。

 区内のさまざまな施設の中には、統合により生み出された学校跡地や出張所跡地を含め、その他の公共施設の利用状況について「価値的に活用されていない」という声が多く聞かれます。また公共施設の再構築後には「管理運営主体は、NPO法人等の民間事業者を活用する。」とあるものの、「ではそれまでは、そうした考え方にたてないのか、目的使用の期間まで、、、という暫定期間であっても、有効利用する方法はいくらでもあるのではないか」という声も少なくありません。
 私は先日、統合により廃校となった校舎の転用で、遊休施設の活用を始めた港区と荒川区を視察して参りました。
 港区では、「港NPOハウス」と命名し、NPO法人の活動拠点としてお部屋を貸し出し、給食室は高齢者などに配食サービスをおこなう団体の調理場として活用しておりました。学校の役割を終えて3年目の校舎を丸ごとNPOの団地に転用したもので、都心の一等地にもかかわらず家賃は一教室、月9万円と格安で敷金も礼金もありませんでした。

 また、荒川区では、なんと産業活性化推進室産業振興観光課と言う大変ポジティブなネーミングの課があり、感動いたしましたが、そこがIT関連事業等の創業をめざす事業者に安い利用料で使えるオフィスを提供し、次代を担うベンチャー企業の育成を図るとともに、企業間交流により区内産業の活性化につなげようと試みておりました。
 伺って、まず驚いたことは、校庭を駐車場に貸し出していました。そしてここもオフィスの賃料がばか安で月1万円プラス共益費2万2千円のみ。2年間の定期借家契約ですが、区内産業への波及効果のほどを伺うとなんと早速、「地元企業と協働で新たな事業を立ち上げた」という会社もあって、他でも活性化の方向に触発しあっているとのことでした。

 一方本区においても、今上演中の池袋演劇際のメンバーの悩みも、練習会場がないということで、稽古場をもとめてさまよう遊牧民のようなものだ、と言われているようです。民間の貸しスタジオは借りたくても料金が高くて手が出ない、とこぼしている団体はたくさんあるのが実態です。
 そのような中、西部区民事務所は校庭、体育館、図書館など特別教室は地域の方々に開放されており、平成13年度は、24,000人位の利用があり、施設使用料としての収入は16万円位だったようですが、その他にテレビ局の撮影等に貸すことで、なんと850万円もの歳入があったと聞き、自分たちの力で、窮乏している豊島区の歳入を少しでも図ろうと努力している職員の皆様のご努力に敬服いたしました。

 さて、各区有施設が西部区民事務所や千川小学校跡地と同様に、区民の利用に差し障りのない範囲で、区民以外の営利を目的とする者にでも貸すことが出来るのであれば、それは施設の有効活用となり、新たな収入確保の方法として、評価できるのではないかと考えます。
 そこで、施設の管理方法として、公社や民間ボランティア等に委託していってはいかがでしょうか?
 区民の多様なニーズを図るためにはその管理を民間委託することにより会館時間の延長や休館日の削減など、規則に縛られない自由な運営が図れるとともに、ボランティアの活動拠点の全区的な展開が果たせるものと考えます。また、東京都や秩父市などが作っているロケーションボックスなどを作り、撮影場所として貸していくことも、豊島区の魅力を日本中に発信することが出来、一石三鳥ぐらいの施設活用が可能になると考えますがいかがでしょうか。
 また神戸では、グループの集まりや学習活動に利用してもらおうと、公共施設などをまとめた「貸室情報」というものをつくり、「あるようでなかった1冊」という売り文句でご案内を作り、活用を進めているようであります。

 いづれにしましても如何に価値的に活用するかについては専任の担当者をつけても一日も早く取り組むべきと考えますが区長の御見解をお伺いいたします。
ライン森

高野区長  区有施設の管理・運営についてのご質問にお答えいたします。

 第1点目、区有施設を区民の利用に差し障りのない範囲で、区民以外の営利を目的とするものにも貸し出し、収入確保を図ることの可能性についてであります。
 公有財産のうち行政財産つきましては、地方自治法上、その用途または目的を妨げない限度においてその使用を許可することができることとしております。
 このため、統合後の学校跡施設など比較的目的外使用が可能な施設については、テレビ撮影などを許可するケースが増えております。
 この他の施設では、本来の事業への影響が大きいことからこのような許可の事例は、ほとんどございません。
 また、ご指摘の荒川区の事例は、学校跡地を普通財産とし、財団法人荒川区地域振興公社に無償貸し付けしているものであります。
 学校跡地等を普通財産とするためには、国庫補助金の清算や起債未償還分の返還などの手続きを経なければなりませんが、用地等の有効活用を図る観点から本区におきましても、具体化を図ってまいる考えであります。

 次に、第2点目、施設管理の公社や民間ボランティア等への委託についてであります。
 現在、公の施設の管理委託先は、地方自治法により普通地方公共団体が出資している法人、公共団体、公共的団体などに限定されています。
 一方、国の経済財政諮問会議や総合規制改革会議などでは、公の施設の管理委託先を民間会社にも拡大する方向がうちだされておりまして、早ければ来年春の次期通常国会に地方自治法改正案が提出されるとの報道もあります。  本区でも今後、社会教育会館やことぶきの家などの管理運営をNPO等に委託することなど、具体化へ向け検討してまいりたいと考えております。
 なお、公の施設の管理を公社等に委託しましても、施設の本来目的に支障のない範囲での目的外使用許可、という許可条件に変わりはありません。

 次に、第3点目、ロケーションボックスなどを作り、撮影場所として貸し出してはどうか、とのご提案についてであります。  現在、西部区民事務所、旧日出小学校、旧千川小学校などにおいて、区民のかたが利用していない場所や時間帯にかぎり、テレビや映画等の撮影場所としての貸し出しを行っております。
 ご指摘のようにかなりの収入があり、資産的価値を生かす一つの有効な方法であると認識しております。
 しかしながら、一方で、撮影時の騒音や車の通行などにより近隣の方々や施設の利用者にご迷惑をおかけすることもあるやに聞いておりますので、今後は、そのようなことがないよう、細心の注意を払いながら、貸し出しを行っていきたいと考えております。
 撮影許可などの総合的案内窓口であるロケーションボックスを設置することについては、その必要性や貸し出し需要などを十分見極めたうえで、判断してまいりたいと考えております。

 次に、第4点目、施設の有効活用のため専任担当者をつけて一日も早く取り組むべきとのことですが、現在、本部素案により全体的な活用の方向を検討しているわけですが、相次いで発生します空き施設の有効活用の具体化が遅れているのも事実であります。
 このため、区有財産活用の専管組織の設置、施設管理・活用の専門技術スタッフの充実などについて、来年4月を目途に具体化していくことを検討してまいりたいと思います。

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3.「公共施設の再構築・区有財産の活用」の本部素案について


このしま  次に、豊島区行財政改革推進本部から出されました「公共施設の再構築・区有財産の活用」の本部素案についてお伺いします。

 本部素案にもありますように「豊島体育館は、老朽化が進んでいるが現在地での建替えは、建築基準法上、現在の規模を確保することが困難である」との検討結果から、長崎中学校用地に整備する方向の案が示されました。これについて質問いたします。

 第一に、この計画からいたしますと、体育館が整備されるのは、時間的に計算しますとどんなに急いでも、10年後ということになるかと思いますが、既に築35年経過し、老朽化している豊島体育館は大丈夫なのでしょうか?
 また素案として示された長崎中学校用地は、放射7号線に面しており、容積率対象可能面積が3万平方メートルあることから充分な施設が出来ることは事実であります。しかし、車以外の交通機関を考えますと、都営地下鉄「落合南長崎駅」は近いものの、豊島区民の足としての利用は少ないものと考えられます。区民にとっては東長崎駅が近く、ここからは徒歩で15分かかります。時代は既に高齢社会であり、自転車利用不可能な区民、車を利用しない区民にとっても、交通至便な場所が望ましいと考えます。
 区民の中には「ここでは豊島区民にとってよりも、新宿区、中野区、練馬区民にとって利用しやすい位置だ」という声が聞かれるほどですが、体育館建設にあたっての条件は、区民の利便性を第一とすべきだ、と考えます。
 そこで千川小学校跡地および、豊島体育館用地は、第一種低層住居専用地域ではありますが、公益的価値観をかんがみ、用途地域内の建築物の制限の例外的な許可と近隣住民の理解の上、千川小学校跡地と一体化した計画が望ましく、近隣公園も兼ね備えた体育館とされたいと考えますがいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。

 さらに西部区民事務所は「ワンストップサービスの拠点として区民事務所、西部保健福祉センター、保険センターを整備する」とされております。また、近隣の老朽化した施設も併設し整備するということで、その対象となる施設といえば、千早社会教育会館や図書館であります。
 文字どうりワンストップサービスは区民の利便性や効率的な行政の実現のために、極めて重要なもので、ここに来れば、いろんなサービスが利用出来ると喜ばれることは間違いありません。しかし、ここも第一種中高層住居専用地域です。これから建築される施設は、まず高齢者や障害者、子どもに配慮したものでなければなりません。それらを考えますと、これだけの面積の中に、この盛りだくさんの施設がどう配置されるのだろうかと心配になります。

 そこで、ここも第一種中高層住居専用地域の用途地域ではありますが、公益的価値観をかんがみ、用途地域内の建築物の例外的許可と近隣住民の理解の上、本来のワンストップサービスが可能な価値的な施設を建築すべきだと考えますがいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いいたします。
ライン森

高野区長  次に「公共施設の再構築・区有財産の活用」の本部素案についてのご質問にお答えいたします。

 まず、第1点目、豊島体育館の耐震性についてですが、耐震補強が必要と考えておりまして、施設の移転改築時期などを踏まえつつ、当面必要な改修工事の内容を検討してまいりたいとかんがえております。

 次に、第2点目、新たな西部地域の総合体育館の建設予定地についてであります。
 新たな体育館は、観客席付のアリーナ、プール、トレーニングルーム、集会室等を備えた区の中心的な、総合的スポーツ・健康施設と位置付けております。
 このため、現在の豊島体育館の床面積3300平方メートルを大幅に上回る規模になるものと考えておりまして、本部素案でもお示ししております長崎中学校用地がふさわしいものと考えております。
 いづれにいたしましても、今回の本部素案につきましては、現在、区民の皆様からのご意見をいただき集約している段階でありますので、ご指摘の内容を含めさらに検討させていただきたいと思います。

 次に、第3点目、西部区民事務所の複合施設化についてですが、ご指摘のとおり、新たな複合施設の整備にあたっては、周辺の住環境との調和を図ることが大切であります。
 また、施設自体も高齢者、障害者、子ども達などに十分配慮した、ゆとりのあるものでなければならないと考えます。  この点を十分踏まえて計画化してまいります。

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4.住宅施策について


このしま  次に住宅施策について質問いたします。

 区民生活において、住宅は生活の器であり、もっとも基本的な課題といえます。ゆえに経済情勢が不透明で、行政の財源が窮迫する中においても、住まいの確保に関わる施策については重点的に取り組むべきものと考えます。また分権化の流れの中で、区の果たす役割は大きくなってきており、これまで以上に効果的で効率的な時代の変化に応じた施策の展開が求められております。
 区民の要望する住居形態については、家族についてのとらえ方や、就業形態の変化等により、今までにはなかった生活スタイルも出てまいりました。高齢者等が集まってお互いの世話をしながら協力して生活するグループハウス、育児や介護について住民が互いに協力するコレクテイブハウス、住宅と職場を一体化したSOHO住宅、持ち家を公的な団体や民間機関に信託して住みながら生活費の融資を受けるリバース・モゲージなど、さまざまです。
 いづれにしましても、多用な年代、多用な世帯が混ざり合って住み、お互いに交流しながら元気な地域、元気な豊島区を築いていく為には、これからは区民、民間事業者との協働による住まいづくりの推進が必要であり、行政は、住宅に関するさまざまな情報を提供し、相談に応じられる体制づくりが必要だと考えますがいかがでしょうか。区長のお考えを伺います。

 さて、本区におきましては、ワンルームマンションが多いのに対して、民間賃貸住宅の場合、ファミリー世帯向けの適切な規模と家賃の賃貸住宅が少なく、住み慣れた所に居つづけたいと考えても、住まいの広さや価格が会わず、仕方なくほかの地域に引っ越して行くというケースが少なくありません。そこで、「既存ストックの有効活用による公共賃貸住宅の供給促進」について質問を含め、提案いたします。

 国土交通省は既存ストックの有効活用を図るとともに、オフィスビルが供給過剰に陥る2003年問題を懸念するなかで平成14年度から「建築ストック活用型再生賃貸住宅制度「を創設しました。
 この制度は、循環型社会に対応し、都市居住機能の回復による都市の再生、少子高齢化への対応など地域の課題と需要を踏まえた的確かつ効率的な公共賃貸住宅の供給を促進することを目的とするものであり、「区民」のベースとなっている「特定優良賃貸住宅制度」と類似の制度です。既存の共同住宅やオフィスの賃貸住宅への転用に対する支援措置として、国と地方が住宅改良費補助と家賃対策補助を行うもので、管理方法としては、地方公共団体や公社の借り上げに加え、民間法人による管理も可能となっています。

 本区におきましては、社宅や寮においても、かなりの既存の共同住宅物件があるものと見受けられます。実際、一部地域に限り調査したところ、意外の多さに驚きました。そしてその中には、この1~2年のうちに転用の方向について決定するという企業もありました。

 そこで、本区におきましても、この制度の活用を前提として、区内の社宅等について、実態を調査すべきであると思いますがいかがでしょうか。

 さらには、その調査結果を踏まえ、ファミリー世帯の住宅施策拡大を図るべく、ただちに、施策化に向けた検討を進めるべきであると考えますがいかがでしょうか。この制度を利用し既存ストックを有効活用するかたちで、公共賃貸住宅を供給することが出来れば、これは大変価値的のある施策になることは間違いありません。是非すばやい対応を望み、区長の積極的な答弁を期待して、次ぎの質問に移ります。
ライン森

高野区長  第1点目の住宅に関する情報提供と相談体制についてお答えいたします。

 豊島区の活力と魅力ある居住を実現していくためには、住み手である区民と協働しながら、多様化する居住ニーズに応える住宅政策を展開していくことが必要であります。
 また、住まいに関する最新の情報を収集し、区民やNPOの主体的な活動を支援していくことは、住宅施策の実効性を高める上でも重要な課題であります。
 こうした認識の基に、これまでも、「マンション管理通信」や住宅改修に関する手引きの発行、「くらしのすまいるフェア」等を実施してまいりました。
 今後は、ホームページを活用し、より一層、情報提供の幅を広げるとともに、街づくり公社をはじめ、「東京と防災・建築まちづくりセンター」や住宅関連団体とのネットワークを強化するなど、区民・事業者との協働による、相談体制を充実してまいります。
 また、来年度発行予定の「住宅白書」では、ご質問の趣旨を十分に踏まえ、各種、住まいに関する情報提供に重点を置き、作成を進めてまいります。

 次に、第2点目の、既存ストックを活用した公共賃貸住宅の供給についてお答えいたします。
 第1番目の、区内の社宅等の調査についてお答えいたします。
 平成10年の住宅・土地統計調査によりますと、区内には約6630戸の給与住宅があり、これら社宅は、全住宅ストックの約5%にあたります。
 近年では、企業の資産整理等により、社宅が分譲マンションに建て替わったり、老朽化したままの社宅も見られます。社宅は一定規模の敷地を有している場合が多く、その土地利用の変化は、地域の街づくりにも少なからず影響を与えます。  したがいまして、社宅の立地や施設の状況、企業における将来の利用計画等について、実態調査を実施する方向で検討を進めてまいります。

 次に、第2番目の施策化に向けた検討についてお答えいたします。
 ファミリー世帯の居住促進は、本区の住宅施策にとって重要な課題であります。また、ご指摘のとおり、今後の住宅政策では、既存の住宅ストックを有効活用する「ストック・マネジメント」の視点を重視すべきであります。
 従いまして、新たな「住宅マスタープラン」を検討する中で、具体的に費用対効果等の調査研究を行い、実現の可能性を探ってまいります。

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5.不妊治療の保険適用範囲の拡大を望む


このしま  次に、不妊治療費助成についてお伺いいたします。

 不妊とは、妊娠を望みながら2年以上妊娠に恵まれない状態をいいますが、「厚生特別研究生殖補助医療技術に対する、医師および国民の意識に関する研究」(1999年)によりますと、不妊治療患者数の現状は実に10組に1組の夫婦が不妊症で悩んでおり、子どもを授かるために病院での治療を受けるのですが、治療の段階で高度な治療へと進むにつれ、費用も高額になって参ります。
 不妊治療には、排卵誘発法など保険が適用される治療もありますが、保険適用外の治療も多く、平均的費用は人口受精で2万円から3万円、対外受精で25万円から50万円、顕微授精で50万円ほどになり、さらに治療を繰り返すために多額の費用がかかります。
 また精神的、肉体的負担も大きく、女性が高齢になるにつれてさらに可能性は低くなり、時間は限られているといった実態です。

 出生率低下の主な要因としては、晩婚化の進行等による未婚率の上昇があり、その背景として仕事と子育ての両立の負担感の増大や子育ての負担感の増大などがあると指摘されておりますが、厚生労働大臣の私的諮問機関「少子化社会を考える懇談会」は新たな少子化対策の中間報告をまとめ、不妊治療への支援を重要な検討課題として位置づけたということであります。現在不妊治療の費用を助成する市町村は15あり、そのうち8市町村が少子化対策として実施しているようです。

 そこで、本区で掌握出来ておられる範囲の実態を伺うとともに不妊治療費の助成は本区にとって財政上厳しい問題であり国の動向を見据えてということになろうかと思いますが、是非検討頂けますよう区長のお考えをお伺いいたします。
ライン森

高野区長  わが国におきます不妊治療は、昭和58年の体外受精をはじめとし、年々進歩・普及してまいりました。
 不妊治療の進歩は、望んでいるにもかかわらず、子どもを持つことができなかった人々に大きな福音をもたらし、出生率の向上に寄与するものと考えております。

 第1番目のご質問の、本区における不妊治療の実態につきましては、残念ながら把握してございませんが、平成11年の国の推計によれば、約28万人の方が不妊治療をうけておりますので、豊島区では人口規模から見て500人程度はいらっしゃるものと推察しております。

 次に、第2点目の不妊治療にかかる費用の助成についてでございます。

 不妊治療は保険が適用されるものもございますが、ご指摘の人口受精対外受精などの方法は保険適用外でありますので多額の費用がかかり、治療を受けている方々に大きな負担となっております。
 しかしながら、不妊治療費の助成につきましては、少子化対策の一助として全国レベルで検討されるべき政策であると考えております。
 今後、国で検討に入るとされております不妊治療の支援策のなかで、不妊治療方法の保険適用範囲の拡大が認められることを願っております。毎年国の施策・予算に関する要望を区長会で取りまとめますので、ご趣旨をふまえ、区長会で積極的に発言してまいります。

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6.校庭の芝生化について


このしま  最後に、こどもたちの体力向上のために、校庭の芝生化について質問いたします。

 文部科学大臣の諮問機関・中央教育審議会のスポーツ青少年分科会では、子どもがもっとスポーツに親しめるよう小学校の校庭の芝生化を進めることを柱にした中間報告をまとめ、遠山文部化学大臣に提出したようですが、芝生は転んでも衝撃が和らげられることから、子どもも怪我を恐れず、はだしで遊んだり、寝そべったり転げ回って遊ぶことが出来、また周辺住民から寄せられていた校庭の砂ぼこり対策にもなります。

 同分科会では、学校以外の運動場でも芝生を増やすよう提案しており、個人ごとの体力を示すデーターや目標を記入する「スポーツ健康手帳」の作成も提言されております。宮城県の小牛田町では、5年間かけて全小学校を芝生化したということですが文部科学省が1997年から3年間のうちで芝生化に助成した学校は137校におよぶものとなっております。

 そこで環境教育にも役立ち、なおかつヒートアイランド現象の緩和にもつながる天然芝の芝生化が望まれるところですが、如何にせん天然芝はその維持管理が大変なことは本区の職員が三芳グラウンドで実験済みなように、大変な労力と費用を必要とします。
 ただ、いかに大変であっても、子どもたちは21世紀を担う大切な宝であり、やがて世界を舞台にして活躍する人材です。その教育的見地から見ても、これは自然環境の大切さを教える身近かな教材にもなり、維持管理の苦労は子どもたちにも協力させることによって、その一翼を担っているという思いを共有させることになり、芝生を育てる大切さも身につくものと考えます。  費用負担も地域住民に寄付をお願いするとか地域全体で維持管理に携わっていくという学校と地域との関係を築いていくこともまた、望ましい結果につながるものと考えます。

 一方、天然芝とあわせ、現在巣鴨スポーツセンターで使用されておりますフィールドターフの利用も価値的ではないかと考えます。これは限りなく天然芝に近いと言われ2001年フィファ(FIFA)の国際大会の主な競技会場に採用されており、その衝撃性・吸収性やしなやかさ、バウンド力、また豪雨の際の水はけのすばやさなどその機能性はスポーツ関係者から絶賛されており、現在総合グラウンドで使用しているものよりはるかに品質価値の高いものと考えます。ただ、ヒートアイランド現象の緩和という観点においては天然芝には及びませんが、現在のアーバンコートよりは優れていると思います。

 いずれにしましてもこれは、子どもがもっと転げまわって遊ぶこととか自然環境の大切さを教育の場から発信するためにも、重要な事業と考えます。
 そこで本区においても子どもたちのスポーツを楽しむ環境が一段と向上し、地域住民の交流の場ともなる芝生化を、ぜひ実施されるよう強く望むものですが、教育長の積極的な答弁を期待して私の質問を終わります。
ライン森

教育長  校庭の芝生化についてのご質問でございますが、昨今、地球温暖化、オゾン層の破壊など、様々な地球環境問題が社会的に大きく取り上げられており、学校施設につきましても、環境を配慮した整備が求められております。校庭の芝生化は、この要請に沿うものであるとともに、子どもたちの体力の向上や環境教育に役立つものであると考えております。
 また、防災の観点から豊島区の教育委員会の方針では「全天候型舗装の校庭については、全面改修の際、土化する」ということになっておりますが、芝生化は防災上の効果において土化と変わらないと考えております。
 しかしながら、同時に、校庭の芝生化には、ご指摘のように、日々の維持管理という困難な課題があるほか、芝生の敷設期間や養生期間における代替施設を近隣地に確保できるのか、授業や子どもたちの遊びに支障を生じることはないのかといった課題がございます。

 したがいまして、先行事例も参考にしながら、これらの課題をどのように克服していくかについて検討してまいりたいと存じます。
 以上をもちまして、私の答弁を終わります。

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